阿武山(あぶさん)と栗本軒貞国の狂歌とサンフレ昔話

コロナ禍は去りぬいやまだ言ひ合ふを
ホッホッ笑ふアオバズクかも

by小林じゃ

短歌 その9 (2014年6月)

2014-06-02 08:31:13 | 短歌(まとめ)

 

 

 

        鮎解禁

  六月や編み笠かぶり瀬に立ちて鮎引っ掛ける川面まぶしき

  鮎釣れず移動する人川を見て思案する人まだ粘る人

  鵜が食わぬように張られた金銀のテープが邪魔と嘆く釣り人

  真っ黒な群れを土手より眺めしは四十年前祖父逝きし頃

 

        近所大騒 

  二軒先の仏間に猿と聞こえ来る「わしゃあほんまにたまげたんじゃけえ」

  

        失言

  失言のあとの「見守る」逃げている言葉ぶつけてわかることもある

  失言で我の評価は下がったが君の長所はふたつ見つけた

 

        一瞬驚

  「脱いだ」って君のツイートハッとしたがゴールの槙野が脱いだだけだった

 

        占夏  

  猛暑二日過ぎて川風涼しけれど空梅雨冷夏と長老の言ふ

 

        五月雨夜酒 

  雨だれも蛙の声も弱ければスルメ噛む音憂き独り酒

  噛みながら物思ふ夜のあまたあらむスルメの減るは酒よりも疾き

 

        ゆか君の憂鬱 

  切るか編むか梅雨を耐えろとつぶやいた少女の練習曇り空であれ

 

        一年生ママたち 

  13歳いや12かもしれんのにイケメン認定してるママたち

  練習の帰りに駅からSOS サコさんの試練始まっている

  ダイヤ君はどうやら味方ではなくて相手のGK ママたちが呼ぶ

 

         三年生

  とうかさんで「いまからお化け屋敷」という心が騒ぐカンジのツイート

  銭湯にお化け屋敷にコストコに冒険心もて駆け抜けてゆく

 

        鬱金春

  葉一枚ウコンの夏は先なれどエアコンに手を伸ばす夕凪

 

        憎悪ツイート

  罵詈雑言浴びせぬかぎり一日を終われぬ人の増えつつやある

  憎しみに満ちたる世とは思はねどその種の言葉たしかに多き

 

     帯状疱疹の治療のついでに顔のできものを問ひし時

  すぐわかる説明だけど加齢によるイボはないじゃろアヤコ先生

 

        勇者ゆきの君

  前で守れ劣勢きっと跳ね返す文教5番君の奮闘

 

       涼風刹那 

  涼しさは雨後のまぼろし たまかぎる夕さりくれば暑さぶりかえす

 

       Windows8

  ディティルが気になる我の欠点を浮き上がらせるWindows8

  久方のアメリカ人の作りにしウインドウズはアバウトすぎるかも

 

       法事

  方便で涅槃に入ると説く経をさもありなんと思ふこの頃