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樫の法則1~自然の摂理

2010-05-18 01:01:01 | 牝馬の法則
【オークス血統傾向過去20年】

1.SS系:父5-9-3/母父1-0-1
 そのファーストクロップをクラシック戦線に初めて送り込んだのが95年。牡馬では、皐月賞、ダービーでワン・ツーを決めたSS産駒。牝馬では、ダンスパートナーが桜花賞で2着に入り、続くオークスを制した。すわSS産駒の天下が到来かと思いきや、その後3年間は3着以内にも入らず、99年から4年連続2着と勝ち切れない年が続き、2勝目は、03年のスティルインラヴまで待たなければならない。
 まさか、SS産駒のために馬場を改修したわけではないだろうが、馬場改修後の03年以降、父SS系は4-6-3、母父1-0-1と、全成績のほとんどをこの6年間で稼いでいる。
 どうやら、SS系には逆らえそうにない雰囲気だが、案の定、登録馬24頭中SS系を持つ馬は18頭もいて、いつものように絞り込むのに一苦労しそうだ。

 しかし、SS系が大活躍する一方、SS産駒がデビューする前に活躍していた「昔の名前」が、最近でもチラホラと目に入るのが気になるところ。

2.グレイソブリン系:父5-1-3/母父0-0-1
 SS系と同じ5勝をあげ、近年でも07年ローブデコルテ、08年トールポピーのV2があるグレイソブリン系。なかでも、その成績のほとんどを叩き出している4-1-2のトニービン・ラインは必ず押さえておきたい。「府中のトニービン」とは使い古された格言だが、まるでオークスのためにあるような格言である。

☆アプリコットフィズ…ジャングルポケット×SS


☆ギンザボナンザ…ゼンノロブロイ×トニービン
(桜花賞)


3.ニジンスキー系:父1-0-1/母父2-3-2
 昨年ワン・ツーを決めたカーリアンをはじめ、マルゼンスキー、ボールドスキーなど、こちらもまた昔ながらのオークスゆかりの血統である。また、2勝を上げているスペシャルウィークの母父もマルゼンスキーである。登録馬中、字面で同系統を持つ馬はいないので、ここでは同系統を内包している馬をピックアップしておく。

☆ステラリード…スペシャルウィーク×ザフォニック
☆モーニングフェイス…スペシャルウィーク×サドラーズウェルズ

☆ショウリュウムーン…キングカメハメハ×ダンスインザダーク(母父ニジンスキー)


4.非SS系
 重箱の隅を突いてはみたものの、グレイソブリン系とニジンスキー系でピックアップした馬は、SS系の血を引いている。やはりSS系を無視するのは無謀ということなのか?
しかし、あくまでも過去の傾向での話で、決して未来永劫この傾向が続くとは限らない。否、続くはずがない。どこかで必ずブレイクスルーの年が来る。そして、それは今年のような気がしてならない。現に桜花賞では、父にも母父にもSS系を持たない馬が1~3着を独占した。

 この理由は、ある程度推測できる。
 牡馬クラシック戦線では、非SS系、特にキンカメ産駒であるローズキングダムに密かに期待していたのだが、ダービーでの有力どころはいずれもSS系で、どうも雲行きが怪しくなってきた。皐月賞ではSS系がワン・ツーフィニッシュ、先のNHKではSS系が1~4着を独占。おそらく1着となった馬は種牡馬入りし、SS系の枝を三代目にまで伸ばすことになるだろう。
 となると、その配合相手は自ずと非SS系に限られてくるのだが、今の繁殖牝馬はSS系の血を引く馬ばかり。種牡馬も繁殖牝馬もSS系だらけで、関係者は頭を抱えている。父SS、父二代目SS系はもちろんのこと、母父SS系との配合は余りにも危険過ぎる。確かに、近親配合は名馬誕生のエッセンスの一つではあるが、それでも3×3が限界点。このままいけば、「血の袋小路」に迷い込むことは目に見えている。まずはSS系を持たない牝馬が活躍し、SS系種牡馬の受け皿として繁殖入りする。そして、牡馬の間にも次第にSS系以外の波が押し寄せる。これが自然の摂理というものではないだろうか。

 かつて、天才はこう言った。

自然は人間の間違いを、時に制限し、そして排除する―by フェデリコ・テシオ

=つづく=