不滅の法灯(再現/館内)
秋も深まってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、現在、東京国立博物館では、特別展『最澄と天台宗のすべて』が開催されております。
「最澄」「天台宗」と聞くと、学生時代を思い出し、「あ、空海と一緒に出てきたお坊さんね、そう高野山ではない、アレ、、、そう、信長に焼き討ちされたとこだっけ?」
という会話が定型文の交わされる最澄です。ちなみに山は「比叡山(ひえいざん)」です。
考えてみると、少しマイナーなイメージですが、今回あらためてこの特別展をみると、どなたかがおっしゃられておりましたが、
「日本仏教の母胎」とは、言いえて妙、日本の歴史・文化に深くかかわっていたことがわかりました。
浄土宗、浄土真宗の法然、親鸞も日蓮宗の日蓮も、我々日本お茶業界の恩人でもある栄西も、皆この最澄の天台宗の系譜の中にあります。
そして、何より上野という地、つまり寛永寺も天台宗。東の比叡山ということで「東叡山」という山号がついており、
創建は徳川家康・秀忠・家光と三代の将軍に仕えた天海僧正です。
ですので、今回、最澄の座像や肖像画、秘仏が国立博物館のあの地にあるということは、歴史的に見ても一大イベント、
開祖を寛永寺にお迎えした一大イベントだと言っても過言ではないかと思っております。
そして、実際の展示品は非常に多くの「国宝」や歴史的遺産が拝見でき、見ごたえ満載です。
ただ、残念なのは、毎回そうですが、仏教系、仏像系は、よほどの目玉がないと地味な感じになってしまい、
爆発的な人気が出にくい印象があります。しかし、その分、展示品は相当充実しています。
現在、事前時間予約となっておりますので予めご予約をお勧めいたしますが、先日、平日の10時頃行ったところ、
当日券もありすぐに入場出来ましたので、お近くをお通りで「ちょっと見てみたいわ」と思われたら、
行ける可能性もあるかと思います(確実ではございませんが、平日なら)
そして、個人的にノーマークでしたが、東洋館地下一階では「空海 祈りの形」と題して、
ミュージアムシアターで上映中です(有料)。
これは、面白いです。何が良いかと言いますと、VR画像をスクリーンで見るのですが、
解説・ナビゲーションをその場にいるナビゲーターがアナウンスしてくれます。肉声で!
テレビのように、画像に音を録音すればよいのですが、このナビゲーターの語りが非常に良い。
特に面白いことを言うわけではないですが、無声映画のように引き込まれます。
個人的には、このナビゲーターの解説を聞きにもう一度行きたいと思うほどです。
公園の木々も色づいてきて、よい季節となりました。是非とも、上野で”芸術の秋・文化の秋”をお楽しみいただければ幸いです。