クラブ・マナーズニュース

マナーズを巣立たれたみなさま、縁者のみなさまとつながっていたい!そんな私が月3回「0」の付く日にブログをアップします!

朝のウォーキング ― 気づく、見る、感じる、考える

2024年06月10日 | 楽しいお話し

 そろそろ関東も梅雨入りでしょうか… 雨女の私ですから、常に「雨もまた良し」「万物の恵みの雨」と感じてはいますが、やはり鬱陶しい気分にはなりますね
 そんな雨の季節に突入か?!という時期に、私は重い重い(本当に重い)腰を上げ、朝のウォーキングを始めました 午前中の早い時間に予定があったり、雨が降ったりしていない限りは、週末も含め、今のところ、毎日歩いています。
 すでに始めてから3週間になります。さすがに最初の1週間ほどは、「むー…今日も歩くかあ???(空を見上げて)雨は降らないのかあ」みたいな気分になりました。けれど、そんな時期を乗り切ると、不思議なものですねえ。少しずつ楽しくなり、今は「さあ、今日も行くぞ」という気分で支度をして、出発 
 我が家の朝は、この年齢の夫婦の家庭にしては早いほうではないかな… むかーし昔、子ども達が学校に通っていて、毎朝お弁当を作っていた頃と同じ時間帯ですね
 夫は、いつも7時に泳ぎ始めたいため、プールのオープンの時間に合わせて6時半過ぎには家を出るので、それを見送った後、私のウォーキングは6時45分スタート
 青山一丁目方面に歩き、仙洞御所の横を通って、国立競技場方向へ。絵画館の前を通り、その後、ぐるりと競技場を一周し、神宮外苑のイチョウ並木を通り、青山墓地を通り抜け、戻る…というルート。1週間前からは、競技場を一周する途中で都立明治公園に下りていき、公園をぐるりと回って競技場に戻るようにしたので、帰宅したらちょうど1時間半。1万歩を少し超える、という感じ。距離にすると約8キロ、です。
 
 今回、ウォーキングを始めたのは、健康のため、です
主治医と言うか、ホームドクターと言うか、そのお医者様には毎月「ランニングなんてする必要はないよ。歩けばよい のです。走って膝を痛めたり、苦しくて嫌になったりするのは馬鹿げてるでしょう?僕は、特にシニアの方々にはウォーキングを勧めたい」とおっしゃいます。そのお言葉を聞くたびに「始めなければなあ… 何もしないで好きなものを食べていたら、どんどんおデブになるばかり」と思っていました。
 始めて数日後、たまたま娘に会ったのでウォーキングのことを話すと「ワイヤレスイヤフォンで好きな曲や小説の朗読とか、何か興味のあることの解説とか、そんな好きなものを聞きながら歩けばいいんじゃない?それがウォーキングを続ける大きな助けになるんじゃないのかな」と勧めてくれました。
 音楽を聴きながらランニングをする、というのはポピュラーな時代なので、それは頭にはありましたが、今は「音楽以外のものを聞く」なんてことも出来るんですねえ… 私は時代についていっていませんねえ
 ちなみに…  私は音楽を聴きながら歩いてはいませんが、自分の歩くテンポ、スピードのバロメーターとして、頭の中で鳴っている音楽は、最初の1週間は「マツケンサンバⅡ」でした。ちょうどあの曲のテンポが、私が気持ちよく歩けるテンポ、なんですよね、はっはっは
 ただ、マツケンサンバⅡは、本当に軽快なリズムで、朝からハッピー気分にさせてくれますが、もしこのことを人に言ったら「む?何?なんでマツケンサンバⅡ?」と苦笑されたりするかな?って…
 ちょうどそんなことを考えている時、私のお気に入りの韓流ドラマ「梨泰院クラス」のテーマ曲を久しぶりに聴いたのですよね、するとピンときました。「おーこれこれ このテンポじゃん」と感激。マツケンサンバⅡのBGM時代は幕、となりました。
 
 まっ、いずれにしても、です
娘が言ってくれた「ウォーキングを続ける大きな助け」の部分はまさにその通りかもしれませんが… でも、違うんだよなあ…と私は思っています
 今の私にとってのウォーキングの時間は・・・ドクター奨励の「健康のため」だけではなく、『歩いている途中で目にする、耳にする、様々なものに「おー!」「へえ!」「すごい!」のように感じたり、発見したり、感動したり。そして、歩きながら考えたり、もっと知りたいと帰宅後に調べたり…』
 そんな五感が刺激を受けるワクワクする時間、とでも言うのでしょうか

 この時期は、ものすごくたくさんの「アジサイ」が花を咲かせています。本当に様々な色がありますよね。競技場の正面入り口付近には、とても目をひく数本があり… もともとは一つの株なのに、3,4色の違う色の花を咲かせているもの。ものすごくきれいなのです。中には、ガクアジサイでもなく、とっても変わった品種もあります。
 アジサイのように植栽の花ばかりではなく、青山一丁目までの道端には、いろんな「雑草」が花を咲かせています。そんな花々を見ていると、天から「雑草という名前の草花はありませんよ。これらにも、それぞれにすべて名前があります」と牧野富太郎氏の声が聞こえてきそうだな、と思います。
 赤信号で待っていると、毎朝会うお制服姿の小学校の低学年と思しき女の子がいます。その子は近くのマンションを見上げ、笑顔で手を振っています。彼女は毎朝、駅に向かう時、この信号待ちでママに手を振ることを楽しみにしているのかな?もし、青信号でスムーズに渡れてしまう日はどうするんだろう?「ああ、今朝は信号が青だったあ。ママに手を振れなかった…」と、アンラッキーな日だと思うのかな?
 7時を少し過ぎた時間。いつも青山通りの信号を渡って来る自転車の若いお父さん。お父さんの前には、花柄のちっちゃなヘルメットをかぶった2歳くらいの女の子が乗っていて、いつもお父さんは女の子に話しかけ、女の子は笑顔。これから保育園に行くのかな?
 仙洞御所に何か所の入口があるのかは知りませんが、私が通過する1か所には、必ず「皇宮警察」のおまわりさんが1名、立っていらっしゃいます。そして、仙洞御所の周りには、一定の距離を空け、警視庁のおまわりさんが警ら。このウォーキングのルート上には、数か所に交番もあって、私はすべてのおまわりさん達に「おはようございます」と声をかけます。すると、いろんなトーンで「おはようございます」というお返事が返ってきて、時には「おはようございます、お気をつけて!」というお返事のこともあり… この挨拶の時間は、本当に気持ちの良い、心があたたかくなる朝の瞬間です。 
 競技場の周りを歩いていると、黒ずくめ女性ランナーに会います。黒の長袖、タイツ、キャップに、目から下がすっぽり隠れてしまう大きな黒マスク。その女性は見とれるような体型。モデルさんなのかなあ…と、あまりのカッコよさに、思わず何度も振り返って見てしまいます。
 子熊かと思うほどの大きさの黒いワンちゃんを散歩させているおばあさん。
 新聞を大きく開き、読みながら歩くおじさん。
 テラスやお店の中で、オープンの支度をするカフェやレストランの従業員達。 
などなど、などなど…

 イヤフォンをつけて「自分のお気に入りの世界」に入ってしまうには、あまりにもったいない、と感じる「脳が常に活動する時間」です。
 町中ではありますが、カラスだけではなく、たくさんの鳥達の声も聞こえます
 目、耳、頭、そして心。すべてが喜ぶウォーキングの時間
 幸運なことに、今の私は、この時間がとってもとっても気に入っています

  ちょっとお知らせ 

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ジュエリーは、どこにしまっていますか?

