有馬記念の前々日前売りオッズが、おかしい。
オルフェーヴル 2.4 1.1 - 1.2
アーネストリー 3.8 4.6 - 10.8
ブエナビスタ 4.3 1.1 - 1.5
ヴィクトワールピサ 12.6 2.6 - 5.8
トーセンジョーダン 15.8 1.9 - 4.0
レッドデイヴィス 18.3 3.2 - 7.2
エイシンフラッシュ 34.6 5.9 - 14.4
ヒルノダムール 41.0 4.4 - 10.5
ペルーサ 42.1 4.4 - 10.4
ルーラーシップ 50.5 6.5 - 15.7
トゥザグローリー 54.6 3.8 - 8.8
ローズキングダム 70.4 7.1 - 17.3
ジャガーメイル 96.7 8.8 - 21.7
キングトップガン 127.7 14.1 - 35.1
そこそこ人気にはなるとは思っていたが、ブエナビスタを抑えアーネストリーが2番人気。それはいいとして、おかしいのはその複勝オッズ。オルフェとブエナの複勝は1.2倍~1.5倍なのに対して、アーネストリーのそれは4.6倍~10.8倍と、なんと単勝よりも高い。
関係者が頭あってヒモなしの情報を元に、単勝にまとめて票をぶち込んだのか?どうかは分からないが、このオッズは異常。明日以降、まとまなオッズに落ち着いていくのだろうが、今後の動向に注目。
それはさておき、有馬記念。
■血統傾向■
昔ロベルト系、今SS系―
94年以降、BT系のナリタブライアン、マヤノトップガン、シルクジャスティス、シルバーホーク系のグラスワンダー、そしてクリスエス系のシンボリクリスエスと、ロベルト系が5頭合計7勝の大活躍を見せていた。
が、01年以降の過去10年では父SS系が【8-5-9】で、父にも母父にもSSの血を持っていない馬は、アメリカンボス、シンボリクリスエス、タップダンスシチー、アドマイヤモナークの4頭しかおらず、今やSS系の血は有馬記念のマスト血統となっている。
■勝ち切れない血統御三家■
SS系の配合相手で、まず目につくのが【1-1-4】の×ノーザンテースト(NT)だが、これはダイワメジャー、ダイワスカーレット、エアシェイディの3頭によるもの。そして、このノーザンテースト系を持つ馬というのは、実はなかなか勝ち切れない傾向にある。
★ノーザンテースト系を持つ馬の成績【1-3-7】★
88年3着サッカーボーイ…母父ノーザンテースト
90年2着メジロライアン…父アンバーシャダイ
95年3着、97年3着エアグルーヴ…母父ノーザンテースト
98年2着メジロブライト…父メジロライアン
06年3着、07年3着ダイワメジャー…母父ノーザンテースト
07年2着、08年1着ダイワスカーレット…母父ノーザンテースト
08年3着、09年3着エアシェイディ…母父ノーザンテースト
決して相性は悪いとは言わないが、いや、むしろ良い方だと思うのだが、なかなか勝ち切れないというのも事実。
<出走馬中の該当馬>
トーセンジョーダン…母父ノーザンテースト
また、字面では見えて来ないが、ノーザンテースト系を内包する馬も挙げておく。
オルフェーヴル
アーネストリー
ジャガーメイル
ルーラーシップ
以上の4頭は、いずれも母母父がノーザンテーストである。しかも、三冠馬オルフェーヴルの父ステイゴールドの母母父もノーザンテーストであり、勝ち切れない血を二本内包していることになる。
この勝ち切れない血統というのは、ノーザンテースト以外にも存在する。それはニジンスキー系とグレイソブリン系だ。
★ニジンスキー系を持つ馬の成績【0-5-3】★
89年2着スーパークリーク…父ノーアテンション
94年3着ライスシャワー…母父マルゼンスキー
98年2着メジロブライト…母父マルゼンスキー
99年2着スペシャルウィーク…母父マルゼンスキー
00年3着ダイワテキサス…母父ノーアテンション
