M.シュナウザー・チェルト君のパパ、「てつんどの独り言」 

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夏祭り

2013-08-15 | エッセイ

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 急に、おはやしの音が聞こえてきた。

 横浜の市内のマンション。
 
 幸い、緑のセンターコートがあり、周りにも林があるから、外の道とは2~3℃は涼しい。鳥のサンクチュアリにもなっていて、環境的には気に入っている。高層階だから、風があれば開け放した南北の窓から風が通り抜けていく。うまくすると、クーラーはいらない。

 今日は日曜日。それで周りの町の夏祭りなのだろう。

 日差しの弱めの午前中は、子供たちの山車がお囃子と一緒にやって来た。真昼の午後は、大人の神輿がやって来た。セイヤセイヤと一丁前だ。残念ながら、拍子木のかんかんという音は聞こえない。町の名を書いた大きな提灯。そろいの水色の町の名が染め出してある半被を着ている。まあ、ほんとの祭りだ。

 おみこしには、男衆に混じって、女の担ぎ手も、子供たちも担いでいる。担いでいるたって、本当は大人の担ぐ神輿にぶら下がっている子供たちも交じる。じさま、ばさま、大人たち、若い衆、そして子供たち。世代を超えて、祭りを楽しんでいる。眺めていてホッとする。

 昨日から隣の町でもやっているようで、北の窓からお囃子が聞こえていた。少し離れているらしく、高い笛の音が風に乗って聞こえてくる。この方角だと隣町だ。

 今日は、僕のマンションがある町の夏祭りらしく、トコトン トコトンと調子の良い太鼓の軽やかな音、鉦のチン チンという透き通る音が聞こえる。かなり上手だ。豆絞りのじさまの姿が浮かんで見える。ピーヒャラ ピーヒャララと笛の音も聞こえる。かなり練習したに違いない。

 前にちょっと気になっていたマンションの掲示板の張り紙、「みこしの担ぎ手、募集中」の意味がやっと分かった。このマンションは周りの町内会とうまく連携して、センターコートまでお囃子とおみこしと山車まで引き込んでるわけだ。

 センターコートに、お休み所が出来ていて、みこしの御座所の周りで、マンションの奥方たちが、かき氷をどうぞと、町の衆に声をかけている。いいとこあるじゃんと、自分のマンションを見直したりする。

 今、午後4時。隣町のお囃子がテケテン テケテンと風に乗って調子がいい。子供たちも楽しんでいるに違いない。

 やっぱりここは、横浜の下町だったと改めて気づかされた日曜日。

 なんだか、チビの頃、とてもうれしかった祭りの夏の日が思い出された。このマンション、いいなぁ~、よかったな~と得した様で悦に入る自分がいる。

 下町に立つマンション、マンションの住民という異民族と、下町の先住民が一緒になって夏祭り。

 お囃子の音が遠ざかると、圧倒的な蝉の声。

 三社を始め、お祭り好きは落ちつかない。

 あと、花火は何時だっけ。調べておかなきゃ…。


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