2024年05月30日 | 楽しいお話し

 26日の日曜日、明治記念館でジュエリーのフェアがありました
ホテルやレストラン等で開催される展示会は、六本木の内原本社の地下ホールで催されるジュエリーフェアとはまた趣が違い、華やかで素敵です
 幸い、この日は好天に恵まれ、青々とした芝生が眩しく、結婚式のお写真撮影などもあり、あらためて「ああ、あの忌まわしいコロナの時期は本当に終わったんだなあ…」と実感しました

 この日は、ジュエリーマナーズファンの卒業生ママが、お仕事で知り合ったというお友達とご一緒してくださいました。そのお友達は最近、お仕事のことでパワーダウンされている、とか
 そんな状況を知ったファンママが「こんな催しがあるんだけど、見に行ってみる?」とお声をかけてくださった、という訳です。そのお友達は「春の春子さん」としましょう

 春子さんは、今まで婚約指輪や結婚指輪以外は、それほどジュエリーを熱心に選ぶことも身に付けることもなく、「ジュエリーが嫌い」という訳ではないものの、「ジュエリーを知る機会がなかった」とのこと。
 ただ、すっかり意気消沈している時のタイムリーなお声がけに「むー… じゃあ行ってみるか キラキラとしたきれいなものを見たら、元気になるかもな」と思い、軽い気持ちで来てくださったのだと話してくださいました。

 それはまさに「大当たり~」だったのですね。
約束の時間を気にしてくださり、信濃町から早足で明治記念館まで歩いてきてくださった春子さん。まずは氷入りのお水をググっと飲み… いざいざ。
 この日は、10数社の国内外のブランド、工房の出展で、それぞれが2、3ケースにご自慢のジュエリーを展示
 混雑しているケースを後回しにしながら、1つ1つ、私は目の前のショーケースのブランドの特長や、並ぶジュエリーの説明をしました。時には、「ちょっと、これ、身に付けてみてください」とお声をかけ、身に付け易い指輪を中心に試してもらい、全身が映る鏡で眺めてもらいました。
 春子さんがいかにもワクワク感いっぱいで、楽しんでくださっているご様子に、私はすっかり嬉しくなりました 興味を持たれたリングを指にはめ、私がお勧めする通り、全身の映る鏡の前に立ち「へえ~… 確かに、ガラスケースの中に飾られているのを見ているのと、こんなふうに実際に付けてみるのとは、すごく感じが違うんですねえ… ホント、してみないと、自分に似合うかどうか、本当に好きかどうか、わかんないものですね」と、春子さん。
 ふふふ、そうなんですよ、そうなんですよ 馬には乗ってみよ、人には添うてみよ。ジュエリーは装ってみよ、です

 ひとしきり楽しんでいただき…
そして、明治記念館のお玄関までお見送りしようと一緒に歩いている間、「ジュエリーは、どこに、どんなふうに片付けているのか?」という話題になりました。
 10日ほど前でしょうか… 春子さんをお連れくださった卒業生ママが、メールで私に「先生はジュエリーをどこにしまっていらっしゃるのしょう?1個1個、箱にしまって、引出しとかに入れていらっしゃいますか?」というおたずねがあったから、です。

 そのメールへのお返事にも書いたのですが…
私は「箱はすべて捨てて、すぐに装えるように、ベルベット?フエルト?のような素材で出来た『ジュエリートレイ』に入れ、高さのない、薄い引出しにしまって」います。
 アマゾンの検索で「ジュエリートレイ」と入れれば、それがどんなものかすぐにわかっていただけるでしょう。
 指輪は、そういう挟みこむようになったトレイに全部並べて入れ、ピアスは四角く仕切ったトレイに1セットずつ入れ、ネックレスは細長く仕切ったトレイに絡まないように入れている… 
 こうすれば、その引出しを開ければ、すべてがパッと目に入り、「じゃあ、今日はこれにしよう」と決められます。

 宝石は高価なものだから…と、大切に大切にしまい込んでしまうと、装うと引出し?引き戸?を開けた時、箱ばっかりしか見えませんよね
 多くの方は、宝石を購入した時に入っていた、パカッと開くフエルト状の箱にジュエリーをしまい、時にはその箱を厚紙で出来た箱にまた入れて片付けている
 もちろん、私のようにすべての箱を捨ててしまわなくても良いとは思いますが、少なくとも「ジュエリーは、箱の中」では、あまりにも残念です
 ジュエリーが「特別の時に使うもの」と決めているとしたら、それほど使う機会なく、まさに「宝の持ち腐れ」になってしまいます どんな機会を「特別な時」とするか、その基準は人それぞれだと思いますが、1年にそれほど「特別な時」はないのではないでしょうか?
 ジュエリーだけではなく、すべてのものは「装われてこそ、使われてこそ、活かされる」のではないか、と私は常々考えています。
 
 別れ際、春子さんにも「装ってこそのジュエリーです。ジュエリーはパワーストーンですからね。タンスにパワーを貯めても仕方ないですもの お仕事に支障のない限り、是非とも毎日、ジュエリーを身に付けてくださいね」と話しました。
 その日の夜、春子さんからメールを頂戴しました。
「宝石には、やはりすごいパワーがありますね。私は今日、初めてそのことに気づかされました」と書いてきてくださいました。

 私は折に触れ、しつこいほど「アクセサリーは身を飾るだけのものだけれど、宝石は心身をパワーアップする、エネルギーのある大地からの奇跡の贈り物です」といろんな方に話します。
 奇しくも私には、このこのを身をもって知る「気づきのチャンス」がありました。だから、ジュエリーを単なる装飾品としてではなく「お守り、魔除け、厄除け」として受け止め、興味を持ってもらいたい、と願っています。(このあたりは、またあらためて「みなさまへの「お礼」と、私からお伝えしたいこと」の中の「ジュエリーマナーズについて」を、読み物として読んでくださいね)

 さあさあ、さてさて、みなさんはジュエリーをどこにしまっているのでしょうか?

  ちょっとお知らせ 

 みなさんの中に「ブルーノ BRUNO」のファンはいらっしゃいますか?
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「開催期間」は、5月31日(金)から6月27日(木)まで。詳細はこちらをご覧になってくださいね。「ブルーノ オンラインショップ」
 入力に必要なキャンペーンコードは「BFJN10」、紹介者コードは「RL48」です。

 

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上高地、をお薦め(*^_^*)

2024年05月20日 | 楽しいお話し

 いつだったでしょうかねえ…「私達夫婦は毎朝、テレビの画面でYou tubeのライブ映像を観ています」と書いたのは。
 確か、その時にお薦めしたライブ映像は、「上高地」と「身延七面山」と「美ヶ原」だったのではないでしょうか? 実は、お薦めはまだあって、「軽井沢のリスと鳥への餌付け場」と、「富山の室堂」「阿蘇の草千里」などもあります 朝から、本当に清々しい気分になりますよ。是非試しに見てみてくださいね

 その毎日私達が一番最初に見ている「上高地 河童橋周辺」。今日は、ライブ映像をお薦めするだけではなく、実際に「上高地に行ってみませんか?」というお話しです。
 長野県出身でも、松本出身でもない私ですが、上高地は私にとって、思い出のたくさんある特別な場所… みなさんは、上高地にいらしたことはありますか?
 もしかしたら、「上高地」と書かれても「なんと読むのかな?」と思われる方々もおいでになるかもしれません。「上高地(かみこうち)」です。観光地とは言っても、箱根や日光とは大きく趣の違う所です。観光地などとご紹介するべきではなく、正確には「山岳リゾート」とお伝えするべきでしょう。
 さしずめ、ヨーロッパアルプスであれば、ツェルマットやグリンデルワルト、に当たるでしょう。ただ、上高地は「町」と呼ぶには狭すぎる範囲であり、泊まれる宿も限られていますが。

 私の両親は、山岳会に所属し、本格的な山行をしていた夫婦でした。なので、そこに生まれた一人っ子の私は、必然的に小さな頃から両親と一緒に山に「登らされて」いました まさに、好むと好まざるとに関わらず、幼稚園の頃には行かされていた、という具合です そのあたりは、この2つにも書いていますので、ご興味があれば、どうぞ 私の「朝一番」2400mの高地で知ったこと

