いつものようにポストを開けると、黄色いチラシが入っていました。
「おいしい緑茶の入れ方」と題した建設会社のポスティングチラシ。
(チラシでは入れ方、NHKでは「いれ方」となっていました。急須から湯呑みに
お茶を注ぐ時は「淹れる、淹れ方」という漢字を使います。
もちろんお茶だけではなく、テレビで気になった話題が書いてあり、
とてもいい、感じのいいチラシですが、なぜお茶屋のポストに・・・
<日本茶インストラクターのパーティーで出されたお茶の氷り出し>
内容は?というと、先日放映されたNHKの「あさイチ!」の「緑茶の達人」特集のもの。
チラシから抜粋すると・・・
*おいしいお茶は氷だし!
*なぜおいしくなるのか?
→低温で入れるとカテキンが出にくくなりアミノ酸、テアニンがたくさん溶け出す。
*使う茶葉は?
→出来たら煎茶。玉露など高級煎茶だとさらにおいしさが引き出される。
氷出しにするとカカフェインも抑えられ、逆にテアニンがたっぷり溶け出す。
*緑茶の効果
→掛川市はがんの死亡率がトップクラスに低い。氷出しだと、カフェイン控えめで
リラックスできる成分、テアニンが摂取できるのが嬉しい。
このチラシでは、いくつかの補足が必要になってしまいます。
まず、「がんの死亡率」から見ますと、がんに効果があると研究されている成分は、
「カテキン」です 要するに、この効果を期待するなら、氷出しよりは、熱湯で淹れた方が
効果が高いことが言えます。(苦み・渋み=カテキン)
また氷出しをするとうま味がアップするかのようにありますが、
うま味成分の含有量はお茶の種類・品質によっても違います。
車で例えるなら、軽自動車でフェラーリのような走りを期待するようなもの(違うかも知れませんが)
番茶を氷り出ししても、うま味は期待できませんし、逆に玉露を熱湯で淹れても
渋みや苦みは楽しめません。
お好みですが、お食事の際に、うま味の強い氷出しのお茶が飲みたいか?と言われたら
個人的にはあまり飲みたくない気がします。
(インパクトととして感じるにはいいですが)
ですので、お食事の際はちょっと渋みのきいた煎茶が飲みたくなりますし、
お休み前はほうじ茶、などと茶種で使い分けるのが一番いいのかな~とも思います。
(デートの時はフェラーリ、お買い物は軽自動車など・・・極端ですが)
カテキンなどの渋み成分は80度より温度が高いとよく出ると言われ、
テアニンなどのうま味は、温度に関係なく浸出時間(待つ時間)が長ければ長いほど出ると言われます。
お茶のおいしい淹れ方は、そのお茶がどんな特徴があって、
どんな温度で、どれだけ待つとおいしく淹れられるか、考えながら淹れることです。
また相手の状態によって、それを即座にこういったものを調整するのも、お茶の楽しみの一つです。
(旦那様に、今日の夕食はちょっと塩分が強かったから濃いめに淹れてあげよう。とか、
妻は最近疲れてるから、リラックス出来るように低い温度でじっくり淹れてあげようなどなど)
そうです!!本当のお茶の達人はあなたです。
氷り出しも含め、熱湯だしなど、色々な淹れ方を試されると
またお茶の楽しみにが増えると思います。是非お試しくださいね