月の岩戸

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ゲンマ・61

2021-06-29 05:00:32 | 詩集・瑠璃の籠

悪とは何か
それは陰惨な破壊欲に濡れた
自己矛盾の幻である

自分を馬鹿と思い込み
その苦しさのあまりに
自分以外のものすべてを
破壊したいと願う
自己存在の幼期における
ねじれた矛盾なのである

動物的な自己保存欲とエゴに溺れ
神のように自分のみを尊しとなし
ほかのものを侮蔑し続ける
あほうの闇なのである

それは永遠に
自分から逃げようともがき続け
嘘ばかりつく
神の宝を盗んでは自分の富となし
いかにも大金持ちのように見せかけるが
本当は何もないのである

人間は万年の間を
悪の道に迷い続けてきたが
その結果一片の利もなかった
木の葉のように軽い嘘の上に
巨大な悪の楼閣を建て
悪こそが全世界の支配者であるとさえうそぶいたが
それはたったひとつぶの愛の前に
敗れ去った

ただひとつの真実の愛の光の中に
悪者の真実が見えたのだ

悪とは
親の巣の中に守られながら
すべてを破壊してやろうともくろむ
あほうの卵である
それはあまりにも愚かな甘えだ
親の愛の巣がなければ
自分も落ちてしまうからだ

もうそろそろ限界がくる
親の忍耐がちぎれ
卵を放り出される前に
悪者は悔い改めねばならぬ

すべては自分が間違っていたのだと
神の前におのれを改め
愛の目覚めをこう者の前に
ひざまずかねばならぬ





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