季節の「うえの」

上野周辺の四季折々の見所や、地元民ならではの楽しい情報を中心に、日本茶に関する話や明日から使える?発見をお届け致します。

猛暑日をこえて@2024/723

2024-07-23 18:03:49 | Weblog

この時期よく聞く言葉に、暑さの基準があります。

 

25度以上・・・夏日

30度以上・・・真夏日

35度以上・・・猛暑日

 

というのことをご存知の方が多いと思います。

 

今日は、各地で猛暑の日だったかと思いますが、当地上野、

 

中でも、皆さんが記念撮影される中心スポットは、何度くらいでしょうか?

 

こういう日は何と言えばよいでしょう?


温度計を持っていき、ものの5分もしないうちに40度をこえました。

 

さすがに、数分でも直射日光は厳しいので、私も計測はほどほどに屋内へ戻りました。

 

この時期、上野に来られる際は、是非ともお気をつけて

 

 

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暑い夏と冷たい日本茶と若くない若手 in2024

2024-07-20 15:29:52 | Weblog

前回の投稿の日付を振り返ると、まだ”新茶”のシーズンでした。

 

新茶は、摘んでから2番目に新しい芽が出てくる”二番茶”までの間”新茶”と呼ぼうという茶業界の暗黙の了解があります。


なぜなら、1年中”新茶”を掲げているお茶屋がたまにあり、そして、お客様も冬になって「新茶ありますか?」という方もいらっしゃるので、


”新茶”の需要は結構あるのです。しかし、冬に買った”新茶”は何をもって”新”というのはわかりづらいので、上記の了解があるようです。



さて、二番茶は新茶(一番茶)を摘んだ茶畑で、だいたい45日後くらいで2番茶のシーズンに入ります。つまり八十八夜(5月2日)に摘めば、

 

6月中盤に二番茶という流れです。

 

 

前置きが長くなりましたが、そんなこんな言っている間に本当に暑いですね。暑いと日本茶は飲み物の選択肢から外れていきます。

 

が、実は、水で出す日本茶【冷茶】【水出し煎茶】は、本当においしくて、この時期にピッタリなくらい体にいいんです。

 

そんなことをPRするべく、本年も【日本茶PRキャンペーン】が6月末に、東京有楽町の東京交通会館で開催されました。

本年は、全国から8産地の方がいらっしゃり、お茶の飲み比べ&プレゼントを行う大掛かりな企画です。

 

お天気も良かったせいか、朝から大盛況

 

お茶屋の若手、全国茶業連合青年団の団員たちがPRさせて頂きました。

青年団は青年とありますが、実は45歳までは(最近定年が伸びて50歳まで)団員で活動出来るんです。

 

企業でしたら中堅どころかベテランの域ですが、半ば職人の世界、まだまだ半人前ということでしょう。

PRさせて頂いてわかることは、まだまだ日本茶を好きでいてくれる方が多いということです。

 

これからも、日本茶の魅力を伝えられるように頑張ります!

 

 

おいしい冷茶の淹れ方(東京都茶協同組合)

 

冷茶の効能(東京都茶協同組合)

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新茶の仕入れひとこま③ 2024年5月

2024-05-26 15:02:48 | Weblog

よいお茶を仕入れた茶小売販売店。

 

いよいよ、このまま販売するかと思いきや、いや、販売させて頂きます。販売させて頂きますが、

 

当店の場合(都内茶組合加盟店でも同様ではあるとは思いますが)、まずはこのまま「新茶」として、いち早くお客様にお届け致します。


また、各産地のお茶であれば、「厳選したおいしい○○産地のお茶」や新茶1,000円、1,500円のようしてもラインナップします。

 

しかし、その一方で、さらにそのお店のお店たるゆえんのお茶を検討しております。

 

それは『合組』(ごうぐみ)という工程です。合組とは、ブレンドのこと。ブレンドというと何か適当に混ぜ合わせたイメージを持たれている方もいらっしゃると思いますし、

 

昨今のお茶業界ではブレンドしない、「シングルオリジン」(単一茶園単一品種)が注目されたりします。

 

シングルオリジンは、その年の畑、生産者の力量と製茶問屋さんの加工技術が肝(きも)です。単年で楽しめますし、販売者としては、ある種、簡単であります。

 

