<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

中国高速鉄道(新幹線)事故と飛行機の遅れは「切実な問題」

2011-08-04 | 中国社会学
今回も飛行機に乗って北京にやって来たが、、、
やはり到着が遅れた(はぁ・・・)。
しかも、3時間。
飛行時間が約2時間半だから、それ以上に時間を無駄にしたことになる。
もはや慣れっこではあるが・・・。

こうした遅れた場合の状況を少し詳しく紹介すると、以下のような流れ。
1 待合所にて「北京の天候不順のため、離陸に向けた準備ができない」とのアナウンスが流れる(ま、いつものコト)。
2 予定より1時間遅れて、搭乗が始まる(うーん、許容範囲)。
3 ボーディングブリッジから離れたところで駐機、しばらく動き無し(イヤの予感)。
4 ようやくアナウンスが流れ、「管制からの指示待ちだが、いつ離陸できるか不明」とのこと。早速、食事の提供が始まる(さらにイヤな予感)。
5 しばらく無言の状態が続く
6 延々と2時間座り続けたところで、ようやく離陸  といった流れ。
想像しただけで疲れますよね?

このように、中国では飛行機が遅れる場合、決まって長時間、機内に監禁される。
私なりの解釈では、こうした監禁の理由として以下を想定している。
1 航空会社の責任逃れ(長時間遅れると、航空会社に食事の提供や保証金の支払などの義務が発生するため、何とか早く乗せてしまおうとする)
2 乗客を一度リリースすると、再び集めるのに時間と労力がかかる(確かに)
3 発着便が多いため、空港設備(ボーディングブリッジ、待合室等)を有効活用する必要がある
4 中国の空港は着陸優先(と思われる)のため、いつ離陸指令が出るか、分からない(これは本当、いきなり動き出すから)

とりわけ、北京首都空港の場合、2分に1本のペースで離発着が行われているとのこと。
明らかに過密状態ですね。日本の地方空港に分けてあげたい。
もっとも、これではちょっとした天候不順などでガチャガチャになるのは仕方ないわけで・・・。

こうした状況だから、上海と北京を頻繁に往来するビジネスマンたちにとって、今回の高速鉄道(新幹線)に対する期待は相当高かった。
文字通り、待ちに待った開通だった。
高速鉄道の強みは、何と言っても「定時性」「安全性」のふたつにあるからだ。

ところが、、、
フタを空けてみれば、停電や落雷による遅れ、挙句の果てには先日の追突事故・・・とヒドイ有様。
しかも、その後も続々と安全軽視などの問題点が指摘される始末。
筆者も一回乗ったんだが・・・(乗車レポート参照)。

現地では「高速鉄道の根本的な問題はすぐには解決しないのでは・・・?」との見方が大勢を占めており、北京-上海間の高速鉄道が満席になることはしばらくの間なさそうだ。

一方、航空会社は今回の高速鉄道開通に強い危機感を抱き、7月から一部時間帯で4割引などを実施したり、定時性を高めるとのコメントが発表されたりとサービス向上に向けた動きが顕著になりつつあったが、高速鉄道に対する不満が高まるや否や、再びほとんどの便で定価販売に戻す動きを見せている。
さすが中国ですね、こういうときだけ動きが速い(苦笑)

もっとも、利用者の立場から言うと、「空の便は遅れ放題」「陸の移動は命がけ」で、どうやって移動したらいいのやら・・・という現状。
結局のところ、最悪の事態に備えて、飛行機で時間つぶし出来るネタをたくさん用意することくらいしか対策は無さそうだ。

日本の快適さは技術だけで支えられているわけではない。
ソフトも重要な要素なのだ。
中国高速鉄道事故報道の裏にある在住者の切実な思いが、皆さんに少しでも伝われば・・・幸いです。


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