札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

函館市の建築探訪 末広町編④

2022-07-12 22:43:15 | 函館市

末広町のラストです

ここからは、何らかの指定、賞があるものと
他のブログ等で紹介されたもの、探索中にいいなと思った建物です。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

「カフェマリオドール」 

所在地 末広町12-8
建築年 昭和10(1935)年
指定等 なし
開館時 営業時間:10:00~19:00/火曜日10:00~16:00
    定休:第3木曜日(但しお盆の時期又は祝祭日にあたる場合は翌週の木曜日)
 

この建物前に来た時が雨のピークで、傘を差しながらの撮影は苦しい
正面に出窓2つを配置し、胴蛇腹で1階は和風、2階が洋風の函館市典型的な和洋折衷住宅に思える。
 
とてもすっきりした佇まいだ。
現在のカフェマリオドールは2012年に移転してきたアンティーク喫茶店
ソフトクリームが人気だそうだ。
 

2022年6月撮影
 
 
 

 

「エビス商会」 

所在地 末広町17-11
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
現在のエビス商会は海産物などの食品卸会社で、竣工時の施主は毛皮商で、店舗兼事務所だったとのこと。

市電通りにあり古さでよく目立つ建物だ
鉄筋コンクリート造りで耐火建築となっており、その外壁は年期と歴史を感じる。
 
上部のロゴの装飾はエビス商会のものであろうが、なるほど囲む装飾に比べると新しく見える。
隣は大三坂で、少し登って裏や横からみるのもよいだろう。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「来々軒」 

所在地 末広町16-3
建築年 昭和35(1960)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
エビス商会と市電を挟んで向かいにある
向かって左隣には「函館北辰電気」が2017年まであったようだが、解体された。
 
そのおかげというか、建物の奥行がかなりあることがわかった。
この建物は内部に魅力があり、中央の仕切りにアーチの連続を配し、バーカウンター状の上部も
曲線をつけている 元は水商売系のお店だったのだろう。
 
来々軒は残念ながら2016~2017年くらいで廃業したようだ。
もう中を見ることは叶わないのだろうか。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「Beer Bar山下」 

所在地 末広町16-3
建築年 昭和9~(1934~)年
指定等 なし
開館時 20:00~2:00 定休日:日曜日
 

来々軒の隣にあるビル
建物の上部と横側に店名?があるようだが、一部は無くなっている
横側には「・・・YOFUKUTEN」と読めるので衣料の店舗だったのだろう。
 
2階の窓に円柱のような造りがあるのが特徴的
一応2階はテナント募集中のようだ。
 
隣の来々軒同様に奥行のある建物で
1階のバーはビールの種類が豊富らしく常連も多いらしい。
 
 
 

2022年6月撮影

 
 
 
 

「函館シーシャサロンコットンボーイ」 旧旧仁壽生命函館支店

所在地 末広町18-25
建築年 大正13~(1924~)年
指定等 伝統的建造物 都市景観賞
開館時 15:30~23:30 定休日:水曜日(函館シーシャ・cotton boy)
 
 
大三坂にありエビス商会とは坂を挟み向かいになる
正面からみると坂上部に蔵、間に入り口があり坂下部に白地に曲線が印象的な建物となる
 
上部のテラコッタ装飾や入り口庇の持ち送り金物などに特徴があった。
仁寿生命の後は海運会社の社屋として使われた。
 
その後、大三坂ビルヂングとして再生し、現在はテナントでコワーキングスペース、ゲストハウス
珍しい水煙草の店で函館シーシャ・cotton boyなどが入店している。
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「A氏家住宅」 

所在地 末広町18
建築年 大正(1921)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 
大正10年建築で古い住宅だが補修、外壁の改修をしながら管理されている
屋根と玄関の持ち送り、またよく見ると屋根庇の蛇腹が歯飾りになっている

ちょっとした箇所が現存しており、歴史を感じる。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「きんぎょ茶屋」 

所在地 末広町20-18
建築年 不明(築100年~)
指定等 なし
開館時 10:00~17:00(5月~10月)
    定休日:水曜日、第二、第四木曜日
 
 
市電通りにあり、黒字に赤の入り口、窓がよく目立つ
改装された外壁を横側にたどると、当時の造作らしき古い箇所があった。
 
もしかして1階部分の出窓は縁側で庭があったのかも?
2階は和風の出窓なのだろうか。
 
きんぎょ茶屋は岐阜県に本店があり、岐阜風のモーニングが味わえるカフェ、雑貨店で
いわゆる古民家カフェである。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「中村呉服店」 

所在地 末広町20-18
建築年 平成10年改装
指定等 都市景観賞
開館時 9:00~18:00
    定休日 日曜、祝日
 
 
中村呉服店は市電通りにあり「きんぎょ茶屋」の隣だ
明治36年創業で大正6年に現在地に移転している。
 
以前の店舗は函館典型の和洋折衷で1階が和風の店舗、2階が洋風住宅であった。
現在の建物は平成10年に改装されたものだ。

4つあった縦長窓は、当時の意匠と似せて今も正面を向いている。

 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「佐藤木公郎建築設計事務所」 

所在地 末広町21-12
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
末広町でもハジにあり、海のすぐそばで道路を渡ると相馬株式会社がある大町になる。
 
平屋で横に長く、いくつもある縦長窓と外壁の色が特徴
会社は1977年の創立だが、新築で入居 とは違う気がするが
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「SEC末広ビル」 旧函館貯蓄銀行本店 

