よったろーのせーさく日記3

よったろーのせーさく日記からの引き継ぎです。
ちょちょいのよったろーと申します。
改めましてよろしくお願いします。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編2話28

2016-05-04 15:59:57 | 日記
 キャリアだけでなく、先ほどの会話はFとしても彼女と全くかみ合っていなかったと感じていた。
 お互い、主張したい事が全く合っていない印象だった。
 混乱している彼女の顔を見て、自分の行いが正しいのかどうか疑問に思ったのだ。
 それで、無理をして、自分には手の届かない存在と会ってみよう――そう思ったのだ。
 キャリアと同じ立場でものを見て見たかったのだ。
 復讐をして、神や悪魔、人間達を全滅させて、果たしてその後、何が残るのだろう。
 何も残らない。
 虚しさだけが残るのではないか。
 それは何となく解っている。
 それが自分の弱さだという事も。
 解ってはいるが、深と頂魔の企みを見抜けなかった自分の弱さが許せなかった。
 何か行動しなくてはならない。
 その衝動だけには逆らえなかった。
 行動するとしたら、彼には、クアンスティータを最強の形で産み出す――それしか無かったのだ。
 強さとは何だ?
 Fも解っている。
 本当に強い者は自分の力を誇示したりしない。
 誇示するのは中途半端に力を得た弱者のする事だ。
 自分の力に自信がないから、自分が強いんだという事を証明するために、他者を傷つけそれを証とする。
 それが新たな争いを生む。
 心の弱い者はそうやって、更なる強者に挑戦し、敗れ去っていくのだ。
 悪戯に争いを生んでいるFもまた、弱者に過ぎない。
 本当の強者ではない。
 それも解っている。
 解っていても止まらない。
 止められないのだ。

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