6月。山間地などの遅い場所の新茶も完全に出揃い、早い産地では、もう2番茶(新茶の後に出てきた芽を摘むお茶、新茶を摘んで後、だいたい一カ月半後頃)の便りも届き始めました。
そんな中で、ペットボトル茶の雄・伊藤園の「お~いお茶」の新茶をスーパーで見つけましたので、少し試飲をしてみようと思います。
店頭に並んだ時期は、ちょっと不明ですが、以前4月の初旬に発売されていたこともあり「まだほとんどお茶も採れないのに、どんなお茶使ってるんだろう?」と疑問に思ったこともありましたが、
この時期に売り出しているのであれば、適正な時期ではないかと思います。
以下は、当店の「茶審査技術八段」の者が拝見、試飲させて頂いております。
↓↓さすが、高級感のあるパッケージです。
みずみずしさ、新茶の爽やかさより、重厚感を感じますね。
「お~いお茶」というと雰囲気がいいですが、
ローマ字にすると、「Oi Ocha」なんですね。
「おい!お茶」
昭和の旦那様でしょうか?令和なら離婚モノですね
むしろ令和は、旦那様がお茶を淹れる時代です。
僕が、伊藤園で、今なら
「お茶入ったけど、よかったら飲んでね!」という商品名になりますね。
水色(お茶の浸出液)は、薄い黄金色です。
我々が行っている「全国茶審査技術競技大会」で、この水色のお茶が出てきたら、
「宇治茶」と答える雰囲気の色合いです。
つまり、煎茶っぽい雰囲気です(深蒸し茶ではないですし、少し青みがある緑の静岡系や鮮やかなグリーンの強い九州系でもない)
ただ、色の度合い、色味は薄い感じはあります。
味は、とてもスッキリしています。最近の「濃い目」のトレンドからすると、
やや薄く感じますし、定番の「お~いお茶」よりもスッキリしている印象です。
ペットボトル茶に多い特徴づけとしての「火香(ひか)」も感じません。(ペットボトル茶ではプ~ンと若干芋くさい雰囲気)
↑感じないのは悪い項目ではありません。火香を抑えて瑞々しく仕上げるか、火入れを強くして、キリっとドライな感じにするか(個人的印象)は、好み次第です。
後味は、やはりスッキリしておりますが、ちょっともやっとしたペットボトル茶独特の後味があります。
↑個人的にはこれはあまり好きではありません。急須で淹れるお茶は、後味が残っても、どのお茶も爽やかさや特徴がありますが、ペットボトル茶の後味は、もやっと芋くさい感じを感じます。
もちろん、これが好きな方もいらっしゃるかと思いますし、これがあることがお茶である証左でもあるのでしょうが。
「お~いお茶 新茶」
点数80点
味 ☆☆☆★★
香 ☆☆★★★
バランス☆☆☆☆★
寸評・取り立てて差別化があるわけでもなく、全体としては薄い印象ですが、食事なども「邪魔しない」という点でペアリング出来ますし、暑い日に飲んでも嫌みがないので良いと思います。
「急須で淹れたような・・・」を目指すと、正直、異次元の物足りなさになり、主張がしつこさになることがありますが、そんな中でもこのお茶は
ペットボトル茶の中でもクセがないので飲みやすい印象です。まあ、さすが安定の伊藤園といったところでしょうか。
以上、ご高覧ありがとございます。(上記はあくまで個人の感想ですのでご了承をお願いいたしますm--m)
茶葉市場が減少傾向にあるということで、ペットボトル茶もそろそろ頭打ちというお話もありますので、
大手各社もマーケティング・商品開発に様々な工夫が施されております。
そういった面も含め、楽しみながら、ペットボトル茶も(急須で淹れるお茶もね)味わっていただければと思います。
ちなみに、吉岡里穂さんが実際にペットボトル茶「〇鷹」を入れてくれたら、きっとそれは相当おいしいと思います(キッパリ)
皆様も、是非ともこんな時代だからこそ、大切な方とお茶でも一杯、ゆっくりとお飲みくださればと思います。