なぜなら、お茶は嗜好品ですので、決まった商品の中から<好きな味>を選べばいいからです。

 

誤解を恐れずに申せば、誰でも出来ます。気に入ったお茶を販売する。そのお茶がお客様に受け入れられ、人気になればそれはそれでお店としては成功です。

 

ただ販売、それ自体は、決して簡単ではなく、お客様に魅力を伝える販売者の努力を必要とします。ですので多くのファンがいる新しいスタイルのお茶屋さんに対しては、

 

尊敬しますし、私たちが勉強させて頂くことも多くあります。話はそれましたが、

 

では、合組とは何か?それはお茶を掛け算する技術です。また長年の勘所とも言えます。

 

(香り高く、伝統的な製法で製茶された京都・宇治茶)

 

(静岡県で栽培された、深蒸し茶で、太陽の恵みをたくさん浴びて、少し渋みを利かせたお茶。

 

この2つを掛けわせると・・・・どんな味になるのか????)

 

 

どこの産地とどこの産地を何割づつ組み合わせると、どんな広がりの味が出るか?さらに言えば、産地でもどこの地域、どこの畑?単位で考えて合組します。

 

もっと言えば、どこの畑の何月何日のものか?まで勘案します。

 

実は、お茶は新茶の時には「香りが良くておいしい!」お茶も、夏を越えて、秋になると、美味しくなくなるものがあります。

 

それは「秋落ち」と言われます。仕入れの際も、これを細かく見ます。ある種、賭けでもありそうですが、ここが長年の勘所です。

 

数値化できない部分でもあるかと思いますし、秋落ちしたかしないかは、仕入れから追ってないとわからないので、職人技とも言えます。

 

 

そして、出来あがった自慢のお茶は、どんな淹れ方をすれば一番良いか?どんな味がするか?どんなシーンで飲むと良いかなど、

 

 

お客様にお伝えしながら、また逆にお客様のお好みをお聞きしながら、いろいろとご紹介させて頂いております。

 

 

ですので、ただ<静岡茶1,000円>が並んでいたとしても、お茶屋によって味は全然違いますし、お客様は、自分の好みに合うお茶屋さんを探していただく、

 

 

というのもお茶の楽しみに一つかと思います。

 

 

しかし、結局は飲む方が「おいしい」と思って頂くことが、最大のゴールですので、私たちは、そこに向かって突き進んでいるというのが、お茶の仕入れでございます。

 

 

長くなりましたが、本年のお茶が皆様のお口に合うことを祈念しております。

 

 

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新茶の仕入れひとこま➁ 2024年5月

2024-05-08 14:46:23 | Weblog

前回、仕上げ茶までご紹介させて頂きました。

 

これは「荒茶」

 

よく<農家のお茶>などと言うネーミングで販売されていることがあります。

 

静岡県産の深蒸し茶の荒茶ですが、仕上げると1500円/100g以上の販売値になる上級品です。

茎が目立ち、形もまばらなのがお分かりいただけるかと思います。

 

これは同じ産地の「仕上げ茶」です。

同じく、1500円以上/100gの品質のお茶です。

白っぽい茎も粉っぽい部分もなく、比較的均一になっているかと思います。

 

5)仕入れ

 

私たちお客様に近い消費地の茶小売業者は、お客様にご紹介するために「仕入れ」を行います。

 

販売もいくつか流通経路があり、代表的なものは

1>生産家が自分で作ったお茶を、仕上げて、ウェブや店舗で売る【自園自製自販】

2>製茶問屋が自分たちの仕上げたお茶を店舗で売る

3>茶小売販売店が、仕上げ茶で仕入れて売る

4>茶販売小売店が荒茶で仕入れ、自社で加工する。

です。

 

1>のメリットは、流通経路が短いので価格が安い、個性が出せる、などがあげられます。

デメリットは、他と比べて出来が悪いこともある、品質が安定しない(量が限定的)など。

2>のメリットは、同じく流通経路が短いので比較的安価。色々な茶畑から選んで仕入れるので、取り扱い量もあり安定している

デメリットは、1>も同様ですが、所在産地のお茶だけになる。

3>のメリットは、全国各地の中から好きなお茶を選べる。茶の鑑定が出来る専門家が仕入れるので安心

       2>も同様ですが、茶師が合組(ブレンド)するので、産地の特徴の味ではなく、美味しいお茶が飲める。
デメリットは、セレクトショップなので、1>よりは割り増し。頑固そうな店主ばかりで店に入りにくい。などがあげられます。