所在地 末広町22-1
建築年 大正15(1926)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
SECは函館のIT企業で、末広ビルの隣が本社、電車通りを挟んで電算センターがある。
 
元銀行ということでは、その電算センターもそうだし、道路を挟んで隣に旧安田銀行をリノベーションしたホテルがあり
各銀行が集約された地区だ。
 
縦長窓と正面入り口付近だけが銀行建築を思い起こせ
やはり隣の旧安田銀行と比べると少し寂しいか
後年に改修している可能性もあり。
 
 
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「S氏家住宅」 

所在地 末広町23
建築年 昭和9(1934)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 

1階正面に洋風出窓を持ち、2階には2連窓を持った建物で、外壁と隅柱を人造石洗い出しで仕上げている。

両開きの玄関ドアが素敵で、入り口の縁石もデザインがある
訪問時には人の住んでいる気配がなかった。

 
 

2022年6月撮影
 
 
 

「S氏家住宅」 

所在地 末広町23-25
建築年 大正10(1921)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 

1階は玄関の格子建具、簓子下見板張りや胴蛇腹、2階は南京下見板張りで横長窓、軒蛇腹、持ち送りを持っており、
屋根は寄棟造で菱葺きである。

玄関廻りは新しい補修のようだ 2階出窓の窓桟が印象的
先の「S氏家住宅」とは隣同士である。

 

 

2022年6月撮影
 
 
 
 

「川越電化センター隣の倉庫」 

所在地 末広町18-29
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 

川越電化センターとの間は仕切戸があり、センターの所有倉庫と推測する
形状から倉庫かと思うが、市電通りに面して2階の窓桟が印象的な縦長窓が並び、
横側には1階に搬入口?と連窓がある。

 
 

2022年6月撮影
 
 
 


「北方歴史資料館」 

所在地 末広町
建築年 昭和63?(1988?)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
この資料館は高田屋嘉兵衛の北方航路開拓の拠点函館・末広町に高田家代々の遺品・史料を現代に伝える目的で
昭和63年に創立された。
 
市電通りにあり、レンガタイル?と石で堂々とした正面で、ツタが絡まり雰囲気もよい
しかし入り口のガラスが割れているのが気になり確認をしてみると
資料館は平成25(2013)年に閉館していた。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函館カネサ商店」 

所在地 末広町15-6
建築年 明治42(1909)年
指定等 伝統的建造物
開館時 11:00~18:00
    定休日 不定休
 
 

平成29年に外観が復原された建物で,1階は和風で堅繁格子の出窓,2階は洋風で縦長窓を等間隔に配している上下和洋折衷様式の建物である。

ご覧の通りきれいですっきりした建物だ
看板が無いのは伝統的建造物の指定がされているので取り付けが出来ないからとか

カネサ商店は、駄菓子、たい焼き、たこ焼きなどを販売しており
訪問時は修学旅行の生徒がいた。

 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

尾木咖喱」 

所在地 末広町14-3
建築年 不明
指定等 なし
開館時 [月~水・土・日]11:00~15:00 [祝前日]11:00~17:00 日曜営業
    定休日 木曜日
 

尾木カリーの情報はほとんどなく、周りが何らかの形で歴史的建造物になっているが
この建物だけが何もない
 
縦長窓とかで昔の建物に似せたのかと思ったけど
庇の持ち送りと、あったであろう庇の蛇腹の痕跡がある。
 
だとすると改修はしているが、古い建物かも知れない。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧レストラン中央亭」 

所在地 末広町8-11
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 
 
先の「尾木カリー」と共通しているのが、両隣が歴史的建物と認識されているのに対し
この建物は、あまり情報がない。
 
確かにこう並んでみると、ここだけが窓の形状も、壁の具合もまだ新しめである
以前は最上部の場所に装飾などあったのだろうか
ここは隙間なく4軒並ぶからよいと思う。 
1階右側から抜けると屋外駐車場があるようだ
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「農楽向かいの白い蔵」 

所在地 末広町18-4
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
 

探索中にとても綺麗な蔵を見つけたので。
 
小樽では敷地の奥に蔵があったと記憶しているが
函館はどちらかというと前面に出ている蔵が多いように感じる。
 
それもきれいな蔵が多いのは常に人の目があるからだろうか?
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「グリーンゲイブルズ」 

所在地 末広町20-3
建築年 不明
指定等 なし
開館時 11:00~18:00 日曜営業
    定休日 月曜日
 

グリーンゲイブルズとは、アンが住むことになったカスバート家の屋号のことで
「赤毛のアン」がモチーフ。

ツタやバラで全体のファサードはわかりづらいが、中央の入り口はアーチになっており
アプローチもあるが植物を這わせるためだろう。
 
入り口両サイドに窓、2階にも2つ窓がありシンメトリーである。
店内はアンティークで飾られている。

ここは函館出身の「元JUDY AND MARYのYUKI」がよく利用したカフェで
ファンからは聖地扱いとなっている。
函館には同じく出身のバンド「GLAY」の聖地もあるという。
 


2022年6月撮影
 

 
 
以上で末広町は終わります
元町以上に歴史的建物が多いと感じた。
 
元町より平地が多いのもあるだろうし、大火があれば都度、末広町から建て直しがあったからか
いずれにしても、もう一度歩けばきっと新たな物件が見つかるだろうと思う。
 
 


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