 私の子どもの頃、昭和の時代の「山に登る」は、今とは大きく違っていたように思います 登る人達自身が「山に登る」は「趣味」などとは言って欲しくない?!「趣味」とは言わない?!世で言う趣味とは「楽しみ」である、自分の楽しい時間。そんな甘い表現は止めてくれ~という空気。山に登るということは、ある意味での自分に苦を強いる苦行であり、その苦行を敢えて選んだ人間であり、それを達成する特別な人間なんだ 的な感覚、とでも言うのでしょうか… 苦しさを美徳としているようなところがあったように思います。高山植物や絶景に心を動かされることよりも、「苦しさ・辛さ」を良しとしていた 少なくとも、当時の、私のまわりに居た複数の山岳会のおにいさん、おねえさん、おじさん、おばさん達はそういう感じ、でした あくまでも私の感覚なので、気分を害する方がおいでになれば、ごめんなさい  
 それにね、今は、とにかく服装も含めて、山に行く道具類も進化したので、どんな人でも昔よりも手軽に行きやすくなったのですよね。「山に行く」と聞いても、暗いイメージはないでしょう?今では「モンベル」のような登山ウエアや登山用品があり、色もカラフルでオシャレです そもそも、「山行とオシャレ」とは対極にある言葉だったのでは?はっはっは。

 完璧なほどの海派で、スキューバダイビングのインストラクターでもある夫が「山に行ってみたい!」と言い出したのが今から10数年前。
 私は、中学2年生の春、大好きだった山岳会のおにいさんが山で滑落死したのを機に、山に行くことを止めました。さすがに両親も「そんなこと、気にするな!一緒に行こう!」とは言いませんでした。それから、私は一度も山にも、上高地にも行ったことがありませんでした。そんな状況のもとの夫の「山に行きたい」発言 当時も、フルマラソンを走り、毎日泳いでから出勤する夫。はるかに私よりも体力も脚力もある… 私にあるのは昔の経験と知識だけ
 まずは、ウエアを揃えることになり、私が初めて恵比寿のモンベルに行った時の衝撃 店が広い、明るい、カラフル… それだけで私は「行く気満々」になったものです おそるべし、モンベルの威力。すごいですねえ、モンベル made in Japan

 おっと、話しが完全に横道に逸れてしまいました
話しを元に戻しましょう。私が書き連ねた昭和の時代は、上高地はあくまでの「本格的な山行のスタート地点」でした。昭和50年代になると、山行以外の人も少しずつ増えてはいましたが、それでも、まだまだ「山中心」でした。
 けれど、今ではどうでしょう まさに、山を目指さない方々も大いに楽しめる、風光明媚な立派な山岳リゾートです  
 目の前には梓川が流れ、天候が良ければ間近に「岳沢」「穂高連峰」の峰々が神々しくそびえているのが見えます。
 昔は、梓川のかなり下流の帝国ホテル以外は、宿泊施設も「山小屋」的なところしかありませんでしたが、今は本格的なフレンチを提供するようなホテルもあり、山々の絶景を眺めながら、朝食をテラスでいただく…なんてことも可能なのですよ 
 私が上高地をお薦めする理由。それは、とても「楽にできるトレッキング」です。
上高地から約10キロ程度はフラットな地形で、山岳リゾートにも関わらず「アップダウンのない」「整備された道」をトレッキングができること、なのです
 朝食の後(もしくは、都心からの夜行バスで早朝に上高地に到着した後)、上高地からスタートして、明神池、徳沢園、がんばれば横尾までも平坦なので、日帰りで往復することが可能です。まあでも、無理なく楽しむ、という意味では、作家 井上靖氏の「氷壁」の宿として有名な「徳澤園」の往復でしょうか。ここまで来ると、上高地から見た山の景色とはかなり変わって、「ああ、日本アルプスの真っ只中にいるなあ…」という思いに浸れます

 私の大好きなジオグラフィック的に説明をすれば、上高地から横尾あたりまで、どうして勾配がないのか?と言うと…
 上高地から見て、穂高連峰とは反対側に焼岳(現在も活火山)という山が見えます。むかーし昔は、焼岳はもっと大きな火山帯でした。その焼岳火山帯が大噴火を起こし、梓川をせき止めてしまい、大きな湖が出来ました。その湖に長い年月で堆積物が貯まり、湖は消滅。
 そこ残ったのは、湖底だった平坦な土地。そこに、あらためて梓川が流れを取り戻します。これが、上高地から横尾にかけてのほぼほぼフラットな一帯となったわけです。この低地と、いきなりそそり立つような3000メートル級の山々とのコントラストが、このあたりの絶景となっています
 アップダウンがないので、スニーカーでも全く問題なく歩けます (時々、サンダルを泥だらけにして歩く「中〇人」も見かけますが)脚力や心肺機能に自信がなくても、山を楽しもう、という気持ちだけがあればOK ただ、荷物はバッグではなく、是非ともリュックにしましょう。

 きっと私は、70代後半になっても、徳澤園までは行き、80代になったら、上高地で優雅に朝食を食べながら穂高連峰を眺めるでしょうねえ 梓川の流れ、鳥達のさえずり、自家用車が入って来れないことによる美しく澄んだ空気は、心身のリフレッシュには最高です
 初夏、夏、初秋、秋。どの季節の上高地も素晴らしいです。と書きながらも、実際にはちょうど考査の時期に当たり、私は「初秋と秋」の紅葉で美しい上高地を知りません。今年は行ってみたいです
 みなさんも、是非ぜひ、上高地をチェックしてみませんか?

 

           

ジュエリーマナーズ「ガレリア フェスタ TOKYO 2024」のご案内

 * 2024年5月26日(日)午前10時 ~ 午後6時

 * 明治記念館「鳳凰の間」 東京都港区元赤坂2丁目2−23

 新緑の時期、広い明治記念館のお庭もきれいでしょう 国内外のブランド、工房12社からの出展です。青々とした緑と、キラリンキラリンのジュエリー達を愛でて、リフレッシュはいかがでしょう?
 保税展ではありませんので、事前登録の必要はありませんが、ご来場のお知らせは3日前の23日までに、メールでお知らせくださいね 会場でお目にかかれることを楽しみにしています

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「のぼらないでね」という注意喚起?!

2024年05月10日 | 考える ひとしずく

 今年のGWは概ね好天に恵まれ、どこもかしこも人で溢れましたね
日本人、外国人、入り乱れて行列を作っている様子を眺め、「ああ、本当に世界的に過酷だった時代が終わったんだなあ…」と実感したものです。
 コロナが終わったとたん、今度は戦争(と呼んではいけないのかもしれませんが)が人々を次なる災厄として苦しめる 行動として大きな声を上げなくとも、早い終結をたくさんの人が毎日強く強く祈る… そんなことくらいは出来ますよね そういう祈りが、少しでも見えない力となることを願ってやみません。

 先日、娘と孫と一緒に公園に行きました。そこで、こんな言葉を目にしました。「のぼらないでね」
 それは、1mほどの高さの、プールのような四角いスペースを「お砂場」にしているところでした。なかなかイメージしてもらい難いかもしれません(それとも、すでにそういうものは現代では一般的となっているのかもしれませんが)。そのような「高いお砂場」を作ることで、子どもは「立ったままでお砂遊びをし、車椅子利用の保護者が、難なくその姿を見られるように」という工夫らしいです。
 そう、そのお砂場の側面に「のぼらないでね」と書いてあったわけ、です。
子ども達は少し大きくなると、総じて高い所に登りたがります。そしてもし、その高いお砂場に登ってそこで遊んでしまうと、結果的には「飛び降りないと、そこから出られない」わけで… なので、危険だから登らないで!」ということ、なのでしょう。
 私は、そういう設備そのものについて論じたいわけではありません。