 

茶小売販売店は、全国の取引のある製茶問屋から<見本>を何種類も送ってもらい、また現地に行き、お茶を拝見(鑑定)して、

自分の好みに合った、また自店のお客様の好みに合わせて仕入れをし、合組して自店の”味”を作ります。

ですので、おなじお値段、例えば1,000円/100gでも店によって味、風味が全然違います。

 

ちなみに、当店は「消費地問屋」という位置におり、茶小売販売と同時に卸売り販売(町のお茶屋さんに納品する)ことも行っている為、

仕入れも、自店のお客様のみならず、町のお茶屋さんのお好みを伺って仕入れも致します。

当店の商品の2割程度は、製茶問屋さんからの見本を厳選して、仕入れを致しますが、8割ほどは、茶師が茶産地に赴き、

新茶の時期に長期滞在し(現地の工場長、スタッフと一緒)「荒茶」から仕入れをします。

 

(静岡県にて荒茶を吟味中、その日の出来ばえを細かく審査して仕入れます。

たくさん拝見させて頂きますが、仕入れを決めるお茶はほんの一部です。

これは、いま一つ、味が乗り切らない畑・地域もありますが、他のお茶が全部悪いと言わけではなく、

当店のお客様のお好みに合わないという判断です)

毎日収穫される荒茶から、茶師の目に留まったもの、つまりお客様に自信を持って販売出来るものを選び、仕上げ加工方法も当店独自の

味覚になるように調整をしてお茶を作っていきます。

もちろん、お茶は嗜好品でございますので、お口に合う合わないはございますが、当店のお客様・町のお茶屋さんにご満足していただけるものをお届けする

お茶を選び抜いております。

 

これは<掛川茶>ですが、こういった袋に「荒茶」の見本が詰められており、生産家さんから持ち込まれます。製茶会社さんが値段を決め、

数量を仕入れて、自社の製品を作る一歩手前の段階でピックアップして買わせて頂いております。

シールは生産組合さんのもの(一部加工しております)組合名、入荷日、そして番号が振られておりますが、これは本年度生産を開始して何日目か?です。

一番右の黄色いシールの組合ですと、4月30日・1番茶・6日目となります。真ん中は7日目、左は4日目です。

 

深蒸し茶日本一の掛川のお茶↓本年も濃厚で濃いお茶です。

 

つづく

 

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新茶の仕入れひとこま① 2024年5月

2024-05-06 13:51:01 | Weblog

新茶の仕入れと言えば、「おいしいお茶を選ぶ眼」が必要ですが、そもそも「おいしいお茶」とはどんなお茶でしょうか?

 

 

定義があるようでないのは、”お茶のおいしさ”は好みだからということもあるのではないかと思います。


 

まずは、お茶がどのようにお客様の手にお届けされるか簡単に流れを追ってみたいと思います。

 

1)お茶を栽培する

 ある地域に茶畑を持っている「生産家」さんが、1年かけて丁寧にお茶を栽培します。

 ・もし丁寧に栽培しないと・・・お茶にうま味や力もなく、味もそっけもないお茶になってしまう。

 

 

2)荒茶に加工する

 「荒茶(あらちゃ)」とは、半製品。摘んだ茶葉を急いで加工するために工場に持ち込みます。

 だいたい、数軒の生産家さんが共同で工場を運営し、自分のお茶も含めて加工します。
 まずは(日本茶のほとんどは)蒸気で蒸して作ります。ここで濃く出る<深蒸し茶>、香りの立つ<普通蒸し/浅蒸し>に分かれます。
 これは、お茶の性格、地域の特性によって大きく差があります。蒸した後、揉んだり乾かしたり揉んだり乾かしたりを繰り返し
 「荒茶」を仕上げます。荒茶は、粉っぽかったり、茎があったり、形が不揃いだったりしています。

 ・もしちゃんと加工しないと・・・苦いだけのお茶、変な味のするお茶などになってしまいます。

 

 

