部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

悲しくて悲しくて~ とてもやり切れない~

2009-10-20 | 文楽
今思えば確かに朝から調子は悪かった。
でも、「昨日、調子に乗って食べるラー油をばくばく食べたからかな?」程度にしか考えていなかった。
まだその時は・・・



文楽の地方公演を見に行った席でのこと。

開演と同時に解説が10分程度あったんだけど、その時にまさかの第一波が

「きゅるるるるる~~」

・・・・

や、ヤヴァイ・・・  は、腹が痛い!

「またかよ!」とお思いかもしれませんが、これ、実は久々のこと。
腹弱のわたくしのお腹も、最近は春の海のようにひねもすのたり、
めっきり穏やかだったのに。


なんとか解説が終わるまで待って、「すいません、すいません」と隣のお二人の前をわしわし通り抜けてトイレに駆け込む。
当然私の腹具合などお構いなしに公演は進む。
が、脂汗がにじむほどの腹痛で、当分トイレから出られそうにない。

「くぅ~、今頃三味線は清丈'さんが・・・(涙)」

幸い(というかなんというか)その公演会場は、トイレの中にもスピーカーがあり、公演中の演奏が始終流れている。
清丈'さん、あなたの三味線はここ(=トイレ)でしっかりと聞かせてもらいます! (←最低なファン)

ていうか、その「卅三間堂棟由来」の'平太郎住家'の中は結局全然観られてないので、本当に清丈'さんが三味線を弾いていたのかどうかも私にゃわかりませんけども。

お腹にひと段落ついたので、よきタイミングをはかって席に戻り
「清治さん、さすが! 日本一の三味線!」
などと思っているうちに、まさかの本日第2波が・・・

 「きゅるるるるる~」

あたたたたっ、 は、腹が・・・ まーたーなーのー!? (涙)

柳の精・お柳が家内から消えてしまうまで我慢に我慢を重ね、私も再びトイレへ消える・・・

結局、クライマックスの木遣音頭のくだりも、さすがに席に戻るわけにもいかないので
ロビーの画面(上演中の公演がモニターで映し出されている)で見るはめに。
「卅三間堂棟由来」は三分の一しか肉眼で見ていない計算。
まあ、どのみち席にいる間もお腹が痛み出すと
「どのタイミングで席を立てば一番迷惑じゃないか」
ばっかり考えてて、舞台は見ているようでまったく目に入ってなかったですけど。

でも! 語りと三味線はトイレでしっかり・・・ (←最低なファン)


出るモノすべて出しきって、フラフラ、よろよろで次なる演目は『本朝廿四孝』。
しかし、万が一また波に襲われたら・・・
もうお隣さんの前を「すいません、すいません」言いながら席を立つのは迷惑だし無礼だし恥ずかしい。
大事をとって、最後部の端っこに空席がいくつかあったので、係りの人に言ってそこに席を替わらせてもらった。

『本朝廿四孝』 は私がいつも愛読させてもらっている方のblogで、清十郎さんの遣う八重垣姫が今回は最高に素晴らしい、とのことだったので、こればっかりは見逃せない!
と意気込んできたのに、結局一番後ろの端っこの席で、

 八重垣姫、遠い~  よく見えな~い (T_T)


しかし、もう恐れていたPPの波も収まり、脱水状態でフラフラではありましたが、最後まで無事鑑賞することができました。

五世・豊松清十郎襲名の口上も聞くことができたし、狐火で噂に聞いていた勘十郎さんの左遣いも見られたし、清志郎さんの三味線もよかった。
(簑助さんの口上を聞いた隣の席のご婦人は感極まって泣いておられました)

ああ、これでもう思い残すことは何もありま・・・・・


あります! いっぱい! 
思い残しまくりです!

芸も一期一会、今日、この演目で演者でこの会場で、というのは一度限り。
それを、腹を下して見逃すなどとは、返す返すも無念なり。


最近忘れてたけど、自分の腹弱体質を甘く見てたね。
つくづく、お腹は大事だよーと、久々に地獄を見て思った次第。



ちなみに今日もまだお腹はゆるいです。七分がゆ状態。

そんな報告はいらんね。