部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

9月公演第一部・良弁杉由来

2010-09-18 | 文楽
痛む腹を抱え(ええ、またです。いつものPP)今日、2回目の一部を鑑賞してきました。
「桜宮物狂いの段」での、 
 きゅるきゅるきゅる~っ(腹三味線もしくは腹胡弓) 
あああ、やばいっ!お、お腹がーーーっ!
という危機的状況をなんとか乗り越え、最後まで無事だった己を褒めてやりたいと思います。


 【良弁杉由来(ろうべんすぎのゆらい)】
    志賀の里の段
    桜宮物狂いの段
    東大寺の段
    二月堂の段


まず、ワシは驚いた!


ワシ(儂)とわし(鷲)を掛けてみました。

・・・と、羞恥プレイの2乗を披露したところで、本日のご挨拶とかえさせていただきます。 







いや、終わりませんよ。

しかし、あの生態系を狂わせるに違いない鷲の大きさは予想を超えていましたね。
今まさに哀しい出来事の真っ最中というのに、ちょっと半笑いで舞台を見ている己に気付き、
「いかんいかん、ここは渚の方の悲劇の始まりなんだから」
と、慌てて鷲を脳裏から消すことに務めました。



『桜宮物狂いの段』でも、ええ、ご想像の通り、わたくしは吹玉屋の
 「さがり玉とはなんぢゃいな」
のくだり、さらっと聞き流すことはできませんでした。
さ、さがり玉って。くすっ。
こういうところでいちいち喜んでるから、いくつになっても「脳みそ中学生男子並み」と言われるのであった。

しかし、下品なことばっかり考えてるわけじゃあありませんよ!

息子を大鷲に連れ去られて狂人となってしまった渚の方が、里の子供たちに
「あの光丸は なんとした。
 なぜ誘ふてはおぢゃらぬぞ 」
と泣き訊ねるところで、思いがけずポロリ涙。

文雀師匠の渚の方はまったくもって素晴らしく、物狂いの様子から一転正気に戻った時、目に見えないスイッチが入ったかのような変貌ぶりに感じ入ることしきり。

『東大寺の段』は英大夫が勘壽さんのお人のよい雲弥坊と渚の方のやり取りを上手に聞かせ、二月堂での感動につなげてくれました。

しかし、和生さんの良弁はもちろんのこと、弟子の僧侶(玉勢・簑紫郎さん)やお供達、皆があんなにも じぃ~~ っと動かずにいるってすごいな。
タケコプターみたいな芸が終わってからは、ずっとじーっとしてるんだもん。

辛抱、辛抱、また辛抱。
徳を積んだ僧侶を上品に演ずるのは、生半の苦労ではなかろうぞ。
見ている私の方が息苦しくなってきて、席でもぞもぞ、ごそごそ・・・

そして、綱大夫の語りにはこのところやられっぱなしの私、どうやら綱さんの声は自動的に私の涙腺を緩める作用があるようです。
以前は眠くなる声No.2の位置にあったのに、妹背山といい、夏休み公演の和生・綱大夫の源蔵といい、今日の良弁親子の抱き合っての再会のシーンといい、よもやの涙ポロリ。
鬼のさむ子(別名・クソばばあ)を泣かすとは。

綱大夫=玉ねぎ?

我侭を言わせてもらいますれば、これからも、いついつまでもお元気で、私を泣かせて欲しいものです。

ずっと「玉ねぎ大夫」でいて欲しいです。



・・・ものすんごく、失礼なこと言ってますか、私?