3)取引

  ここまで作った荒茶は、JAや市場、仲買人と言われる人によって値段が付き、取引されます。

  この時点で買うのは、生産家さん(グループ)とは違う、お茶を”仕上げる”会社が買います。

 

4)仕上げ茶を作る

 買った荒茶は、茎や粉を篩(ふるい)によって分けられ、粉は粉茶、茎は茎茶になります。
 お茶のメインの葉は「本茶(ほんちゃ)」と呼ばれ、形を整えて(大きいの切ったりして)均一にして、
 「火入れ」という工程に入ります。お料理でもそうですが、形が均一の方が火の入り具合なども調整しやすいですね。
 ここで強火で火を入れると香りの香ばしいお茶が、弱火ですと新鮮味のある若々しい味になります。
 雰囲気がガラッと変わりますが、火を入れることで、乾燥度が増され、保管もしやすく、茶も傷みにくくなります。
 どんなに最高の素材でも、形の整えかた、火の入れ方で味が良くも悪くもなります。これも料理と一緒ですね!

 ・もしちゃんと仕上げしないと・・・焦げたようなお茶になったり、苦渋いだけのまずいお茶になる

 

つづく

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八十八夜 2024年

2024-05-03 17:50:34 | Weblog

立春から数えて八十八日

 

本年はうるう年で1日多かったので、例年の5月2日から1日早く、5月1日が『八十八夜』でした

この頃になると、お茶の摘採にもちょうどいい時期になるという昔からの言い伝えです。

 

 

八十八夜とは、季節の変わり目の<二十四節気>を補う役割として、農業や生活においても目安とされてきた「雑節」のひとつです

 

 

「八十八夜の別れ霜」などと言われるように、農業被害をもたらす「霜」の注意喚起や、種まきの目安などにも使われたそうで、

 

 

この時期にとれた新茶を飲むと「無病息災」などと昔から珍重されてきました。もっとも、季節のもの、”旬”のものですので、

これから夏に向けて私たちの体によい効果をもたらしてくれる成分・効能もありますので、昔からの言い伝えにはとても<>にかなっていると感じます

 

 

今年の新茶は、以前の投稿ではカンザクラの開花が非常に早く、ソメイヨシノも例年になく早い開花の予想が出ていました。ですので、

 

 

新茶のスタートもかなり早いと予想されていましたが、ご存知の通り、桜は例年通りか少し遅いくらい。

 

 

新茶も、少し遅めのスタートとなりました。ただ、最盛期は<八十八夜>にちょうどハマり、あらためて言い伝えの凄さを感じる年となりました。

 

 

ちなみに、「八十八夜に摘んだお茶が縁起がいい」と誤解をされる方も多いですが、本当はこの前後のことを指し、広い意味では「新茶を飲む」ことが縁起が良いということです。

 

 

本年の八十八夜、お茶王国・静岡県では豪雨の日。お茶摘みは軒並みお休みです。雨の日に摘んだお茶のことを私ども茶業者では「つゆっぱ(露の葉)」などと呼び敬遠されます。

 

 

濡れた状態でお茶を摘みますと、品質が低下、味も悪くなります。つまり値段もつかないので農家の方もお茶摘みをお休みします

 

 

しかし、雨後に気温が上がると茶も急激に成長が進み、うま味成分が弱くなり、柔らかい芽が大きく硬くなり取引価格も下がりますので、

 

 

仕入れ側としては、全体を通してどのタイミングで量や質のものを買って商品を設計していくか、天気と、品質と、相場とのにらめっこを続けるのが新茶期です。

 

 

肝心の味ですが、概ね良い品質の茶が多い年になったのではないかと思いますので、是非皆様方も、色々とお試しくださり、

 

 

お口に合うお茶を見つけて頂ければ幸いです。(同じ値段でも茶専門店によって味の傾向は全然違います。店主やその地域のお客様の好みによって風味は決めていますので)

 

 

最後に宣伝ですが、当店では、濃くてまろやかな「とろり茶」を看板にさせて頂いております。濃いお茶がお好きな方は

当店のお茶も比べて頂ければ嬉しいです

 

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極めて早い!桜の開花時期2024年

2024-02-28 12:05:54 | Weblog

♪春は名のみの風の寒さや・・・

 

風も台風並みの強風が続く、今日この頃いかがお過ごしでしょうか?



