nachtmusik

♪andante...im tempo...rondo...adagio♫

真田太平記

2006-08-03 | Book
私が今まで読んだ本と言えば大半が歴史小説です。吉川英治の『三国志』『新・水滸伝』
『新・平家物語』『私本太平記』『宮本武蔵』が原点です。

私は吉川英治の作品を通して中国歴史上最も有名な『三国志』に出会い、また日本の古典文
学として現在でも読み継がれている「平家物語」の豪華絢爛の果てに滅び去っていく平家の
栄枯盛衰の儚さを哀しみ、そして日本にかつてこれほどまでに己に厳しく生涯”初志貫徹”を
貫いた男がいたことを『宮本武蔵』で知りました。

数年前には「吉川英治記念館」へ行ってきました。
東京の青梅市にあり、自然にかこまれとても落ちついた記念館です。
この記念館は吉川英治氏が1944年から約10年間過ごしており、『新・平家物語』が起稿さ
れた書斎が当時のまま残っています。

私が歴史小説を好きになったのは生まれ故郷が大阪だからでしょうか...折あるごと(小学校
時代の遠足など)に歴史建造物の多い”奈良” ”京都”に縁する機会が多かったからです。
また私の父が大の歴史好きということもあり、私が小さかった頃からよく”歴史建造物巡り”
に連れて行かれました。訪れた中で特に印象に残っている場所はといえば、織田信長の
「安土城」”址”です。現在は発掘調査中で頂上までは登れないようですが、訪問当時は天守
閣が在った場所まで登ることができました。当時頂上までの山道はそんなに整備されておら
ず、ある意味今にでも戦国時代の騎馬武者が現れそうな気配さえしました。
そうしていくらか歩いて頂上へ辿り着くと、天守閣が在った跡地には大きな石垣だけが残っ
ていました。かつて織田信長もここから眼下に見下ろせる琵琶湖を展望したことなんだろう
と遥か昔に想いを馳せながら感慨に耽りました。

何故「安土城」”址”が特に印象に残っているのかと言いますと、それは現在の大阪城のよう
にエレベーターまで完備され観光名所として再建された城ではないからです。
ただポツンと残された石垣だけ...故に強烈に往事を偲ばせるのです。

*歴史とは人物、当時の思想、建造物などを決して現代の感覚で捉えてはいけないというこ
 とです。現代からでは到底想像できえないことでも当時としては常識だったこともあるか
 らです(小説『逆説の日本史』著:井沢元彦~引用)

目下、私が今読んでいる本は「真田太平記~著:池波正太郎」(全12巻)です。
小説の主人公・真田幸村は最後の戦国武将と言われ、有名な関ヶ原の合戦、そして大坂城・
夏の陣では敵将・徳川家康の本陣突入を試み壮絶な最期を遂げます。
敵方にも”あっぱれ”と謳われた人物です。

追記:思うに私は父から”歴史の浪漫”を授かり、母から”音楽” ”映画”を授かりました。