04年3着シルクフェイマス…母父カーリアン
09年2着、10年2着ブエナビスタ…母父カーリアン
2年連続2着で、三度目の正直で有終の美を飾りたいブエナビスタだが、同馬の父はスペシャルウィークで、その母父もまたニジンスキー系のマルゼンスキーであり、勝ち切れない血を2本持っていることになる。
<出走馬中の該当馬>
ブエナビスタ…母父カーリアン
ヒルノダムール…母父ラムタラ
キングトップガン…母父マルゼンスキー
★グレイソブリン系を持つ馬の成績【1-4-4】★
88年2着タマモクロス…父シービークロス
90年3着ホワイトストーン…父シービークロス
93年2着ビワハヤヒデ…父シャルード
95年3着、97年3着エアグルーヴ…父トニービン
03年2着、05年3着リンカーン…母父トニービン
05年1着ハーツクライ…母父トニービン
<出走馬中の該当馬>
トーセンジョーダン…父ジャングルポケット
ジャガーメイル…父ジャングルポケット
アーネストリー…母父トニービン
レッドデイヴィス…母父トニービン
ルーラーシップ…母父トニービン
また、グレイソブリン系を内包する馬は、キングトップガン(母母父アローエクスプレス)がいる。
■頭ハネ血統■
勝ち切れない血統が存在する一方で、しっかりと勝ち切る血統も存在する。まず、シンボリクリスエス(02年、03年連覇)とマツリダゴッホ(07年1着)の母父であるボールドルーラー(BR)系。
出走馬中に母父ボールドルーラー系を持つ馬はいないが、母父がボールドルーラー系ロイヤルスキーのアグネスタキオン産駒レッドデイヴィスがいる。
次に、近年ではナリを潜めているが、過去23年で【3-0-1】のレッドゴッド系。同系統を持つ馬は、95年1着のマヤノトップガン(母父ブラッシンググルーム)、96年1着のサクラローレル(父レインボークエスト)、99年3着、00年1着テイエムオペラオー(母父ブラッシンググルーム)の3頭。該当馬は母父がキャンディストライプスのペルーサのみ。
そして、上記の2系統よりも、激走傾向にある血統がリボー系である。字面で出てるのは01年1着のマンハッタンカフェの母父ローソサエティくらいなので気付きにくいが、実はこのリボー系を内包する馬からは5頭の優勝馬が出ているのだ。
94年ナリタブライアン、95年マヤノトップガン、97年シルクジャスティスの父ブライアンズタイムの母父がリボー系のグロースタークで、98年・99年連覇のグラスワンダーの母母父はリボー系ヒズマジェスティー。近い所では07年1着のマツリダゴッホの母父ベルボライドの母父がリボー系グロースタークである。
また、このリボー系内包馬というのは、マツリダゴッホ(9番人気)のように人気薄でも激走する傾向にあるのも特徴の一つである。
「同時多発テロ馬券」で決まった01年、マンハッタンカフェの2着に入ったのは、父キングマンボの母母父プルーヴアウトを内包する13番人気のアメリカンボスで、続く02年も13番人気のプレザントタップ産駒のタップダンスシチーが2着になった。近年では08年2着のアドマイヤモナーク(父ドリームウェルの母父がアレッジド)、そしてキングマンボの孫であるトゥザグローリー(14番人気)が3着に入り、1、2着は2番人気→1番人気で決まったものの、三連単6万馬券を演出した。
<出走馬中の該当馬>
キングマンボ系産駒…エイシンフラッシュ、ローズキングダム、トゥザグローリー、ルーラーシップ
BT系産駒…キングトップガン
マンハッタンカフェ産駒…ヒルノダムール
レッドデイヴィス…母母母父アレッジド
この中では、勝ち切れない血統の母父トニービンを持っているものの、頭ハネ血統であるボールドルーラー系とリボー系を内包するレッドデイヴィス。父タキオンはダイワテキサスで1勝2着1回があるのもこころ強い。
◎13レッドデイヴィス…アグネスタキオン×トニービン
穴ならこれか?