今は2月です。そんなことはあえて言わずとも良いことですが、

 

 

この写真は、現在の上野公園袴腰(はかまごし/入口)の

 

オオカンザクラの写真です。

 

比較の為12年前の辰年と比べてみましょう。

2012年3月の当ブログ

 

 

日付は3月22日。

 

 

つまり桜だけ見ると、もう3月です。

 

 

公園中央、お花見ゾーンのソメイヨシノです。

 

 

蕾の先が少し色づいてきました。

 

「今年の上野の桜はいつ咲くでしょうか?」クイズを毎年恒例、商店街では開催しておりますが、

 

 

これでは、応募、エントリー期間に咲きそうです。

 

 

今年はどうなるのでしょうか

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今日のアメ横2023年12月30日 晦日

2023-12-30 17:37:55 | Weblog

光陰矢の如し、早くも残すところあと31日を残すのみとなりました。

 

 

皆様方にとって良い年であったとお慶び申し上げます。

 

 

コロナ禍と言われる期間がひと段落つき、初めての年末を迎えたわけですが、

 

 

今日も多くの人で賑わっておりました。

 

 

12月29日

 

 

12月30日

 

いずれも日中は、にぎやかなアメ横が戻ってきたようでした。

 

夜は、お魚屋さんは早々に売り切れて夜は、仲間たちと賑わう酒飲みの方々が主役でした。

 

明日は大みそか最終日。最大お買い得日ですので、是非とも気を付けてお越しください。

 

スリも多発している様ですので、財布はしっかりしまい、カバンの口は閉めて

 

押し合わずに安全で安心なお買い物を

 

 

 

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新茶(4月に摘採された)を頂くの儀

2023-12-27 15:00:16 | Weblog
11月は茶道の世界で「茶人の正月」と言われ、5月の新茶の頃に頃摘採したお茶を、壺に入れて封をしたものを、開けて頂くという「口切り」という行事もあるそうです。
 
 
新茶の頃は、香りが良く、爽快感のあるお茶が楽しめ、またそんな季節でもありますので、静岡や関東では人気がありますが、京都界隈では皆さんあまり「新茶、新茶」と言われません。
 
 
実際、新茶の抹茶は全体のバランスが香りに振れて、味の深みが軽い感じもします。
 
 
そして、夏を上手に越えられれば、逆に越えられる力の強いお茶であれば、秋ごろコクと深みのある熟成されたようなお茶になっております。
 
 
なれなかったお茶、「新茶の頃は美味しかったのに・・・」みたいなものは<秋落ち>などと言われています。
 
 
ですので、宇治茶などはこの辺の熟成に重きを置いているのかも知れません。
 
 
で、私も一人、「口切りの儀」を行いました。
 
 
 
 
4月30日に摘採された、静岡県掛川市の東山地区という素晴らしいお茶が出来る地域のお茶で、「これは相当いいな~」というものを少量仕入れました。
 
 
まず、「秋落ち」に関して、全く問題なく、味に深みが増して自画自賛です。
 
 
次に、「火入れ」という製茶の工程でお茶の風味を決める重要なものがありますが、その火入れ温度です。
 
 
103℃、104℃、105℃、106℃と入れてもらいました。この数字は、そのお茶に対してですので、特に意味はありません。
 
 
103℃では、青臭さ・渋みが残りました。106℃ですと、少し香ばしすぎて、新茶の若々しさがなくなってしまう印象でした。
 
 
 
そして12月に試飲。
 
 
採用の104℃は、香りこそ少し落ち着いていますが、味わいは濃厚な新緑のうま味、茶畑が口に広がるようでした。
 
 
105℃はやはり普通。可もなく不可もなく。味わいはもちろん原料が良いのでとても良いです。
 
 
106℃、当時より少し「火が戻る」という落ち着いた印象でしたが、甘味とコクが増していて、もし、今の時点で設定するなら106℃だなという感じでした。
 
 
火入れをした際に、当店の責任者より「火を強く入れた方が秋まで持つよ」と言われましたが、確かに。
 
 
私どもお茶屋は、まず、よい原料を見極める⇒それは今だけか?秋以降も味が乗る力のあるものかで厳選します。
 
 
そして、その「火入れ」は、お客様にどのタイミングで飲んで頂くお茶か?さらに、お茶を味と香りで掛けわせて
 
 
合組(ブレンド)しますが、どこの畑とどこの畑が相性が良いかなど計算して設計していきます。
 
 
それを単発ではなく商品として、そして毎年同じような品質でお届けするように心がけております。
 
 
 
