SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

MICHEL CAMILO & TOMATITO 「SPAIN」

2007年07月07日 | Guiter

この季節になると取り出す一枚。
ミシェル・カミーロとトマティートことホセ・フェルナンド・トーレスのデュオアルバム「スペイン」だ。
私は以前からフラメンコ・ギターが大好きだった。
乾いた大地に吹き抜ける風のようなメロディを奏でる超速アルペジオと、リズムマシーンのような情熱的なストロークは、ギター少年だった自分の憧れだった。
サンタナなどラテン系のギタリストの物まねを見よう見まねでやってはみるものの、あちこちつかえてばかりで始終イライラしていたことを思い出す。70年代の初~中頃のことだ。
その内にチック・コリアを知った。当時はクロスオーバーという名前のジャンルが生まれたばかりの時だったが、その音の厚さに驚いた。このアルバムのタイトル曲である「スペイン」もこの頃に大ヒットしていた。
この「スペイン」の複雑なテーマ部分の旋律を聴くにつれ、チック・コリアは本当に才能のある人だといつも感心していた。
やがてチック・コリアを通じてアル・ディメオラも知った。そのバカテクぶりにぶっ飛んだ。とても人間技ではないと感じた。アル・ディメオラはパコ・デ・ルシアとの共演により、さらにフラメンコ・ギターの性格を強めていった。
以後、フラメンコは私の家のテーマソングのようになった時期があった。これをかけていると梅雨時も除湿器がいらないくらい空気が乾いたものだ。

このアルバム「スペイン」が発売されたのは1999年である。一聴して当時の思いが蘇ってきた。
まるでチック・コリアとアル・ディメオラのデュオを彷彿させる演奏だ。
スペインの真っ白な壁に囲まれた街で、手拍子を入れながら踊るフラメンコが目に浮かぶ。
私にとっての最良の夏は、紛れもなくこのイメージなのだ。


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