私たちのお茶の仕入れは大きく分けて2回山場があります。
お茶自体の生産は、4月の新茶(一番茶)から始まり、二番茶、三番茶、そして今の時期収穫の「秋冬番茶」まで、
4期間取引が行われる産地もありますが、中心は何と言っても「新茶」の時期です。
そしてこの9月が2番目の山になります。山と言っても、新茶期のような量や、天気とにらめっこしながら
一日一日収穫される茶を追っての仕入れとは違いますが、「品評会」という高級茶の取引が行われるのがこの時期になります。
審査の様子(東京都)
新茶の時期に、特別に仕立てた茶畑から選りすぐり摘採し、丁寧に仕上げて最高級品を作り上げます。ここは茶農家・製茶問屋が
自らの技術とプライドをかけて「一葉入魂」素晴らしいお茶が出品されます。出品茶は、夏頃に各品評会に集められ、茶の専門家によって
厳しく吟味され、格付けがなされていきます。そしてそのランキングをもとに発表され、上は<農林水産大臣賞>から各賞の栄誉が与えられ、
9月に入札販売会という形で、お披露目&入札が行われます。
この品評会は、全国で行われており、最大のものが「全国茶品評会」です。
本年は「八女茶発祥600年」記念の八女市で開催
「釜炒り茶」
私たちの組合では「東京都優良茶品評会」が行われ、関西地区では「関西品評会」、静岡地区では静岡茶品評会(通称・鶴亀品評会)などが開催されます。
<本年は、京都府城陽市の京都茶市場で開催>
「玉露」
素晴らしい形と艶
出品される茶種も少しづつ違い、また審査方法にも特色があります。
通常審査は「外観」と呼ばれる、茶の形から審査されますが、東京都の品評会では「味(滋味))から始まり、味の配点が高めです。
新橋・汐留イタリア街にある「東京都茶業会館」で開催
出品茶も「深蒸し茶」が多数。
品評会は、元々生産家の方々への仕入れ側からのアドバイス的な要素から始まったと言われておりますが、
我々消費地として、「お茶は飲むもの」というお客様の嗜好に重きを置いているためです。全国品評会では、京都の玉露はほとんど出品されませんが、
関西品評会ではメインで出品されているため、ここでしか入札出来ないモノというものがあり、茶業者は各地を飛び回るわけです。
毎年同じ風味のお茶は残念ながらご用意出来ませんが、その都度、かなり厳選、吟味して落札できたものに関しては、
かなりの思い入れがありますので、そういったことも含め、味の違い、特徴など是非とも店頭でお尋ね頂ければ幸いです。
10月になりますと、各店、落札茶が出始めると思いますので、高級茶の飲み比べなどもして頂ければ、日本茶の楽しさも広がるかと思います。