月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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たおれる真実

2013-07-24 03:37:12 | 画集・沈黙美術館

あなたがたは今、かのじょがいないという現実がわかってきたころだろう。さみしくてかなわない。ほんとうにあなたがたはいつもそうだ。愛の天使をいじめて、愛を失ってから、淋しさに呆然とする。だがあなたがたは、自分たちが何をかのじょにしたのかを、忘れてはならない。

かのじょは帰ってはこない。かのじょはもう、ぼろぼろだったのだ。疲れ果てていた。あなたがたはもう、かのじょを眠りから覚ますことはできない。かのじょに、愛をもとめてはならない。もはやあなたがたは、かのじょからは、一滴の愛も絞り出すことはできないのだ。それほどにあなたがたは無理無体にかのじょからむしりとった。

われわれ鞭の天使は、あなたがたを馬鹿だという。それはそういわねば、あなたがたには現実がわからないからだ。われわれとて、鞭を取ることが喜びであるわけがない。だが、たまには痛い目に合わねば、永遠にわからぬことがある。

われわれの鞭に甘んじ、そのとおりですということができるものは、優秀だ。
あなたがたのために、われわれは鞭を鳴らしにくる。この愛を、うけよ、人間よ。

かのじょの愛よりも、われわれの鞭のほうが、いつかあなたがたを喜ばすものになろう。



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