月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ゾスマ・6

2015-01-25 06:20:22 | 詩集・瑠璃の籠

青い山が 胎内に隠していた
翡翠の棺の蓋を開くと
千羽の白い小鳥が
中から一気に飛び出してくる

真珠の声をした小鳥は
海を越え 山を越え
あらゆる町の
毒に染まった影の中に
飛びこんでゆく

黒い絵具に 一筋白い絵具を混ぜるだけで
瞬時に純白に変わってしまうように
明らかな真実があらゆる影に破滅を打ってゆく

あきれかえるほどの
馬鹿をやったな 人間よ
全てが終わるまで
手をこまねいて見ていることしかできぬほど
愚か者になりさがったか
阿呆め

黒い心臓をつかまれ
自ら吐く反吐の海に埋もれ
いつまで泣いているつもりなのだ
臭い奴らめ

鳥よ 真珠の声で鳴き渡り
あらゆる愚弄を吐く泥蛙を
殺し尽くせ

金箔を塗った糞の彫像の
心臓を射抜き
すべての馬鹿の正体を暴け

あらゆるものよ驚け
神のラッパが鳴る
一本の百合の影に隠していた
衰えたるもの中から正義が蘇る



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