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ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』
これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

極限の実話 映画「The 15:17 to Paris」

2018年03月06日 | 映画•映像
昨日「15時17分、パリ行き」と言う映画を観た。2015年8月12日というから、今から3年半前の出来事(タリス銃乱射事件)を再現した映画だが、驚くのは当の本人たちか主演していることだ。こんな映画は聞いたことがない。(映画のメイン舞台、タリス号=フランスのTGVと同じで時速300キロ出る)
この事件のことは私はよく覚えていて、9.11の航空機ハイジャック事件の折、唯一目的を達しなかった飛行機と並んで、テロを阻止した出来事だ。しかも鮮やかな勝利だった。(フランス最高の勲章、レジオン・ド・ヌールをシラク大統領から受けた四人)

しかしこの映画の評価が、我々日本人にはイマイチのようだ。特にキリスト教臭さが鼻につくようである。それはそうだろう。「自分の人生には、何か大きな目的があって、用いられるような気がする」とか「人々の幸せのために自分を使ってください」という祈りなど、自分の命以上に大切なものがあり、創造主の計画に生きる、などと全く理解できない国民なので、鼻につき、うさんくさく感じるのだろう。ある意味、情けない日本である。

アムステルダムからパリへ乗客554人を乗せた国際特急列車の乗客を標的とした事件を起こしたのは、銃器で武装したイスラム過激派の男。犯人はAK-47のほかにも複数のナイフや拳銃を所持していた。犯人はシリアへの渡航歴もあるイスラーム過激派の26歳のモロッコ国籍の男(Ayoub El Khazzan アユーブ エル カザン 写真の右の人物)で、ベルギーのブリュッセルに住んでおり、かねて情報機関にマークされていた人物であった。

映画には出てこないが、事件発生を知った乗務員は、乗務員室に逃げ込み、中から鍵をかけて閉じ籠ったことも知られている。見放された乗客は、自分たち全員が殺害されることを覚悟したと述べている。

そんな中で当時23才の幼なじみ3人は、乗客の一人が撃たれた後、「何も考えず」即座に犯人に突進し、負傷しながらも格闘して犯人の確保に成功した。テロリストは300発前後の弾とカラシニコフ小銃を持っていたので、もし3人のとっさの反撃がなかったら、いったいどれほどの犠牲者を出したことであろうか。
この自分の命を救おうとした乗務員と、命の危険を顧みず、犯人に立ち向かった人たちの違いは、信仰の違いであった。真のクリスチャンは、命そのものが大切なのではなく、真の目的のために自分の命があることを知っている。そこが天と地ほどの大きな違いが生じた実話である。(犯人と格闘時に負傷したスペンサー・ストーン)

考えてみてほしい。テロリストは無防備な人々をたくさん殺せば殺すほど良いと思っている。そんなテロリストを前に無抵抗であれば、羊のようにただ殺される順番をおとなしく待っているだけだ。
もし自分の命だけが大切なのであれば、乗客全員の命を見捨てて逃げた乗務員を、誰も責めることができないであろう。この国でも死ぬことが怖くて、ひたすら長生きを願っている人々がほとんどだが、この車掌とどこが違うのだろうか?
そうやって自分の命だけ得ても、結局は死は時間の問題に過ぎないのだが。だから自分の命以上に大切なものを得てこそ、人の命は輝き価値あるものとなるのではないだろうか。ただしそれが真の神の御心以外では、それはまた、残念な結果になるのだが。

【自分のいのちを救おうと努める者はそれを失い、それを失う者はいのちを保ちます。】ルカ17章33節

ケパ

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