月の岩戸

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ベテルギウス・7

2014-02-28 04:15:01 | 詩集・瑠璃の籠

たったひとかけらでも
愛を完全に失うということは
あなたがたにとって
初めての経験です

ソルもヴェガも
人類の星の資格は失ったが
影から人類のために尽くしてくれていた
しかしかのじょはもう
それすらもできない

あなたがたは かのじょに
イエスよりもむごい死を与えたのです
それは存在の消失
再生のない絶対の死
あなたがたは かのじょに
消えろと言ったのです
だからかのじょは消えた

イエスにはまだ骸があったが
かのじょにはそれすらもないのですよ
法則のむごさというものが
少しはわかりますか?

これから あなたがたは
存在と虚無がこすれあう
絶対零度の現実を
見ることができるでしょう
そして
自分たちがかつてなしたことが
冷酷な事実となってふりかかってきた時
あなたがたは呆然として言うでしょう
ああ エルナトがやってきた


おしえてさしあげましょう
破滅とは
どういうものであるかを

わたしは
ベテルギウス
二つ名を
死の天使と言います



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1 コメント

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絵の解説 (てんこ)
2014-02-28 04:19:21
ジョージ・フレデリック・ワッツ、「死の法廷」、19世紀イギリス、ラファエル前派。
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