秋真っ盛り、上野公園の木々も色づき始めて、当地では、ゴッホやコートールド展、ミイラ展など芸術の秋、文化の秋、また朝晩はランニングしている方や野球場で野球をするひとなどなどスポーツの秋を感じる今日この頃です。
また、上野界隈ではおいしいものも多いので、食欲の秋を堪能されている方も大勢見受けられます。
お茶、日本茶もいよいよ「おいしく」感じる季節となり、ホッとする一杯を求めて、当店にお客様がお越し頂いております。
お茶の美味しさとは何かな~と、ふっと考えてみました。
お茶の味は、多くの成分が複雑に混ざり合って調和しておりますが、大きく分けると「うま味」「苦み」「渋み」に分けられます。
うま味と渋みは、反比例し、うま味が強ければ渋みは少なく、渋みが強ければうま味が多いというのもお茶の特徴です。
ですので、濃厚なうま味を楽しみたければ玉露や上級煎茶、さっぱりした渋みを楽しみたければ、番茶やお買い得なお茶という買い方が出来ます。
そのバランスが取れたものが煎茶になります。様々な価格帯のお茶を審査するに、値段的には1,000円/100gくらいにそんなお茶が多いかと思います。
また、産地などによっても濃いめだとかスッキリ目だとかいろいろありますので、お茶屋で聞いていただければお好みをお探し頂けると思いますの、
是非とも専門店にお越し頂きたいと願っておりますが
さて日本茶の品質は、通常4つの観点から審査されます。(品評会などでなくとも、みるポイントはほぼ同じです、重きをおく比重はお店次第ですが方向性は一緒だと思います)(抹茶には、別の項目がありますので厳密ではありませんが)
①外観・・・お茶の葉の手触りや、ツヤなど
②香気・・・お茶に熱湯を注いだ時の香り
③滋味・・・味、うま味や渋みなどなど
④水色・・・お茶の葉を熱湯で注いでお茶の葉だけを取り出した時の、お茶の色(浸出液の色)
で、そうすると日本茶というお茶のジャンルの中で評価の高いもの、品質の良いものは、自ずと決まってきます。
こういった、評価方法とは別のものとして評価されたり、茶業者、専門家だけでなく一般の方にも入ってもらって評価をするのが
今月末に渋谷で行われます「日本茶アワード」です。
しかし、これも途中までは日本茶の専門家が選り分けるので、多少のバラエティーはありますが、まあまあそんなとこね、というお茶に落ち着くというのが
なんとなくの感想です。(あくまでも個人の感想です)
前置きが長くなりましたが、ここから本題です。
先日、ベトナムのハノイに行かせてもらう機会がありました。
イメージは「社会主義国、とんがり帽子、アオザイ」というくらいで、訪日外国人の「サムライ、着物、ちょんまげ」とほぼ変わらい程度です。
が、しかし、街こそ「3丁目の夕日」的な部分も残しつつ、とんでもなく大きな高層ビルが多く、人も優秀で勉強家の方が多く、かつ
エネルギーに満ちている「これからの」国という印象に変わりました。
そして、食事がとてもおいしい!我々日本人に合う、微妙な奥の深い味が出ていて、大変驚き、とても食べやすかったです。
また、お茶は「蓮茶」という、わりと苦めのお茶が名産でありますが、緑茶も有名産地があり、お茶の国でもあります。
この緑茶、正直、上記の4つの日本茶の項目に当てはめると、たぶんレベル、ランクは下位になると思います。
が、しかし、「味」があるというか、本当に「おいしいな~」と感じました。
料理はともかく、お茶は一応プロフェッショナルでさせて頂いておりますので、お茶の味の善し悪しが
多少わかる、私が飲んで「おいしい!」と感じるので、自信過剰のようですが、美味しいんだと思います。
しかし、このおいしさはどこから来るのか?日本茶の特徴の「うま味」とは違う、うまさの秘訣、
それは何なのか?今回は、茶畑に行く機会がありませんでしたので、次回は、その原因を探って参りたいと思います。
まったくしまらないまとめになってしまいましたが、同じおいしさでも、アプローチの仕方が違う、
登山で言えば、頂上は同じでも登山道が違うこの味の体験を活かして、より一層、「おいしいお茶」を追求して
参りたいと思う次第です。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
(洗面所の手洗い。レバーを倒すと水が湧いてくるような感じの蛇口。オシャレです。)