 私には「のぼらないでね」という言葉に、少々違和感を感じました
私が子育てをしている時代には、たぶん「のぼってはいけません」という書き方だったのでは?と思ったのです。ニュアンスは同じかもしれませんが、後者、「のぼってはいけません」は「禁止」です。この「~~いけません!」の場合は、「禁止」を強く打ち出しています。
 でも「のぼらないでね」は、えらくソフト、ですよねえ…
「とらないでね ― とってはいけません」「あけないでね ― あけてはいけません」「はいらないでね ― はいってはいけません」いかがでしょう?
 余談ではありますが インドネシア語、マレー語では「jangan(ジャンガン、と読みます)」という単語があります。その「jangan」の後ろに動詞をつけるだけで「禁止」を伝える言葉になります。
 例えば、「Jangan masuk  入ってはいけません」「Jangan buka  開けてはいけません」「Jangan minum  飲んではいけません」のように。
 でも、この「のぼらないでね」は、「Jangan~」ではないんだよなあ…と、急にインドネシア語を思い出した私は、その「のぼらないでね」を眺めて、ぼんやりと考えました。

 そう言えば。
これは禁止に関することではありませんが…  娘は孫に、よく「食べようよ」「歩こうよ」「着ようよ」という言葉かけをしているなあ、と思いました。
 子育て中の私であれば、きっと「食べなさい」「歩きなさい」「着なさい」と言っていたであろうシチュエーションで。
 娘の言葉かけは、なかなか野菜を食べようろしない孫に対して、「お母さんはね、あなたに野菜を食べて欲しいんだよー。」という思いを持って発していますよね。けれど「食べなさい」と命令するのではなく、食べようよ、と「提案をしている」訳です。
 本当は歩いて欲しいんだけど、命令をするのではなく、歩こうよ、と「提案をしている」。
 本当は着て欲しいんだけど、命令をするのではなく、着ようよ、と「提案をしている」。
 いつもはあまり気になっていたわけではなかったのですが、突然、「のぼらないでね」を見たとたん、そんな娘の普段の言葉かけについても、思い出したのでした

 私が、そういう時代の変化?に対して、「悪い」と苦言を呈しているのではありません。ただ、子どもに対して「禁止」や「命令」という言葉かけが、すべて昭和の遺物のように扱われ、ハラスメントの原因となることもしばしば そのことには多少なりとも苦々しく感じていることは確かですが、良い悪いか、と二択で決めてしまうわけにはいきません。
 私は、あらためて本当に「世の中は変わってきているんだなあ…」と、しみじみ感じました。そして同時に、止めるべき時に止めるべきことを禁止されず… すべき時にすべきことを命令されず… そんな具合で長年「提案」だけの中で育ってきた子ども達が成長し、学校生活や、社会生活の中で、「〇日までに仕上げなさい」「△△はダメだからね」と言われたら、ものすごく違和感を感じ、とても「虐(しいたげ)られている」と感じてしまうんだろうなあ… 居づらい環境だ…と感じてしまうんではないか?と、とっても心配になりました

 世の中には、世界中、すべきこと、してはいけないこと、はたくさんあります。たくさんあって当然だと私は思います。
 もちろん、これは極端で適切ではないとは思いますが、「戦い、しないでね」ではダメですよね?
 しっかりと叱られるべき時に叱られた経験のない子は、かえって長じた時に「かわいそうな経験」ばかりしてしまうのではないか?と心配にもなります…
 
 数年前、教室でのこと。
私が、毅然とした態度で、ある子の行動、言動をきつく叱ったことがありました。私は心の中で「ああ、この子は泣くだろうなあ、泣かせてしまうな。ママがお迎えに来られた時には、やっぱりママは心配なさるだろうな…」と、正直、うれしくない思いででした 
 ところが、その子は泣くこともなく、私が叱った後に発した第一声は「まどか先生の顔、コワい。先生はいつも笑っていて、優しいから好きなのに、今、嫌いになった」でした。
 私は呆気にとられたと同時に、拍子抜けした、というのでしょうか… ああ、この子は、叱られたこともなく、いつも優しい口調の中で暮らしているんだろうなあ、この子は。そんな環境の中で育つと、こういう反応になるのかあ… と驚きもしました 
 
 みなさん、すでにご承知の通り、口の悪い私です。
「そうなのね、あなたに嫌われるのは残念だけど、でも、ダメなことはダメ。いつもいいよ、いいよ、と優しくばっかり言われてあなたが大きくなっていくと、せっかくあなたは賢い子で生まれてきたのに、バカになってしまうのよ。先生はあなたのことが大好きだし、大事だから、ちゃんとあなたを叱りたいの。嫌われちゃったとしても、いけないことをした時には、あなたを叱りたい。あなたに賢い大人になって欲しいから」と言いました。
 その子の反応ですか?「ふーん、わかった。でも、今日は先生のこと、嫌い…」でした

 「のぼらないで」から、本当にたくさんのことを考えさせられ、いろいろなことを思い出し、そして、これからの孫の成長も考える時間になりました

 

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優しさを育む「たまご」達

2024年04月30日 | 楽しいお話し

 「知らない人に声をかけられても、絶対にそれに応えちゃダメよ」

 「ニコニコの笑顔で、あなたに話しかけてくる人は、コワイ人かもしれないから、気を付けてね」
 これが、現代社会の「都会の子育て」の定番なのだと思います。何とも悲しい…と感じてしまいますが、確かに親の目線で考えれば、警戒心を育てることも大切な家庭教育でしょう
 でも、かなり飛躍した論理かもしれませんが、要するに「知らない人は悪い人なのかもしれないから、関わってはいけません」と教える、ということですよね。 

 私は、「誰とでも、どこでも、話す」という大阪生まれの人ほぼ全員が持っている血が流れているせいか、その人が日本人であれ、外国人であれ、よく知らない人にも気軽に声をかけます それは、子どもに対しても同じです。
 たとえば… ママが押すベビーカーの後ろを、必死に早足で歩いていく4,5歳児を見ると、その親子を追い抜く時に「あなた、おりこうちゃんねえ 一生懸命に歩いて、えらいわね。ママにほめてもらってね」とか… ランドセルを背負った小学校低学年の子どもが、熱心に何かを見ている様子に出くわすと、「ねえねえ、何を見てるの?何か面白いもの、見つけたの?」とか。
 一つ目の例の場合は、そこにママがいらっしゃるわけですから、さすがに大人であるママは私の言葉を聞いても警戒心を見せることはなく、むしろ、ハッと後ろを振り返り、自分に付いてきている上の子の早足の様子をあらためて認識し、その子にも笑顔、そして私にもにっこりと会釈をしてくれたりします
 でも、2つ目の例のような場合、子ども達の対応はあきらかに昔とは違ってきましたねえ
昭和後期、平成の初期の頃は、まだまだ多くの子どもは「〇〇を見てるの」と返事をしてくれました。ある子は恥ずかしそうに、ある子は嬉しそうに。
 中には、「おー、よくぞたずねてくれました」とばかりに、堰を切ったように説明をしてくれるちょっぴりオタク的な子どももいたりして。本当に子どもっていいなあ、と思う時間でした
 ところが、今はそんな風に声をかけようものなら、急に硬い表情になって、さっとその場を立ち去ってしまう… もちろん、そういう行動にはいろんな意味があると思いますよ。
 ある子は、思わず時間を忘れて没頭してしまっていた自分に気づき、我に返って慌てて家路につく… ある子は、すっかり時間を忘れて見入っていた自分を少し恥ずかしく思い、羞恥の思いで早々に立ち去りたいと思った…などなど。
 でも、明らかに「知らない人に、親しげに声をかけられてしまった。おお大変」という様子で立ち去る子も少なくありません
 確かにこんな時代ですものね。「警戒心」こそが、自分を守るファーストステップに違いなく、愛嬌というか、人懐っこさというものは、ほめられる人柄ではなくなってきていることも確かです…
 とは言え、社会を反映したそんな思いを持ちながらも、多くの親達は「子どもの優しさ」「優しい心」をも育みたいと強く願っているでしょう?むー…難しい…

 たとえ一瞬でも、人と人とが触れ合うこと。
 ふっと和む言葉をかけたり、かけられたりすること。
それは、本当に素敵なことだと思えてなりません。まさに、こんな時代だからこそ、です。悲しいこと、辛いことがあった時、お友達に話を聞いてもらい、慰めてもらったり、チアアップしてもらったり。これも素晴らしいですね。こんな時には、長い時間、自分のために時間を割き、話しを聞いてくれた優しさに心から感謝するもの
 でもね、それほど親しくない人の、ひと言に心和んだり、救われたりすること… そんなことってありませんか?それは、たとえ短い時間でも、その相手と「人と人として向き合ったから」ではないでしょうか。

