ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

カンボジアの悲劇から学ぶ

2012年01月11日 | 派遣

どうしてカンボジアという国が、こうもやすやすと幼稚な思考、殺戮と保身の化け者に乗っ取られてしまったのか・・・を考えてみた。

1972_norodom_sihanouk_2

◯シアヌークという男
 ポルポトの時代の前後、この男はこの国の国王だった。原因の第一に、この男の存在があったとわたしは見ている。我が身の保身だけを考えて、まったく貞操が無い人物としか言いようがない。そのためには悪魔とだって手を結んだ男である。
 ベトナム戦争時には、国王でありながら、なんと共産主義の北ベトナムに加担し、ホー・チ・ミンルートという、北ベトナム軍支援のために国の東半分近い自国自由通過を許した。(下の地図はホー・チー・ミンルートによる侵攻図。矢印が無いが、カンボジア国内を自由に通って侵攻していたことがわかる。)

 敵の補給ルートを叩きたいアメリカ軍の介入を招き、空爆による大量の難民、農村の困窮を招いた。ポルポト派はこの農民難民を軍に徴用して急速に勢力を拡大できた。おまけにシアヌークはポルポトの赤色クメール軍と同盟したから、国民は抵抗なく王室のお墨付きであるポルポト軍に加われた。

○世界のマスコミが沈黙した

 ツールスレィンでの資料によると、初期の段階での被害者はカンボジア人以外に、ほとんどのベトナム人、中国人などの他に7,8名のジャーナリストらしき白人が確認さPhoto_3れている。最後までプノンペンに留まった人たちは、たちまちの内に処刑されて誰一人、真実を伝える報道の使命を果たせなかった。世界はなにがこの国で行われているのか、目と耳を断たれた。

 また性の悪いことに、特に当時のマスコミは左がかっていて、A新聞など、サイゴン陥落の瞬間まで、南ベトナム民族解放戦線(ベトコン)が実在しているように報道し続けた。実は北ベトナム正規軍の仮装であったのだが。今でも似たような偏向報道が多いが、マスコミはずっと共産主義のサタン性に愚かしくもすりより、その犯罪には耳を閉ざし続けてきた。このポルポトの赤色クメールに対しても、そういう意味では、マスコミは沈黙し、報道しないという荷担をしたのだった。

○わたしたちとアメリカの責任

 ロン・ノルを擁してシアヌークを追放したのはアメリカである。ベトナムであれだけ戦ったのに、カンボジアでは負け犬よろしくスタコラサッサと逃げ出してしまった。ちょっと羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹き過ぎではないか。Photo_2

 また知らなかったとはいえ、その当時の同じ空気を吸っていたわたしたちにも、責任がある。無関心さという過ちである。そしてまた、カンボジアの悲劇から、政治に常に関心を持って行かねばならないことを学ぶ。権力をねらう人たちがどのような人物で、言っていることとやっていることが実際、どうなのか?

 終末の時代は、サタンが盗人のようにして世界を支配すると聖書は警告している。神の言葉は成就するが、わたしたちは聖書に従って賢く対処しなければならない。カンボジアの悲劇はそのことの教訓である。 (ケパ)

 

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