SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

ANTONIO FARAO 「Woman's Perfume」

2010年06月10日 | Piano/keyboard

もう何日いい天気が続いているだろう。
このところ暑くなったり寒くなったりを繰り返しているが、今日は湿気もなく実に爽やかな一日だった。
一年を通じて気持ちよさは、今日のような日がピークかもしれない。
しかも日が長いので、夕方になっても空はいつまでも青い。
そんな中、ゆっくり40分ほどかけて田舎道を歩いた。
田圃の苗はいつの間にか植えた時の倍くらいには成長していて、その側を歩くと、遠くの山々が緑のストライブに切り取られて水面に映っていた。

僕はいつものようにiPhoneをジーンズの後ろポケットに入れ、音楽を聴きながら歩いた。
今日はアントニオ・ファラオの「Woman's Perfume」にチューニングを合わせたのだが、これが大正解だった。
気持ちよさが歩く旅に倍増していくのを感じるのである。
アントニオ・ファラオの作品を全部知っているわけではないが、これはおそらく彼の最高傑作だと思う。
どの曲も可憐で、優しく、透き通るようなピアノの響きに溢れている。
あなたがピアノトリオファンなら、絶対のお薦めだ。

このアルバムは、以前にもご紹介したアルマンド・トロヴァヨーリ(イタリアの映画音楽プロデューサー)に捧げられたものだ。
内容はアルマンド・トロヴァヨーリの曲と、アントニオ・ファラオの自作曲が3対1の割合で収録されている。
全編スロー~ミディアムテンポで統一されており、ちょっと聴くと平坦で面白みがないようにも感じるかもしれないが、僕にとってはこの構成がたまらなくいいのである。
これをメリハリがないと思う人がいたら、それは聞き込んでいないからだと反論したい。
とにかく全曲すばらしい出来映えになっている。
まるで今日のような清々しさなのだ。