 私は教室を終えて以降、土曜日は朝早くに家を出る、ということが少なくなりました。そんな私ですが、先週の土曜日、久しぶりかなり早い時間に私は家を出ました。町中ではありますが、朝が早いせいでまだ歩いている人もまばら。
 いつもの大きな交差点、信号を渡り始めると、歩行者用信号の青信号が点滅を始めました。私は考え事をしながら、あまり意識せずに歩いていたので、その点滅に驚き、走り出しました
 すると、前から走りながら渡ってきた人とすれ違う時、その人に笑顔で「そう、走ろう」と声をかけられたのです。すれ違う瞬間のことでしたが、その人はわざわざ、走り出した「私」のために言葉をかけてくれたわけです。
 「走れ」ではなく「走ろう」と。
その人はすでに走っていたわけですが、思わず走りだした私にかけてくれたその「走ろう」の一言は、「もうすぐ信号が赤になる、渡りきらなきゃね 気を付けて」私にはそのように聞こえました。そこまでの想像に至ったのは、彼のとびっきりの笑顔の成せる業だったのかもしれません
 渡り切ったあと、お互いに振り返り、そしてまた笑顔で手を振る…なんてことはありませんでしたよ。それでは、まるで作られたドラマのようですから、はっはっは
 でもね、私は交差点を渡り切り、運動不足で息を切らしながらも「何という気持ちの良い、朝一番の出来事だったことか…」と、本当にほのぼのした気持ちになりました。

 世知辛い現代社会では、子どもの「人懐っこさ」は表裏一体、諸刃の剣であることよくわかります。
 でもね、人と人とが触れ合った時、相手を警戒する、というのでは本当に悲しい
それが電車で目が合ったという相手でも、カフェで注文をする相手でも、そこにその人を「思う気持ち」があれば、必ず空気は和む 何と素敵なことでしょう。そんな小さな、些細な経験の積み重ねから「人の優しさ」が育っていくのだと思うのですよね、私は。

           

ジュエリーマナーズ「ガレリア フェスタ TOKYO 2024」のご案内

 * 2024年5月26日(日)午前10時 ~ 午後6時

 * 明治記念館「鳳凰の間」 東京都港区元赤坂2丁目2−23

 新緑の時期、広い明治記念館のお庭もきれいでしょう 国内外のブランド、工房12社からの出展です。青々とした緑と、キラリンキラリンのジュエリー達を愛でて、リフレッシュはいかがでしょう?
 保税展ではありませんので、事前登録の必要はありませんが、ご来場のお知らせは3日前の23日までに、メールでお知らせくださいね 会場でお目にかかれることを楽しみにしています

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英語の早期教育に思うこと

2024年04月20日 | 考える ひとしずく

 孫は、あと10日ほどで2歳になります。
せっかく保育園で教えてもらい、学習した「 Kくん、何歳ですか?」「 いっしゃいでしゅ!」をリセットし、またまた「にしゃいでしゅ!」を覚えなければなりません 本人は意味を理解しておらず、ただ「こう聞かれたら、こう答える」ということを学んだわけで… たぶん、混乱することなく、新しいセンテンスを覚えるのだと思うのですが、この時期の子ども達の「認知の機能」は、脳の中でどんなふうに働いているのか?とっても興味があります。

 さて、その孫に時々、どんなものを与えたら楽しんでもらえるかな?どんなものだと、脳ミソがくるくると動いてくれるかな?と考え、ネットでいろいろなオモチャや本を眺めます。そして、私としては辟易しているのが(あまり良い表現ではないことをお許しくださいね!)、何と「英語関連」のものが多いことか…ということ
 わずか1歳から3歳用、とか、幼児用、という年齢設定をしておきながら、わざわざ機能に「英語でも話します」とか、「英語も記載されています」というようなものがワンサカあるのです。
 もちろん「英語」というものを、動物、乗り物、野菜、果物…と並列に並べ、「一つの興味の対象」としているのかもしれません。けれど、まだこれから母国語をよりたくさん覚え、正しく言葉が話せるように成長していかなければいけない子ども達。私はどうしても違和感を感じずにはおれません

 確かに、世界はどんどんグローバル化されていき、昭和や平成の時代よりもはるかに「英語」は必須の言葉になっています それは十分に認識していますし、私自身、それほど堪能とは言えないまでも、旅行に行ったり、普通に人とコミュニケーションをとる程度の英語に不自由がないからこそ、とても楽しく生活をしている、ということは確かです。なので、ある意味、英語がある程度話せるということの意味の重さ、大切さは十分に理解しています
 けれど、その陰で「正しい母国語を学ぶこと」「美しく母国語が話せること」の重要性が蔑ろ(ないがしろ)にされるのには憤りを感じる

 マナーズで、みなさんが学校説明会に足を運ばれる時の注意点として、こんなことを一生懸命に語っていたことを覚えていらっしゃいますか?
 「英語教育の授業数やネイティブスピーカーの先生がいる、等々、外国語教育の部分に、あまりに気を取られてはいけませんよ。それはある意味での『人寄せパンダ』なのです。今の時代、英語とか外国語という言葉を出すと、それに飛びつく親達が多いから、学校側もそれを前面に出していることが往々にしてあるのです。見るべきこと、感じるべきことは、もっともっと他にありますから
 そう、今の時代のおもちゃや本の「英語も云々」というのは、まさにその「人寄せパンダ」であるのでしょう。親達の購買意欲をくすぐるフレーズ、「早期の英語教育」

 子どもは、成長とともに学習能力もどんどん上がっていきます。幼い頃には、一つのことを覚えるのに1週間かかったとしても、小学生になれば3日しかかからなくなる… もっと大きくなり、その必要性を重視できるようになれば1日で覚えられるかもしれません。

 「 きあきあひーかーうー、おしょあの ほしよー」と歌っている年齢の子どもには、わざわざ「きらきら光るお空の星よー、って歌ってる星、あるよね。その星はね、star なのよ、star star!」って、私は教えるつもりはありません それよりも、もっと教えてあげて楽しいこと、2歳を目前にした彼に有益なことはたくさんありますものねえ、思いません?
 ・・・なんて。
おもちゃメーカーの開発部の方や、一生懸命に英語の早期教育をされているご家庭からは非難ごうごうを覚悟しないといけませんね

 

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思い込み、は禁物ですね

2024年04月10日 | 楽しいお話し

 お子様達、ご入学、ご進級、おめでとうございます
今年は、満開の桜の下で、記念写真を撮ることが出来ましたね。10年ぶりだそうですよ。やはり、入学には桜がよく似合う気がします。

 私も今年は「お花見」に出かけました。ここ数年は、近場の桜並木をお買い物がてら、ちょこっと散策…という程度でしたが、今年は夫と一緒に「神田川の桜並木」に行きました。そうです、前回は「蕾かたし」の週に出かけた神田川。やっと満開の時期に行くことが出来ました。
 早稲田大学の裏あたりからスタートし、高田馬場あたりまで、本当に夫が言っていた通り、立派な桜並木で… 堪能しました
 「川と桜」ということ、つい中目黒を思い浮かべてしまいますが、あそこはとっても混雑しているのでねえ… コロナ前、一度出かけた時には、まるで「人の頭を見ている」ようで、すっかりげんなりしてしまい、それ以来、行ったことがありませんでした 
 けれど、神田川の桜並木は満開にも関わらず、それほど混雑せず、ゆったりと歩くことが出来て、本当に優雅な時間でした

 さて。今日は「思い込み」というテーマでお話をしたいと思います。
みなさまに数回にわたってご案内をしていた「春の保税展」が無事に4月7日に終了しました。今頃は、出展されていたジュエリー達は、それぞれの国の、それぞれの工房に戻っていっていることでしょう
 その保税展でのこと。私はAさんの到着を待っていました。Aさんが初めてジュエリーのフェアに来てくださったのは、もう今から10年以上前のこと、だったと思います。最初の頃は「今までほとんどこんな風にゆっくりジュエリーを見たこともないので、自分がどんなものが好きで、どんなものに興味があるのか、そういうこともよくわかりません」とおっしゃっていたのですが、2回、3回と足を運び、目が養われてくると、自ずと好みもはっきりしてきて… 私はAさんがおいでになるたび、一緒に会場を回るのが楽しみでなりませんでした

