「縁は異なもの味なもの」とは男女の間の例えでよく使われますが、
その夜は、そんな感覚。おしゃれな言葉で言えば「セレンディピティ」(素敵な偶然)とでも呼びましょうか。
12月の夜空でもみようかと、国立科学博物館の夜空の鑑賞会を申し込み、現地に行ったところ、あいにくにも曇り空で
入口に「本日中止」の文字が
仕方がないので、東京都美術館で開催中の「コートールド美術館展」が夜間開館(金曜日)しているので、また観に行こうと
東京都美術館に入り、「さあ!」と思ったところ、サンタクロースの帽子を被った方々がいらっしゃり、声を掛けて頂きました。
聞くと「無料建築ツアーをやっていて30分程度です」とのこと。ま、いっか!と参加させて頂くことにしました。
とびらプロジェクト
上野公園で建築といえば、何と言っても「世界遺産 国立西洋美術館」でご存知、コルビジュエの設計です。
そして、その正面にコルビジュエの弟子・前川國夫がが設計した「東京文化会館」があります。
そして実は、東京都美術館もこの前川國夫の設計だそうです。文化会館は50代、こちらは70代のころの「作品」だそうです。
普段行く時も、なんかシャレた建物という程度の認識でしたが、建築の意図を拝聴すると、いや~すごい。
こだわりが細部にまであり驚きました。
まず、外壁。何もない3匹の子豚に出てきそうな茶色のレンガのようですが、「打ち込みタイル工法」というものらしく、すごい。
デザインも見てください。この真ん中の穴。ただの穴ですが。全体を見るとすごいアクセントとして利いていてかっこいい。
ただの館内らせん階段かと思いきや、下から見たらなんと「おむすび型」
館内から外を見たら、「ベルサイユ宮殿」の鑑の間のごとくのデザイン。
また館内の配色も鮮やかです。
そして、1階のアートラウンジのイスとテーブルも、おむすび型をしており、
たくさん並んでいますが、「お値段以上ニトリ」や「大塚家具」で売っているようなものではなく、北欧デザインの高級美術品。
あまりにも気軽な感じなので、言われないと気が付きませんでした。
そして、美術館の敷地に入ると一番最初に目に入る大きな銀のボール。
子供のころから、ただののぞき穴で、多くの人がのぞいております(笑)
これは「井上武吉」という芸術家の作品です。
この作品は、見る角度、どこでも自分が中心にくる、ということと、
実は、12月8日の正午の太陽の光(井上武吉の神奈川県のアトリエ)をあらわしているそうです。
ですので、下の台座は、影なんです。
この話を聞いたのが、12月6日。ぜひ行くしかないと思い、12月8日、正午を予定していましたが、
すっかり遅れて1時ころになってしまいました
これがその時のです。少しずれましたが、陽の光が確かに穴を通ってました。
とても感動しました!!
孔子の言葉に「学びて時にこれを習う、またたのしからずや」というものがあります。
まさにこの感覚です。かね。
特に何も用がなくても、上野を、上野公園を散策するだけで、多くの芸術に出会え、
そのたびに、新たな、季節の感動を与えてくれます。
ぜひとも、特別展やご用のない時こそ、ゆっくり上野にお越し頂けることをお勧めいたします。
冬も上野で素敵な時間をお過ごしくださいね