阿武山(あぶさん)と栗本軒貞国の狂歌とサンフレ昔話

コロナ禍は去りぬいやまだ言ひ合ふを
ホッホッ笑ふアオバズクかも

by小林じゃ

狂歌手なれの鏡

2020-07-13 08:21:14 | 狂歌手なれの鏡
 コロナ自粛から図書館に行けなくて、ブログのお休みも長くなってしまった。ネットでデジタル化された古書を読むのはすぐに目が痛くなってしまう。そして最近図書館は再開されたけれど、うちの場合は両親とも重症化リスクが高いと考えられるし、去年の父の入院時から肺炎のリスクは主治医から何度も言われてきたので、肺炎が伝染するとなると、ただの風邪という訳にはいかない。人様の行動についてとやかく言うつもりはない。経済を動かすのは大切なことだ。しかし、私としては、ここで父にうつしたら去年からやってきたことが無駄になってしまう気がする。もうちょっと用心しようかなと思う。

 しかしながら、このままではせっかく読んできた狂歌を忘れてしまいそうなので、ここはヤフオクで狂歌集を探してみることにした。そしたら先週、木端撰の狂歌集が三冊出品されていて、そのうちの一冊「狂歌手なれの鏡」を落札することができた。送料を合わせて四千五百円の出費であったが、なにしろ初めてのことなので高いのか安いのかはわからない。

 この狂歌手なれの鏡は序文に寛延庚子年(1750)の記述がある。ただし出版年はわからない。跋文では、「手なれ」は「たなれ」と読んでいる。届いた本は、虫食いは結構あるものの、思ったよりしっかりしていた。


(右頁の虫食いの下に手を添えてみた)

そして、デジタルに比べて目に優しい。手触りも悪くない。古いけれども、二百五十年前の本という感じはしない。しばらくはこれを読んでみたいと思う。

この狂歌手なれの鏡は、狂歌を読み始めた頃、一昨年の冬に近世上方狂歌叢書の二巻に入っているものに目を通している。その時気になって当ブログの図書館のカテゴリーの記事にも引用したのが恋の部に入っている木端の歌だ。


       男色のこゝろを

  和歌集かいや若衆もおほかたは十一二より恋の部に入







古今和歌集などでは確かに巻第十一から恋の部が始まっているが、若衆の方も江戸時代は数えで十一歳からターゲットになったのだろうか。いや、今更これを調べてみようという気は起きない。もう一年以上狂歌を読んで来たのだから、別の歌についてもうちょっとマシな考察をしてみたいと思っている。