nachtmusik

♪andante...im tempo...rondo...adagio♫

Anthology Night

2007-02-09 | Event
今では『アンソロジー』という言葉もよく耳にしますが、最初にこの言葉を大々的に
使ったのは《ビートルズ》だったような気がします。

ビートルズが1970年に解散して25年が経った1995年11月に『ザ・ビートルズ・アンソ
ロジー1』と題するアルバムが発売されました。

このアルバムはビートルズの活動期間(1960年~1970年 *正式デビューは1962年) に
録音された音源の中から主に未発表曲・デモテイク・ライヴなどを年代順に構成してゆき、
このアルバムと公式アルバムの両方を聴くことにより、今まで以上にビートルズの歴史が
理解できるようになっています。

アルバム『ザ・ビートルズ・アンソロジー1』が発売される1週間程前にFM放送でこの
アルバムのトップを飾る新曲『フリー・アズ・ア・バード』が解禁となり流れました。
 

この曲はジョン・レノンがビートルズ解散後に作曲し、ホームレコーダーで録音した
デモ音源を残った3人のFab(ポール、ジョージ、リンゴ)が、このアルバムのために
仕上げた曲でした。

当時、私はこの曲を聴いた瞬間、体中に電流が走る感動を覚えました。
曲調はいたってシンプルでありながらもジョンの歌声に合わせて残った3人がまるで
生きているジョンと一体になるかのように演奏しハーモニーを奏でているからです。
もうこれはジョンだけの曲ではなく、まさに《ビートルズ》そのものでした。

また翌年にはアルバム『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』が発売され、ここでも第2弾
となる新曲『リアル・ラヴ』が発表されました。
 

そしてアンソロジー・プロジェクト完結となるアルバム『ザ・ビートルズ・アンソロ
ジー3』が同年1996年に発売されました。



アンソロジー・シリーズが発売されるまでにも、ビートルズの未発表曲・デモテイク・
ライヴなどは海賊盤で聴くことは出来ましたが、やはりオフィシャルで発売される音源の
音質は数段良く、これだけでも聴く価値は充分にありました。

こうして”未発表音源集”が発売された次に期待するところはやはり”未発表映像集”でした。
その期待に応えるかのように映像による『ザ・ビートルズ・アンソロジー』が発売されま
した。

当時はまだDVDが普及していなかったこともあり、VHSビデオとLDでの発売でした。
私はLD版を購入し、長時間収録にも関わらず一気に鑑賞しました。
まるで長編歴史絵巻を鑑賞しているような感覚でした。

そしてそれから数年後の2003年3月31日にはDVD版による『ザ・ビートルズ・アンソ
ロジー』が世界同時発売されました。


このDVD版にはVHSビデオとLDには収録されなかったFab3によるセッションが収められて
いるということもあり、迷わず再び購入しました。

ジョージの自宅スタジオで終始リラックスムードで繰り広げられるセッションは感動その
もので、若き日の思い出話も聞けるといったオマケも付いていました。


このDVD版『ザ・ビートルズ・アンソロジー』が発売される前々日の2003年3月29日に
『ザ・ビートルズ・アンソロジー・ナイト』と題する記念上映会が開催されました。
インターネットによる抽選で50組100名限定でしたが、私は抽選に当たり観に行きました。
上映時間は22:00~翌朝10:00までのオールナイトで、渋谷の映画館でした。

映画館で観るのは格別で大画面のうえ音響も5.1chでした。
それに抽選に当たって観に来ている人たちはみんなビートルズが好きな人たちばかりと
いうこともあり、映画館内はとてもアットホームな雰囲気に包まれていました。

一気に観ると気付くのですが、ビートルズの活動期間は結成から解散まで10年という
期間ですが、ビートルズの4人が駆け抜けた10年間は、我々が日常生活で感じる時間的
感覚とはまったく異なるものだという事です。

ビートルズの4人が駆け抜けた10年間は、普通の人たちの人生でいう50年分の時間に
匹敵するのではと思いました。それでもあれだけの経験は出来ないと思います。

それとあらためて驚いたのはビートルズの活動期間中は誰1人として30代はおらず、
4人とも20代の内にこれだけの事を成し遂げているという事実です。
その間にはメンバー同士での確執など(特にホワイト・アルバム~レット・イット・ビー
の頃)もあり、いつ解散してもおかしくない時期もありました...

一般的にはその時代が求める要素とリンクしたからこそ、栄光と成功を勝ち獲る場合が
ほとんどでしょうが、ビートルズの場合は”彼ら自体”が時代を先取りし、そしてその時代
が求める要素を創ったと言っても過言ではないと思います。

いずれにせよ如何に凝縮された10年間だったことか...想像すら出来ません。

この上映会で最後のPV『フリー・アズ・ア・バード』の映像が流れた時は、もう翌朝に
なっていましたが、前夜からずっと通して観てきたこともあり、感動で涙が溢れたのは
言うまでもありません。今、思い返しても本当に素晴らしいオールナイト上映会でした。
 


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2 コメント

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アンソロジー (Ivica Wibury)
2007-02-10 03:50:39
僕にとっては初めてのビートルズのリアルタイム体験だったので、尋常ではない興奮をしたのを覚えています。
大学推薦受験用の学生服を買いに行った紳士服店のAMラジオから、「Free as a Bird」のイントロの(ジョージの)スライド・ギターが聞こえて来たあの瞬間の衝撃と感激は、一生忘れる事はないでしょう。
大晦日の『アンソロジー』放送は、ビデオを録りつつ家族で観ました。

この企画は僕らの世代のビートルズ・ファンにとっては、ビートルズのあまりに速い進歩の歴史への、絶好の入り口だったと思います。
何より、メンバー本人が(ジョン&ポールに偏ることなく)平等に当時を語っているのは本当に大きかったのです。勿論近しいスタッフの発言も含め。
…僕は既にビートルマニアだったので、結構知っている事も多かったのですがw

最後の写真、いいですね。ジョンだけチョット若いのがポイントですなw
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Free As A Bird (cloud9)
2007-02-11 21:02:00
なにかに行き詰まった時、この『アンソロジー』を観ると進むべき道が見えてきます。それはすべての答がこの物語の中にあるからかもしれません。
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