下記の山歩きについては、その1をご覧ください。
1.大楠山 2.箱根明神ヶ岳 3.碓氷峠見晴台 4.大山( 丹沢山塊)5. 野反湖
6.伯耆大山 7.赤城山 8.那須岳 9.横手山
10.妙高山 2454m
この山の麓にある赤倉スキー場には、かなりの回数行った。会社の契約寮が赤倉温泉にあったからだ。僕の記憶ではどういうわけか二度も妙高山に登っている。1度は計画通りの単独行で、2回目は一人の男友達と一緒のはずだったが、山を見て、彼が登るのをおりてしまった。結果として単独行X2なったわけだ。
今は赤倉から妙高山の中腹まで、妙高高原スカイケーブル(1984年~)ができているらしい。 そして山頂駅から妙高山を登り始めるのが一番簡単な方法のようだ。
僕の頃にはこのケーブルカーはなかったので、燕温泉経由のルートで妙高に登った。標高差1300m位を4時間ちょっとで登ったと思う。最後の山頂へのアプローチは、結構厳しいものがあったと記憶している。 そこまでのハイキングの感じではなかった。
この妙高山は実は新潟県の山だが、普通は「北信五山」として黒姫山とか戸隠と一括りで、語られているようだ。 北信というのは北信濃の事だと思う。おそらく昔は北信濃の山並みの一つだと思われていたのだろう。
遠景の写真を見ると、独立した火山であって、その火口の中心に残ったのが妙高山だろうと推測している。
11.白馬岳2932mから唐松岳2695m、五竜岳2814m縦走
<白馬岳(しろうま)>
あれは大学を卒業して、2年ほど経ったころだ。
一番古い友達と二番目に古い友達と三人での縦走になった。大学時代に少し山を歩いていた僕が、この山歩きを提案したのかもしれない。山は、自分の体が山に慣れるまでは、本当に苦しい。しかし体の調子が上がってくれば、頂上に立った自分が大きくなったようでうれしいものだ。
目的は、白馬大雪渓を歩いてみたかったのと、不帰のキレットを含む唐松岳への稜線を踏破し、五竜岳を上り、できれば山の形の美しい鹿島槍を歩いてみたかったからだ。
日程は、3泊4日(車中を入れると4泊)。時期は自ずと7月末。山の天気は大体7月末から8月初めが安定しているというのが、その頃の定説だった。最近はどうもそれも怪しい。安定していないような年も多いようだ。
<大雪渓:この写真を今の絵と比べてみると、雪渓が解けているのがよくわかる>
初日は辛い登りばかり。新宿からの夜行列車(今はなくなった大糸線・南小谷行)を降りるなり、バスで猿倉へ。歩き始めて白馬尻をへて、稜線まで5~6時間というところだ。アイゼンを付けるのは初めてで、大雪渓のガイドに確認してもらって、雪渓に踏み出す。ガシガシと一歩ずつ、アイゼンの前爪を立てて雪の上を歩いていく。急な斜面の目の前の足元だけを見つめて、心臓の音を聞きながら、呼吸を整えながらゆっくり登る。
標高差1500mはきつくて、僕に高山病のような兆候が出て、みんなの足を引っ張った。一番きつかったのは小雪渓当たりのガレ場。尾根には、何とかたどり着いた。更に白馬山頂まで30分くらいはかかる。白馬山頂に立って、やっと立山・剱岳が見えた。風がきつかった。その夜は、頂上小屋で、ドロのように寝た。
2日目は尾根道で、僕の体調も整って、稜線に出れば快適そのもの。気持ちよく歩けた。天気が良く、遠くには剱岳が、眼下には黒部ダムが見える。さらに遠くには槍ヶ岳がその姿を見せてくれる。すこし風があった。
<不帰のキレット 1>
やがて、不帰のキレットと呼ばれる最大の難所にきた。はしごや鎖がなければ、僕たちの腕ではどうにもならない岩場だった。不帰のキレットの最初は2700mからの標高差400mもの大下りだ。滑らないように慎重に下った。緊張した歩きとなった。
<不帰のキレット 2>
下りきると、こんどは急な岩場の上りが立ちはだかる。「ラック」って声を何度も聞いた。耳元を小岩が吹っ飛んで落ちてくる。誰かが、浮石に気づかず小石を転がすことが多かったのだと思う。残念ながら、ヘルメットは付けていなかった。
<不帰のキレット 岩場>
登りきって唐松岳だ。結構きつい後半だった。二泊目はこの唐松小屋。
<唐松岳>
三日目は余裕。唐松から五竜を眺めながら、一度下り、そこからきつい上りで五竜山頂。鹿島槍を眺めてゆったり過した。
<五竜岳>
次の日はもう五竜から遠見尾根を下って、その夜には新宿にいた。満足だった。
(後立山の縦走については、前に独立して書いたのを再校したものです。再度読まされた方には、ゴメンナサイです)
追記
山歩きで、一番高いところまで登ったのは何所だろうか、と調べてみた。
<プラトーローザ>
一番高かったのは、スイス・マッターホルンの足元、プラトー・ローザ3490mだった。ここへはイタリア側のチェルヴィニアから、リフトを何回か乗り継いでたどり着いたところだ。スイス側からは、ツェルマットからの登山電車で登ってくることができる。そして二番目に高い山は、何度も登ったスイス・サンモリッツのピッツ・ネール3057mだった。
<ピッツネール>
クレジット情報:不帰のキレットの3枚の写真は、「VideoResearch OpenCafé」さんの「第87回後立山連峰縦走Part2」より、作者の了解を得てお借りしたものです。
P.S.
ヨーロッパ・アルプスの足跡は「足で立ったことのあるアルプスの山」
にまとめてあります。参考までに。