チョビの旅立ち

４月は人間界も新年度で、何かと変化が多いんですけど、野良猫の世界でも改変時期みたいです。

どうやら子猫の出産ラッシュが影響してるようです。

それで、出産間近な母猫は苛立ってるせいもあって、きっと子別れ儀式もこの頃起こるんじゃないかな？

しおしおの出産が近づいたあたりから、しおしお第一子のチョビくんが、ぱったり姿を現さなくなりました。

一回ひょっこり姿を見せたこともありましたが、どうもよそよそしく、今まで普通に食べていたエサもほんの少し、口にしただけで殆ど食べず、こちらを警戒して消えていきました。

母猫しおしおにも、一回「シャー！」っと威嚇していました。

「もうボクは独立して、新天地で生活してるんだよ」って表情でした。

野良猫にも野良猫のおきてがあるんでしょうね。

でも、ひと時あんなに懐いて、毎日のように朝夕とご飯をあげていたので、ちょっとショックでした。

一回、体調を崩し、やせ細り、足腰もふらついていた時があって、

その時はさすがに獣医に駆け込みました。

検査はしませんでしたが、どうも猫白血病みたいですねって言われて、

とりあえず応急処置で点滴と抗生剤を打ってもらいました。

そしたら、医者に連れて行かれたのがあまりに、恐怖だったのか、こちらは善意でしたつもりなのに、チョビくんはその後こちらを警戒するようになりました。

でも数ヶ月して、また懐きだして、うちの庭先の軒下での暮らしが再開したのに…、

新しく生まれてくる弟・妹の為に餌場を譲り、お兄ちゃんは否が応でも独立しなくちゃいけないんですね。

そういう厳しさを自分に強いているように見えました。


ボクはもう帰らないよ…