季節の「うえの」

上野周辺の四季折々の見所や、地元民ならではの楽しい情報を中心に、日本茶に関する話や明日から使える?発見をお届け致します。

西郷どんと西郷さんの間に

2008-08-26 16:13:48 | Weblog
先週までの暑さがウソのように、涼しい日が続いておりますが、

皆様如何お過ごしでしょうか?


むかし、学校で「びとうぃ~んAあんどB」という英語を習ったのを思い出されます。

上野の西郷さんと、鹿児島の西郷どんの間にある大都市といえば「大阪」ですね。

前置きが長くなりましたが、茶坊主初めて大阪に行くの巻です。


天下分け目の関ヶ原で、味の嗜好も、エスカレーターの立つ位置も変わると言われておりますが、

お茶の味もおおまかに「関西風」と言うことで、味の雰囲気も違ってきます。


全部ではないですが、お茶の栽培方法も日光を少し遮って、渋みなどを抑えて

栽培して、お茶の水色も薄い山吹色のスッキリとしたお味がお好みのようです。



<左が京都宇治茶・右が静岡深蒸し茶>



<京都宇治茶の産地・和束町の茶畑>




そして、日光を遮る為の「寒冷紗(かんれいしゃ)」が準備されている茶園。



お茶の成分は、当然ですが、土から茎を通って、葉っぱにやってきます。

この葉っぱにきた成分は、日光を浴びることによって変化して、

おいしいお茶になります。日光をたくさん浴びると、渋みなどが増していき、

日光を一定期間遮ると、うま味成分が凝縮したような味になります。


玉露などは、お茶の葉を摘む2週間くらい前から、徐々にまっ暗にしていきます。

お抹茶も同じような感じで栽培されます。また、このような高級なお茶の種類は、

わらで覆いを掛けて、風味を引き立ててつくります。

また、味も<うま味>を重視することから、よくご存じの

「やぶきた」品種ではなく、別の品種を使います。(例 あさひ・ごこう・こまかげ、などなど)


逆に、たくさん日光を浴びて栽培されたお茶が番茶です。

通常の煎茶は、うま味、渋み、苦みのバランスがちょうどいいところで

摘んで、清々しい香りと爽やかな味のお茶が出来上がりますが、

ここで少し関西風(スッキリとうま味重視)にしたい時に、煎茶でも

この寒冷紗を1週間以内くらいで日光を遮ったりします。


産地によって遮る日数で味を変えたり、また畑の土の違い、気候の違い、

作る人の好みの違いなどで、味も全然違ってきます。

(上記の深蒸し茶と宇治茶の写真のように・・・ちなみに同じお値段です)

また各お茶専門店の主人の好みの違いで、最後のブレンドの仕方も違ってきます。




どのお菓子に、どのお茶を合わせるか?

どのような場面でどのお茶を、どんな温度でどんな淹れ方をするか?

お茶の楽しみは千差万別です。


最近では、お茶王国静岡を追い越す勢いなのが、鹿児島県です。

西郷さん、篤姫さまの故郷鹿児島と活躍の場、江戸東京。



びとうぃーん さいごうどん&さいごうさん。

みなさんはどちらがお好みですか??

関東風?関西風??
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茶坊主、満喫。

2008-08-17 17:43:09 | Weblog
こんにちは

昨日、上野でも突然の豪雨が降り、ムシムシした暑さが一気に涼しい風へと変わりました。

今日も、一日雨

世間様では夏休み最終日の方も多いようで、上野の街も賑わいつつもいつもの9割くらいの

人出といったところでしょうか。


何かと暑かったこの夏を振り返り、涼しくなった空気にほっと一休みすると、

おいしいものが食べたくなってきます。

そこで、雑誌やグルメな方などの間で人気のお取り寄せ「和スイーツ」

みはしの「あんみつ」を買ってきて食べました。

あんみつ「みはし」


「みはし」は言わずと知れた上野の甘味の老舗です。

濃厚な黒蜜と寒天が絡み合い、また黒蜜が濃厚だからか、すこしあっさり感のある

あんこ。しかし、単独であんこを食べても美味。なんといっても寒天の硬さが

絶妙だと僕は感じます。

そんな極上のおやつを食べつつ、自ら抹茶を点てて服すれば、

まさに「余は満足じゃ」の世界です。


よく女性が、チョコレートを食べて「幸せ~」というように、

甘いものが与えてくれる癒しって、きっとあるんだな~と思いました。



すこし疲れがたまるこの時期。上野でおいしいものをあつらえてみては

いかがでしょうか?