 その日は、Aさんは大学時代のお友達を伴われての来訪。お友達は、Aさんから保税展の話をお聞き「社会見学、人生経験のつもりで」とおっしゃっていたそうですが、本当にそうですよね。いくつになっても、それまで身近ではなかったことを体験すること、未経験のことを知ることは「社会見学、人生経験」以外の何ものでもありません。ワクワクしたり、ドキドキしたり… でも、その日は結局、お友達もとても楽しんでくださり、私もハッピーでした

 まあとにかく、私はいつも会場ではテンションが高く、その日も出展されているイタリアやフランス、香港からのジュエリー達の説明をあれこれ興奮気味にしていたのですが… Aさんがニコニコしながら、こんな風におっしったのでした
 「先生ったらあ、バングルの推し、圧、ずごいですよ~ 前回もそうだんたんですけれどね、ふふふ」って。
 私はね、全く気付いていなかったのです、そんな自分に。

 じつは、ここ3,4年、ヨーロッパでは急速にバングルの人気が高まってきています。
バングルとは、ブレスレットの1つの種類ですが、呼び方の違いは「留め金があるか、ないか」です。留め金のあるものがブレスレット、留め金のないものをバングル、と呼びます。

 ネックレスやピアスと違い、ブレスレットは身に付けると「自分で見える」という利点?!があります ふっと手元を見るたびに「ふふっ」となり、ハッピーな気分になれるのですが、とにかく、装う時の「留め金」が扱いにくい…
 それは、古今東西、同じ悩みだったわけです。
 そんな不便を解消したのが、ヨーロッパでの画期的な新しい技術「形状記憶の金属」を使うこと。金属であるにも関わらず、「ぐにゃっ」とか「ぐわっ」とか広げて、腕にはめることが出来るようになりました
 また、腕の形であるリング状に加工した金属の内側に「伸び縮みするワイヤー」を入れて、まるでゴムバンドのようにバングルを広げて、腕にはめる!こんなものも登場
 このような留め金の不便さを無くしたのが「バングル」なんですね

 私は、昔から「自分で見て、フフッとなること」がうれしくて、ブレスレットが大好きです。けれど、とにかく腕に付けるジュエリーのために、付けたい腕が右であれ左であれ、装う時にはもう片方の手で留め金を留めたり外したりしなければなりません。それが本当に大変… 
 留め金をいじっている間に、口がとんがってくる!なかなかうまく留め金が止まらず、一生懸命になり過ぎ、口が開き、時にはその口からヨダレだ落ちそうになる…
 そんな経験が多かった私なので、すっかり「バングルの進化」に魅せられ、ついつい相手の好みも考慮せず、すっかり「バングル推し」になっていたのですねえ。自分では気づかず、びっくりでした

 そしてそして、まだあったのですよ、思い込みが… これまたAさんに言われ、ドキッ
私はね、ここ数年、真珠のチョーカータイプや、ロングのネックレスが苦手でね。以前は大好きだったのですよ、真珠が
 ところが、です。4,5年前から、真珠のネックレス、特に長いタイプの真珠のネックレスをすると、夕方頃になるととっても辛くなる 肩が凝ってきてねえ。なぜかって?はい、それは「重い」からです。ずっしりとした真珠の重さが耐えられなくなってくる

 もう1つ、辛い事。それは、やっぱりネックレスの留め金。
首の後ろに両手を上げて、手探りでネックレスの留め金を留める作業… なかなかうまくいきません。五十肩で上手く腕が上がらない時や、腕を上げていると痛いときなど、ネックレスの留め金は最悪です(じゃあ、そこまでしてネックレスをしないで良いじゃないかって?いえいえ、それはダメです。ジュエリーは飾り物ではなく、大切なパワーストーン、私を邪気から遠ざけるお守りですし、胸元が貧相なのは悲しいですからね
 そこで、ここ4,5年、私は「すっぽりと頭からかぶれる長さのネックレス」しか、しなくなってしまいました。
 また、重いのも肩が凝って苦手なので、例えば「金属の中が中空になっていて、表面にカット等が施された」ような、オシャレで軽いジュエリーなどが、装いの主流になっています

 …とまあ、こんな事情で、私は「長くても軽いオシャレなネックレス」「留め金で苦労しないネックレス」を、熱く説明していたんですって…
 Aさんに、「ロングで少々重くても、気に入ったものがあれば大丈夫ですよ」「留め金、問題ありませんよ」と言われ、ハッとしました。

 思い込みって、ほんと、厄介ですね
Aさんの来訪以降の会期中、他の方が会場にいらっしゃるたびに私は、大阪人の大好きな自虐ネタとして、「バングル推しの話」や、「重いネックレスを遠ざけている話」などを吉本の芸人さん並みに話し、笑っていただきました。でも、中には「私も留め金は苦労しますよ。」とか「重いネックレスは肩が凝ります。同感!」と慰めていただくことも、へへへ。

 でもでも、やっぱり何事であっても「思い込み」は禁物ですね
今回のことでは、幸い、何か大失敗をしたわけではありませんが、思い込みが原因で、とんだ失敗や失態を招くことはあるでしょう。良い教訓になりました

 Aさん、ありがとうございました
(でもでもAさん、あと20年したら、私の気持ち、わかる日がくるかも~です、ふふふ。独り言

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〇〇くん、〇〇ちゃんの桜は元気ですか?

2024年03月30日 | 楽しいお話し

 今年は3月に入ると、あっという間に桜が咲くのでは?という予想を見事に裏切り、寒の戻りや菜種梅雨と、すっかり「素敵な日本語」を実感する天候のおかげで、例年よりも10日ほど遅い開花となりました 満開は、4月4日くらいになるとのこと。まさに、入学式シーズンの頃なのでしょう。

 みなさんは、「〇〇くんの桜」「〇〇ちゃんの桜」のことを覚えていらっしゃいますか?
お子様達がマナーズに通ってくださっている年、私は3月中旬になると「お家から近くて、毎日見ることが出来る桜の木を1本決めてください」とお願いしました。
 そして、それは「桜の木や花の観察記録を作るためではなく、あくまでも『自分の桜』と決められた桜の木を毎日愛しく眺め、その変化を楽しみ、いろいろな感情を持って欲しいから、と解説をしました。慌ただしく幼稚園、保育園に送っていく道や、バタバタと買い物を済ませて急ぎ足で帰る道… そんな道の桜の木が「自分の木」となり、毎日移り行く姿を眺める… お父様、お母様にも、そんな「ひと時の優雅」「風流な思い」を味わってもらいたい
 じつは、マナーズ在学中よりも、むしろマナーズを巣立たれて2.3年経ってから、「久しぶりに〇〇くんの桜をしみじみと眺めました」や「今年も咲きました!娘の桜が。」のようなご連絡をいただき、私は本当にありがたく思ったものです
 私は「愛でる」という言葉が大好きです。この音の響きも素敵ですよね。「見る」というと、ちょっと味気ないですが、「愛でる」という行為には、「立ち止まり、意識的に眺め、ほれぼれする…」というような光景が見えてきませんか?
 あらためて調べてみると、この「愛でる」という言葉には、「可愛がる」という意味もあるようで、我が家の子犬を愛でる、というような使い方もするそうです。私は「愛情を持って眺め、その美しさに感動しながら鑑賞する」という意味だけだと思っていました。調べて、賢くなりました

