「いっぽ」のつぶやき

健康に福祉にボランティアにと、自分らしい人生を過ごすために、一歩ずつ歩んでいる「いっぽ」のつぶやきです。

学び合い

2007-04-03 07:08:34 | 日記
うちの子どもたちの頃から徐々に見られたことですが、子ども同士の結びつきがとても軽薄になり、いっしょに遊んでいるようでも、やっていることはバラバラだったり、お互いにどう思われているのかを探り合うような感じで、これでは学校生活も楽しくないだろうなぁと思っていました。
勉強も塾に行ってどんどん進む子もいれば、まったく授業についていけず、先生の言っていることが理解できない子もいます。
先生の中にはそんな子どもたちへどう対応していいかわからなくて、お手上げ状態の方もいるようです。

昨日の夕刊に「やる気くすぐる『学び合い』という記事がありました。
群馬県高崎市の小学校での取り組みで、先生が教えるのではなく、子どもたちがお互いに教えあうというやり方です。
先生が授業の主導権を握るのは、趣旨を説明する最初の5分間だけです。
たとえば、先生が「同じ偏をもつ漢字を集めて意味を考えよう」と言うと、子どもたちはそれぞれ自分のやり方でそれを見つけ始めます。友達と相談したり、ノートを見せ合ったりしていて、自然にグループが出来上がります。教員が決めたグループではないので、メンバーの入れ替わりは当たり前。仲の良い友達同士というのではなく、その時に分かっていそうな子に教えてもらうので、教科や単元ごとに形を変えていきます。

最初、教員の中にもとまどいがあり、抵抗もあったようですが、実際にこの方法を取ると、子どもたちの学習習熟度が上がり、教室でのけんかがほとんどなくなったそうです。人間関係が円滑になり、子どもたちが精神的に安定して、学ぶ意欲も増していったのです。
また先生に聞くのではなく、友達に聞く場合、プライドもあるので、少しでも予備知識を入れておかなくてはと、予習、復習もするようになるし、人に教えることにより、自分の知識も定着していくのです。
この学校では、今では全授業の6割をこの方法でやっているそうです。

この授業を受けて卒業した女の子が作文を書いています。
「私の思う勉強はつまらなくて、ただ書いているだけのものだと思っていた。発表する人は決まっていて、逆に言えば、聞いている人は決まっていた。いつも先生の言うことが正しく大切で、その考えしかないと思っていた。
だけど、今の勉強はちがう。分からない人には教えて、分かる人をたくさん増やして、いろいろな人の意見を聞いて、分からなければ理解するまで聞いて、さらにみんなに広める」

この「学び合い」は上越教育大教授の西川純先生が提唱し、現在、全国で約20校の教員が取り組んでいるそうです。
学習に関する会話がどの程度増えたかを調査してありますが、小3の算数の授業で、32名のクラスで測定した結果、一時間授業(45分)で交わされた会話は、合計延べ180分に上ったそうです。
それだけみんなが授業に参加しているということです。
これだけ良い結果が出ているのだから、どんどん取り入れて欲しいですね。
コメント (2)
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