生き物好き気象予報士&理科教員、公認心理師・金子大輔(金兵衛)のブログ~通り雨の旅路~

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日本語で最も恐ろしいと思う言葉

2022-03-05 | 音楽・文学・美術・芸能

別宅の本棚から発掘した
『猛スピードで母は』を読んでいる。

『サイドカーに犬』『猛スピードで母は』
の2本が収録されているが、
今日の隙間時間で
『サイドカーに犬』をちょうど読み終わったところである。

最後のほうで洋子さんが「お別れだね」
と主人公の薫に語るシーンがあるが、
ここで全身が震えた。

というのは、母が胃瘻手術して入院する少し前、
「やっぱり特養に入ることに決めた……お別れだね」
と言ったのを思い出したからだ。

そして実際、
コロナごっこに付き合わされて、入院以来、
一度もまともに母に会えていない。

「おわかれ」。
たった四文字の日本語であるが、
これほどに含蓄のある単語が他にあるだろうか……。

使い方によってはこの単語だけで
誰かの魂を根底から揺さぶり、
マラリアに罹ったかのごとく震えさせることが可能だが、
使い方を間違えると、オヤジギャグばりに
白けた寒い表現に成り下がるという諸刃の剣でもある。


芥川賞受賞作としては非常に読みやすいし、
テーマもわかりやすい。
中高生にもお勧めできそうである。

コメント
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