 24日の日曜日、「神田川」「江戸川橋付近」の散策に行きました。あちこちへの出張がかなり続いた夫は、金曜日に帰国。「やっと帰ってきた」という実感が欲しかったようで「懐かしい界隈で、桜を愛でる」をイメージしていたようです。
 家を出る前に、何度も「桜はまだ『蕾かたし』なのよ」と話したのですが、考えが一途な夫は、自分のイメージが頭の中で先行していたようで、笑。現地に到着し、神田川の桜並木を見て、落胆 「そうかあ、なんも咲いてないんかあ…」と本当に残念そうでした。けれど、全く桜の咲いていない桜並木ではありましたが、夫は学生時代のいろんな思い出話をして、とても楽しそうでした もちろん、結婚41周年を3月に迎えましたからねえ。「ああ、その話は何度も聞いてるよ」というものもありますが、それでも、夫も思い出の中にある神田川の桜並木は、とってもたくさんの記憶、思い出の詰まった場所なのだなあ、と、私にとっては、全く馴染みのない界隈なのに、何となくほのぼのとした時間でした。

 そう言えば…
マナーズの卒業生には、お名前に「桜」の字の入ったお嬢ちゃまが何人かおいでになります。やはり、これから生まれてくる我が子に、生まれてきた我が子に、美しい桜を重ね、命名された素敵なお名前です

 これから約10日間、五部咲きから満開になり、桜吹雪となり、道をピンク色に染めるまで、いろいろな桜を楽しみたいです。そして、枝々が青々とした葉っぱが豊かに茂るまで、あちこちの桜を愛でたいと思います

 

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「知って、考える」という作業

2024年03月20日 | ためになるお話し

 ここ2年ほどは、気に入ったNHK BSの番組を録画予約をして観ること、大好きなお相撲をテレビ観戦する以外、すっかりテレビの番組を観ることが少なくなりました 教室も終わって時間も出来たのですけれどね。そのかわりに増えたのがNetflixでの映画や海外ドラマを観ること。
 つい最近見終わったのが「ミスターサンシャイン」という、2018年制作の韓国ドラマでした。1880年年代後半から1910年あたりまでを人間模様を中心に、史実に基づき韓国併合までを描いたドラマでした。(私が高校の歴史で、すっ飛ばす勢いで習った近現代史では『日韓併合』と呼んでいました。日韓両国、という表現が、侵略者側にとって好都合の名称だったから、なのでしょうが、今ではそれを正し、韓国併合と呼ばれているということも、つい最近知りました)

 みなさんは覚えていらっしゃるでしょうか?
私がみなさんの願書のお手伝いをさせていただいた時、私が高校時代の経歴を少しだけ披露した内容を。
 私は大学も併設された女子の一貫校に通っていたため、大学受験を経験しませんでした。当時の私は、多くの高校生が経験する苦行を、結果的にスルーしてしまう自分を恥じ(ピタリとくる表現が見つからないので、敢えて強烈な「恥じる」という言葉を使います。ごめんなさい!)、それに代わる「何か、必死になること」を探していました。
 それを知った先生方が私に提案してくれたのが「国際理解のための論文コンテスト、弁論大会」への参加、でした (結果的に、どちらでも全国大会まで進み、好成績を残したおかげで、私はその後、高校生のための友好訪韓団や、国交正常化間もない中国への友好訪中団のメンバーになることができ、それは貴重な経験となっています)
 私が、その時にテーマにしたのが「ソウルの地下鉄開通」にまつわるお話。
私の母校の高校の姉妹校であるソウルの私立の女子校、淑明(スンミョン)高校の生徒が来日。私の家がホスト家庭になりました。ある日のランチの時のこと。私達の会話は英語でしたが…

チェイさん「昨日、大阪で地下鉄に乗ったでしょう。すごく楽しかった!私達ももうすぐ、地下鉄が身近になるのよ ソウルに地下鉄が開業するから。」
イーさん「もうあとひと月。楽しみなの、とっても。開業は『8月15日』なのよ
私「そうなの 今度行ったら、私も乗ってみたい!8月15日が開業なのね。その日は、終戦記念日だわー。」
チェイさん「8月15日。その日は大事な日なの。私達、大韓民国が独立を果たした日だから。」
イーさん「日本がアメリカに敗戦して、36年間の日本の支配から解放された記念すべき日が8月15日。」

 1974年8月15日。
その後も、和やかにランチは続きました。彼女達は、私に批判的に話題を提供したわけでも、挑戦的にその日のことを告げたわけでもありませんでした。唯々、会話の中の「ひとつのトピック」でした。
 でもね、だからこそ私は、不用意に、お気楽に発言した「8月15日は終戦記念日だわー」という一言に、自分で傷つきました そして、「8月15日=終戦記念日」でしかない私の知識というか、認識に、恥ずかしさと同時に大きな罪の意識を感じたのでした

 Netflixの「ミスターサンシャイン」は、本当に良く出来たドラマで、内容も濃く、日本語の字幕でではありますが、セリフの一つ一つも意味が深く、見ごたえがありました。
 このドラマでは、日本人としては辛い場面や表現も数多くありますが、それは歴史上の事実であり、番組の中では批判を目的とした誇張、も感じられません。

 知らないことを、知ること。そして、知ることによって、初めて考えることがスタートすること。こんなに大事なことがあるでしょうか
 『学びは、楽しい』私の変わらぬ持論です。
 学校時代、定期的なテストのために「学んだつもり」になったり、「覚えて、終わり(すぐに忘れる)」は、実際にはほとんど意味のないことではなかったか、と歳を重ねるごとに、苦笑とともに感じています
 最近は、老化した脳ミソのせいか、覚えてもすぐに忘れてしまうし、なかなか記憶に定着はしませんが、それでも私は「知ること」「考えること」を絶対にやめてはいけない、と思っています
 今の時代、知るための手段は山ほどあります 良い時代です。
知って、考える…ということが「生きている証ではないか」とさえ思っています

 「春の保税展 2024」 

 3月22日(金) 午後0時 ~ 午後6時まで

 3月28日(木) 午前10時半 ~ 午後6時まで

 3月30日(土) 午前10時 半~ 午後6時まで

 3月31日(日) 午前10時半 ~ 午後6時まで

 4月4日(木)~ 4月7日(日)午前10時半~午後6時まで

 日比谷線・大江戸線「六本木駅」 千代田線「乃木坂駅」下車
 東京都港区六本木7-2-7 「ガレリア UCHIHARA」 地下2階 保税蔵置場・地下ホール

 ちょっとのぞいてみようかな?と思われましたら、おいでいただける日時をメールでお知らせくださいね。(madoka.manners@gmail.com)
 保税展は性質上、来場には事前に東京税関に入場登録が必要です。残念ながら保税展のみ「時間が空いたので、フラッと行ってみるか…」というわけにはいきません。
 前々日までにお知らせくださいね。保税展は一般に公開される展示会ではありませんが、みなさまからのご紹介があればご来場いただけますし、みなさまとご一緒においでいただくことも可能です。お目にかかれることを楽しみにしています

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保税展 出展ブランドについて

2024年03月10日 | 楽しいお話し

 今年の「啓蟄(けいちつ)」は、3月5日でした。
二十四節気の「啓蟄」は、春になって、土の中で冬眠していた虫たちが出てくる…という意味なのだそうです。次の二十四節気は3月20日の「春分」です
 私は、こういう「季節に関する様々な雑学」が大好きです。日頃、あまり意識せずに使っている言葉にも、様々な深い意味と歴史がある、と言うことを知ると、本当に心が豊かになります また、別の機会に、この二十四節気に関しても書いてみたいと思います。

 さてさて。
今日も前回にアナウンスをした通り、ジュエリーについて3連続の宝石関連…は今回で終了です。「最初のダイヤモンドの話しは面白かったけれど… さすがに、もうゲップが出そう…」と叱られてしまうかもしれません。すみません
 今日は、2週間後に迫った「春の保税展 2024」に出展されるいくつかのブランドのご紹介をさせてくださいね。それに付随した形で、ちょっとしたジュエリーの雑学も。

