イタリア・ミラノの郊外で。旅をしながら麹作りをしています。
日本の発酵について語るときに「麹」のことは欠かせず、せっかくだからできたてほやほやのものを見てもらおうということで道具がない中で麹作りをしています。
原料はこうざき自然塾さんの米と寺田本家の稲麹を持参してきました。あと日本から持参したのは温度計と蒸し布2枚と種麹をふる時の茶こしだけです。
現場に蒸し器が無かったので、パスタを茹でる寸胴鍋と金属製の穴の空いたボウルを組み合わせて、蒸してみたところ無事いい蒸しあがり。
種切りをしてから、麹作りセットを持ってきた段ボールをそのまま麹箱として利用し、ペットボトルにお湯を詰めて周りに敷いて熱源としました。それをダウンジャケットとタオルと毛布でぐるぐる巻きにして冷めないようにします。
宿の部屋に循環式のヒーターがあったので、その前なら暖かいかと思って寝る前に置いておいたら、朝になっていたらヒーターが消えてて、麹の温度も27度まで下がってしまいました。
ピンチだ!とあわててペットボトルのお湯を詰め替え、今度はスーツケースの中において、外気と遮断するようにしました。スーツケースが急ごしらえの麹室になったわけです。
それからは順調に温度経過をたどるようになり、いま麹は仕舞仕事を終えて40度を超えています。
あり合わせの道具で麹は作れることがわかりました。
自由にどこでも発酵できるんですね。