また明日からの仕事が楽しくなってきます♪


お待ちしております
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<フェルメール展>始まる@東京都

2008-08-08 18:33:46 | Weblog
今月2日から待望のフェルメール展が、上野公園内の

東京都美術館ではじまりました。(都美HP内混雑状況もあり↓)

東京都美術館<フェルメール展>


上野の空は、それを迎えるかのようなフェルメールの画と同じ空の色です。



僕もいきなりは大混雑をするのではないかと思っておりまして、

入り口付近にはスタッフも配備され万全の準備です。

朝早くから多くの人が訪れ、人気展らしく混雑しております。

しかし、大行列3時間待ちというような感じではありません。


たぶん、これだけの暑さ、外に出るのも嫌な状態です。

またこの特別展は期間も12月までと比較的長めなので、まだまだ

スロースタートといった感じでしょうか?


見るなら今がチャンスです。


対決展の混雑状況の時にも、書かせて頂きましたが、会期の最初がやっぱり

見やすいんです。きっと秋口あたりから更に混雑してきますと予想されます。

学校がはじまりだす、「9月とかの方が空いてるんじゃない?」と思われますが、

逆にそういった季節になると、全国各地のおじさまおばさま方が、どっと

いらっしゃるので逆に夏休みより混雑する傾向にあります。

今回のフェールメール展は、今後も日本で開催されるのが困難なほどの規模だと

言われており、まさに蔵出し秘蔵の「個人蔵」作品なども初公開され、

学術的にもとても貴重な数ヶ月になると専門家も言われるほど・・・


暑い日が続きますが、この日差しの中、光の画家の作品をたしなむのも

一興かと・・・

ぜひとも上野にウェルカム

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対決ー巨匠たちの日本美術@東京国立博物館

2008-08-01 18:25:02 | Weblog



今日から8月。

いよいよ夏休みも本番の頃を迎えました。


以前もご紹介した東京国立博物館で絶賛開催中の

「対決ー巨匠たちの日本美術」のまずは混雑状況ですが、

これからは分かりませんが、平成館の前に行列が出来るまでには

なっていないようです。(平日お昼頃です。でも混んでます)


なぜか??

作品ごとに会期が違ったり、尾形光琳×俵屋宗達の

「風神雷神屏風」対決が8月11日~17日までというまさにこれから

だからなのかも知れません。

では、「対決展中身はどうなの?」「暑い中せっかく行ったのにガッカリ・・・」と

危ぶむ声もあるかと思いますが、「危ぶむ無かれ、行けば分かるさ」です。


ハッキリ言わせて頂きます。

「日本国内今年度最高の特別展」といっても過言ではありません。

いや、むしろ言っちゃいます。

「日本美術史上、最高の企画展」と豪語したいと思います。


本当に素晴らしかった。こんなに作品を見て、自分の中から沸き上がる

気持ちを感じることが出来るなんて


まず驚いたのは、どの時代の大芸術家にも必ずと言っていいほど、ライバルがいたということです。

また越えたい存在があって、先輩に学んで、時流を感じて作品を紡いでいたことです。

そういった思いを込めて作られたであろう代表作とも言える作品達が

本当に対決しているかの如くすごいエネルギーを感じます。

本で見るよりも、ポスターで見るよりも、とてもエキサイティングです。


雪舟の山水画、近くで見るのと、少し離れて見るのでは印象が違うのはご存じですか?

応挙の虎と、芦雪の虎、実際のサイズで、座った位置で見た時、本当に虎が出てきそうという感覚、お分かりになりますか?

しょうはくの狂気とも言うべき芸術感覚、現代にも通じる強烈なデザインの若沖、

長次郎の思い、光悦の芸術などなど、そこには日本美術の大偉人というよりも

日本の心を持って生きてこられた、人間くさい日本人の姿がありました。


そんな思いの作品に触れた時、同じ日本人としての遺伝子が時間と空間を越えて響き合った感覚がしました。


日本という素敵な国に生まれて、素晴らしい文化があり、そこに住むことが出来ている喜びとして、


是非多くの人に見て頂きたい特別展です。

あと半月ですが、是非とも上野にお出かけください。


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