 ひとつめ「ロレンツ・バウマー」
前回の秋の保税展に、初めて出展されたフランスの工房です。パリのヴァンドーム広場にサロンを構えています
 さあ、ここで1つ目の雑学。「ヴァンドーム広場」というパリにある地名は、きっと女性であれば1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? 日本の、比較的若い世代向けのジュエリーブランドに「ヴァンドーム〇〇」というのがありますが、その「ヴァンドーム」も、この広場の名前にちなむもの。
 ヴァンドーム広場は、もともとは1702年、ルイ14世の栄光を讃えるために計画された広場なのだそうです。でも、その後は様々な英雄達の思惑により、名前も使い方も変わりました ナポレオンもその中の一人です。
 そんなヴァンドーム広場が脚光を浴びるようになったのは、「ザ・リッツ」と称される超高級ホテル「リッツカールトン パリ」や、パーク・ハイアット・ヴァンドーム、ブリストル(現在は、オテル・ド・ヴァンドーム)がこの地に誕生し、そして、その後、多くの著名な服飾デザイナーや宝飾ブランドがサロンを開くようになったから、なのですね

 二つ目の雑学。
このヴァンドーム広場にサロンを構えている「世界5大ジュエラー」とは、何でしょうか?
 その答え。①ティファニー ②カルティエ ③ブルガリ ④ヴァンクリフ&アペル ⑤ハリーウィンストン です。
 …とここまでで雑学は終えるとして。
その由緒あるヴァンドーム広場に、自身のサロンを構えているロレンツ・バウマー(ブランド名であり、オーナーデザイナーの名前、です)。
 まだまだ歴史の浅い、新進気鋭の存在と言えるこのオーナーデザイナーは、私の勝手な想像ですが… 内原の保税展を足掛かりに、日本への出展を狙っている?!ここで自分のジュエリーを日本人の特別な人達に紹介し、知ってもらうことから日本での展開をスタートさせようとする思惑がある?!
 とまあ、そんなことは横に置き、とにかく、内原のバイヤーのご苦労で、前回の秋の保税展に続き、今回も2回目の出展となりました
 「そんなブランドの宝石ならば、どうせ、美術館に並ぶようなものばかりがやってくるのでしょう」と思われるでしょう?
 私も前回はそんな風に思い、ほとんど興味を持っていなかったのですが… いえいえ、超高価なものもありますが、そういうアート的な一品物的なものばかりではなく、彼の豊かな感性がうかがえる、ほどよい価格帯のシリーズも数多く出展されます。とても見ごたえ、学び甲斐のあるブランドでした。
 中でも、私が気に入ったのが「ハートビート」というシリーズ。
彼の第一子、息子が誕生した時に見た「心電図の波形」がモチーフになっています。波形ですので、折れ線グラフのような曲線なのですが、この波形を素敵なジュエリーのデザインに仕上げたのですねえ。リングだけではなく、ペンダントもあります 芸術性だけではなく、彼の人間味に溢れる愛情豊かな表現力が、そのままジュエリーになっているのも素敵。乞うご期待です

 そして、次は「クリヴェリ」。前回に少し触れましたが、イタリア最大のジュエリー企業です。このブランドでは、リングやピアスなど、多くのジュエリーに必ず使われている「メレ」と呼ばれる小さな小さなダイヤでさえ、品質の高いものしか使わないという徹底ぶりです。だからこそ、本当に輝きが違う… 毎回、保税展では優秀なデザイナー達が送り出した素晴らしいジュエリーが並びます。

 前回の復習ですが…
このクリヴェリの特長は、クリヴェリでデザインされ、製作されたジュエリー達は世界中に出回っていくものの、実際には「クリヴェリ 」というブランド名では展開されない、ということ。覚えていらっしゃいますか?
 つまり、世界各国のバイヤーや宝石店、ブティックが国際的な展示会に行き、クリヴェリのブースでジュエリーを買い付け、持ち帰り、そして「自社のブランド名を付けて、店頭に並べてる」という展開方法、なんですよね。
 クリヴェリは価格帯も広く、出展されるジュエリーもたーくさんです
保税展では根強い人気を誇り、内原のお客様の中では、非常にファンの多い人気のブランドです。今回も、本当にたくさんのキラッキラがやってくるでしょう

 最後に、もう一つ「J. R. DIAM(ディアム)」
香港からの出展です。何と言っても、この工房は「ダイヤモンドを爪と呼ばれる台にセットせず、直接、ダイヤモンドにレーザーで穴を空けて繋いだり、セットする」という高い技術を持っています。
 この説明でわかっていただけましたか?それでは、ちょっと、「1個のラウンドブリリアントカットが施された、1粒石のダイヤモンドのリング」を想像してみてください
 この場合、中心の1個のダイヤモンドをリングに留めているのは、ダイヤモンドを「掴んだ」ようになっている「爪」と呼ばれる金属、です。
 ネックレスでも、1粒石のプチペンダントであれば、同じ留め方をしているでしょう。時には、1粒のダイヤモンドをくるっと取り巻くような輪っかが手の金属で留められている場合もあるかもしれません。いずれにしても、今までは、ダイヤモンドに限らず、宝石を台座に留める時には、金属の爪や輪っかで固定していたのです。
 しかし10年ほど前から、金属の爪や輪っかでダイヤモンドの石をセットせず、「ダイヤモンドに直接穴を開け、チェーンなどでつなぐ」というジュエリーが見られるようになりました。
 この場合、見える時にダイヤモンドの邪魔になる「爪」や「輪っか」がないため、ダイヤモンドそのものが見え、非常に輝きが増すのです。
 ここ数年は、ヨーロッパの工房でもこの「レーザーを使い、ダイヤモンドに穴を開ける」という技術を取り入れ、同じようなジュエリーを完成させようとしています。
 しかし、残念ながらなかなか上手くいかず、製作中にダイヤモンドが割れてしまう…という惨事。それはなぜか?それは、技術の違いと、最大の違いは「使うダイヤモンドの品質」にあります。
 他の工房は「割れる」という失敗を恐れ(割れてしまえば、ジュエリーとして使い物になりませんから)、ダイヤモンドのカラーは良いものを選んでも、多少、質の低めのダイヤモンドを使うことが多い、と言われています。
 まさに、前々回に説明した「4C」のお話しです。ここJ.R.ディアムが使うダイヤは、品質表記の中の「Clarity 透明度」、この高いものを使っています。
 「Clarity 透明度」が高いものは、「ダイヤモンドの中に、内包物が少ない」のでしたよね。つまり、ダイヤモンドにレーザーで穴を開けようとすると、異物がなければ穴は開きますが、もし異物が混じっていると、その異物、内包物のところから「割れる」という危険性があるわけです「J.R.ディアム」が使うダイヤは、どんなに小さなダイヤであっても、婚約指輪に出来るほどの高い「Clarity 透明度」品質のものを惜しみなく使うから、輝きも違う…という訳です。

 これはちょっとシュールな笑い話ですが…
「ダイヤモンドだ」と知らないで見ていると、「きゃー、きれい スワロフスキー?さすが、スワロフスキーのクリスタルは輝きが違うわよね
 いえいえ じつは、これはスワロフスキーではなく、「ダイヤモンド」です。

 今回初出展の「FALCHINELLI(ファルチネッリ)」というイタリアのブランドも楽しみです。かなり斬新でユニークなデザインのようで、こちらにも興味津々です。
 日程は下記の通りです。
ご来場の日程が決まりましたら、メールでお知らせくださいね。保税展には、東京税関への事前登録が必要なので、残念ながら当日、フラリと来ていただくわけにはいきません。前々日までにお知らせください。みなさまからのご紹介があれば、他の方もご一緒していただけます。お目にかかるのを楽しみにしています。

 「春の保税展 2024」 

 3月22日(金) 午後0時 ~ 午後6時まで

 3月28日(木) 午前10時半 ~ 午後6時まで

 3月30日(土) 午前10時 半~ 午後6時まで

 3月31日(日) 午前10時半 ~ 午後6時まで

 4月4日(木)~ 4月7日(日)午前10時半~午後6時まで

 日比谷線・大江戸線「六本木駅」 千代田線「乃木坂駅」下車
 東京都港区六本木7-2-7 「ガレリア UCHIHARA」 地下2階 保税蔵置場・地下ホール

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