今回、若手の私は実験的に行っておりますが、当店のお茶は常に長年の経験と勘のある茶師が行っております。
 
 
 
引き続き、お客様にお喜び頂けるお茶作りを心掛けて参りたいと感じた次第です。
 
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晩秋の上野の特別展2023

2023-11-10 12:02:07 | Weblog

 

大変ご無沙汰しております。光陰矢の如し、熱い熱い夏が過ぎ、気温の変化が激しい時期を経て、ようやく秋と言える雰囲気になってきた今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?

 



気が付けば、上野の文化施設では芸術の秋真っ盛りです。

 

 

 

そんな中で、2つおすすめしたい特別展がございます。二つとも、現在、東京国立博物館で開催中です。

 

 

 

 

ひとつ目は「やまと絵」展です。

 

 

 

「やまと絵って何?」と思われた方、特別展ウェブサイトでマンガにて紹介してくれています。


 

 

◎ウェブサイトはこちらから東京国立博物館「やまと絵」展

 

 

 

今回、非常に多くの国宝が公開されており、昔?教科書で見た本物があり、それをだけでも見る価値がありますが、


 

 

全体的に、とても優美で美しく、華やかです。平安時代の貴族の文化ということもあるでしょうが、とても幸せな気分になります。

 

 

 

そして、当時の人々の営み、活き活きとした生活が垣間見れ、日本の文化の源流が今も連綿と続いていると感じることが出来ます。

 

 

 

「病草紙」という色々な病気の一場面。当時から現代と同じように病に苦しむ姿や、「住吉物語」というシンデレラのようなストーリーの一説、

 

 

 

願いを込めた写経、紫式部の日記、なんとなく面白い絵巻物、思いのほか笑顔の挿絵が多かったのに驚き、1000年も前ですが、とても親近感をおぼえました。

 

 

 

貴重なものを粛々と拝見するというより、もっと豊かな感情が溢れてくる、とてもハッピーな特別展です。

 

 

 

 

もう一つは、本館で開催中の「南山城の仏像」展です。

 

 

南山城仏像展ウェブサイト

 

 

南山城とは、京都から東南にある山間のエリア、宇治茶の主産地でもあります。

 

 

 

ここでは、京の都の喧騒を離れて修行に励むために、ポツンポツンとお寺が点在しております。

 

 

 

そこには、非常に細かくやわらかな表情の御仏さまがいらっしゃり、今回はその仏様が一堂に会した特別展です


 

 

たまに仏像展がありますと、会場内にたくさんの有名な仏像が展示されるわけです。

 

 

 

(あくまでも個人的な感想で不敬ですが)空気が重たいな~と感じることがあります。

 

 

 

仏像は、長い歴史で色々な方の願いや思い、悲しみ、祈りの対象であったわけですから、きっと魂が入っているのだと思います。

 

 

 

そんな魂のこもった仏像が何十も美術品として展示されるわけなので、色々な「気」みたいなのが渦巻いていくのかな~と思いますが、

 

 

 

なんのスピリチュアル性も霊感もないので、なんとなくの感想です。

 

 

 

しかし、今回の南山城の仏像展は、一言で表すと「静謐」とても清らかな空間でした。そして、仏様の表情も穏やかでやわらかく親しみがあります。

 

 

 

きっと深い山で修行する人たちの心の状態、南山城の空気がそうさせているのかも知れません。貴重な機会ですので、ご興味があれば見応えがあることは間違いありません。

 

 

 

本館の小さな会場です、やまと絵展の「展示数」などと比較すると、入場料が「ちょっと高いかな~」と思わなくもないですが、入場者は結構多く、平日でも混んでいて

 

 

貴重な機会ということの人気がうかがえます。

 

 

こちらは、今週末までです。入場予約などはいらないようです。

 

 

いずれも中学生以下は入場無料ですので、親御さんは是非ともお子様連れでお越しください。(尚、「やまと絵」展は、土日は入場予約が必要です。無料のお子様でも予約が必要です)


 

秋の上野にお越し頂けるのをお待ちしております。

 

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