土曜日の安倍さんの会見は評判が良くないようだ。これまでの悪行が積もり積もっているから、言葉が説得力を持たないのは仕方がない面もある。全文を読んでみて私が気になったのは二点、全国規模のイベント自粛要請には、人混みに行かないというだけでなく、人が動かないメリットがあると思うのだけど、後者についての言及がなかった。大阪のクラブハウスを起因として四国で複数の感染者が出たことを見ても、人混みを避けるだけでは不十分だと思う。もう一点は、自粛の出口がはっきりしないこと。各方面に経済的な痛みを強いているのだから、どれぐらいで決着をつけるという決意が聞きたかった。日用品の買い占めに見られるような人心の不安を和らげる為にも、ある程度の見通しを示してほしかった。
その自粛の期限を考える前に、私の現時点での考えを書いておこう。まず、
この1、2週間が大切という専門家の意見に従って、イベント自粛、時差出勤、在宅勤務などの移動制限をかけることについては、合理的な理由があると思う。
これらの移動制限によって、経済活動の制限を多くの人に強いるものであるから、できるだけ2週間で終わりにしたい。したがって安倍さんが言った、この2週間で出来ることを全部やるという考えは理解できる。科学的な根拠の有無にかかわらず、休校もやった方が良いと思う。人が動かない事は重要であるが、実際には新幹線や飛行機も動いているのだから、全国一律が不合理とも言えないと思う。
何度も書いて来たことだが、私は安倍さんには一日も早く交代してほしいと思っている。全部書いていたら明日になってしまうから最近に限っても桜の会はどうみても買収だと思うし検事の定年延長もひどいものだ。しかし今回はこの方針以前から休校も必要と主張してきたこともあり、安倍さんを支持せざるを得ない。コロナは大したことない、そのうち収まるという意見もある。しかし、私が安倍さんの立場だったら、イベント自粛も何もしなくて良いと言い切る度胸はない。そして、同じやるのであれば、この2週間徹底的にやった方が良いと思う。安倍さんが決断した理由は、オリンピックだとか支持率、あるいはただの思いつきだとか言われているけれど、私は別の可能性もあると思う。自粛が始まったタイミングで政治資金パーティをした間の悪い政治家が、未発表の東北地方の感染者数を見て判断したような発言をしていた。検査はしていないけれど感染が疑われる人数を地区別に記したリストが存在していて、それを見て安倍さんは決断したのかもしれない。
問題は、いつまで自粛をすれば良いのか。2週間でウイルスが消えてなくなってくれたら一番良いが、そう考えるのは楽観的すぎるだろう。今のように新たな感染者が毎日出てくる状況が続いたらどうするか。だらだら自粛を続けるのか。方針を転換するとしたら、どういったことが考えられるのか。
ひとつヒントになるのは、前に読んだ大阪大学の吉森先生の見解だろうか。 それには、国民の三分の一から半分が感染するかもしれないとしながらも、
「健康な若者が感染し軽症で回復し免疫を持つことで逆に収束は早まる。 」
として、治療薬が開発されるまでの間、高齢者、基礎疾患などの有病者など高リスクの人達への感染を全力で防ぐ必要性を説いてあった。
武漢のようにひどいことにはならないと見通せた時点で、このような考え方に転換するのはどうだろうか。実はこの記事は、自粛を2週間から1週延長したとしても計3週間になったら、それ以上は経済が厳しいから考え方を転換してイベント自粛解除、センバツは予定通り開催するというシナリオで書いてみようと思った。しかしながらよく考えてみると、上記の「高リスクの人達への感染を全力で防ぐ」というのを若者が自由に行動している中で実現するのは簡単なことではない。若者も別の病気で病院に行くから、医療スタッフが感染しているケースも増えるだろう。スーパーや銀行などで感染する確率も今より上がるだろう。そして介護の現場への負担、しわ寄せも相当あるだろう。うちの父も週一回訪問看護に来てもらっているが、このような状況になったらどうするか悩む。通院は薬が必要だから行かなければならないだろう。経済を優先して自粛解除したら、高齢者にとって厳しい未来になるかもしれない。かといってずるずる自粛を続けたら、今は震災の時より貧困も進んでいるのだから、生きて行くのが厳しくなる人が出てくるかもしれない。私の頭では、良い方策が出てこない。ここは頭の良い方に知恵を出してもらいたい。
どこかでまた政治の決断が必要になるかもしれない。安倍さんで大丈夫だろうかとは思うけれど、これは安倍さんだけの責任ではない。今のうちに、自粛解除した状況で「高リスクの人達への感染を全力で防ぐ」方策を準備しておく必要があるだろう。唐突に自粛解除が行われたら、今度は高齢者が混乱することになるかもしれない。
色々書いてみたけれど、一番良いのはもちろん、桜が咲いたらウイルスはなぜか消え去っていた、というシナリオだ。いつものようにお薬師さんにそのことをお願いして、そろそろ終わりにしよう。
南無薬師瑠璃光如来 奉願疫病退散 おんころころせんだりまとうぎそわか