札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

函館市の建築探訪 末広町編③

2022-07-10 19:54:42 | 函館市
末広町続きます
 
ここからは2021年に発行された「北海道建築物大図鑑」に新たに収録された
建物を載せていきます。
現役住宅はイニシャルにし地図は載せません
 

「旧箕浦公證役場」 旧imaizumi *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町8-11
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
銀座通りにはレトロの特徴があるビルが並んでいる箇所があるが、ここがその一つ

元は公証役場だからか、3階建ての建物に装飾が多くある
シンメトリーなファサードで縦長窓の印象と中間のひし形の模様も素敵だ。
 
建物は、その後アンティークショップとなり現在は空き家のようだが
通りの重要な景観となっている。
 

 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「Lサイズエールもりや」 旧市水商会 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町14-5
建築年 明治42(1909)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 
この近辺は海が近いだけに海産物商が多く集まっていた
店舗兼住宅で海産物商に建てられたもの。
 
並びに守屋家や旧深谷米穀店などが現存しており、歴史を感じる通りである。
守屋家同様に1階は、ささら子下見板張りで格子を設けている
2階は洋風でやはり縦長上げ下げ窓、胴蛇腹などとても似ている。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「守屋家住宅」 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町14
建築年 明治42(1909)年
指定等 伝統的建造物
開館時 なし
 
 
正面から見ると典型的な和洋折衷住宅だが、奥行きがあり市内の一般的な町屋とは異なる。
1階は、ささら子下見板張りで、胴蛇腹に軒蛇腹、2階には縦長の上げ下げ窓を3つ設けている。
 
きれいに管理されて見えるが、訪問時は使用されているように見えなかった。
隣の建物と施主が同名だが、元々は別々の施主である。
 

 

2022年6月撮影


 

「日本最古のコンクリート電柱」 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町15
建築年 大正12(1923)年
指定等 なし
開館時 なし
 

これはとても珍しい電柱で、高さ10メートル
角錘形で底辺が47センチ、上辺が19.5センチである。
 
現存する日本最古のコンクリート電柱で、函館は何度も大火に見舞われており
従来の木造から鉄筋コンクリート造りに変わったのだろう。
 
現在も現役で使用されており、場所は二十間坂を下った先の交差点近くにある。
 


2022年6月撮影

 
 


「金のこころ」 旧本久商店倉庫 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町16-13
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 現在は「H.M.Works ozigi 函館麦酒醸造所」
    営業時間12:00~22:00(LO21:30)
    定休日火・水曜日
 
 
元は函館を代表する酒屋であった、本久商店の酒蔵である。
酒、味噌、醤油などの貯蔵に使われていた。
 
隣が空き地になっているが、以前は店舗があったようだ
蔵は大きな屋号なのでとても人目に付く
さらにアーチの窓で外観がモダンに見える。

外壁はレンガ造りで青く塗られている
だからか白い枠などがよく映える。
 
その後、飲食店になり洋菓子店を経て現在のビールを中心とした飲食店になった。
 


2022年6月撮影
 
 
 


「箱館元町の宿 饗場」 旧旧饗場守三住宅兼診療所 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町20-2
建築年 明治42(1909)年
指定等 伝統的建造物
開館時 現在は「元町の宿 雪月花」が1日1組限定にて宿泊、3LDKの1フロア貸切。
 
 
饗場氏は市立函館病院の第七代院長であった
独立して住宅を兼ねて建設したのがこの診療所。
 
大正期までは診療所、その後住宅や寮、旅館を経て現在は貸し切り宿泊施設に改装中であった。
綺麗に塗装された外壁と白窓枠、赤い屋根とよく目立ちモダンさが伺える
おそらく外観のレトロさを活かした素敵な施設になるでしょう。
 
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 


「K氏住宅・付属土蔵・所有住宅」 *北海道建築物大図鑑

所在地 末広町20
建築年 大正6(1917)年
指定等 伝統的建造物、歴風文化賞
開館時 なし
 

大図鑑には住宅・土蔵と所有住宅とあるが左隣にある所有住宅は、改築をされており
昭和前半の建築とされた面影はなかった。
 
施主は岐阜から来た海産商で、かなりの財を成していたそうだ。
住宅は全面がささら子下見板張りで、出窓も和風に仕立てられた純和風の建物である。

木曽ヒノキを使用し3年かけて建設したそうな 中の意匠も優れているとのこと。
土蔵の基礎は石積みで、やはりささら子下見板張りに漆喰塗り よく管理されているようで
きれいだった。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 

ここからは、何らかの指定、賞があるものと
他のブログ等で紹介されたもの、探索中にいいなと思った建物です。

「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。

 

 

「旧山口耳鼻咽喉科医院」 旧平野病院 

所在地 末広町3-2
建築年 昭和9(1934)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
パッと見は、そんなに古い建物に見えないが、近づいてみると外壁やタイルが剥がれたりしている
2階縦長窓の連続や階段室?のさらに細長い窓が印象的だ。
 
記録を見ると病院が続いたようだが現在は未使用のようだ
角地にある建物なので、何らかの形でも活用されないだろうか。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「操車塔」 

所在地 末広町5
建築年 昭和14(1939)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
函館市市電のポイント切り替えと電車信号標示を手動による遠隔操作をするために建てられた。
以前は市電の6か所のポイントにあったのだが、自動化に伴い廃止された。
 
この操車塔は市電で唯一現存する最古の操車塔だ
現役時は交差点の内側に設置されて、その後にここに移転、保存されている。
 

 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧カフェー三の糸」 

所在地 末広町7-14
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 

大正10年の大火後に銀座通りには火防線の指定を受けて耐火建築の建物が建った
繁華街として「カフェー」がたくさん建ち、賑やかな街だったのだろう。
 
この建物も当時の1棟のようで、すっきりしたファサードで縦長窓を持つ
数年前までは左隣にも同じようなカフェが入ったビルがあった。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「宝来パン本店」 

所在地 末広町7-15
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 

やはり大火後の耐火建築で縦長窓が多く、装飾もある
特に上部の装飾は当時でも洒落ているのでは。
 
ビル自体の所有者が宝来パンなのかは不明だが
残念ながらパン店は廃業したようだ。

60年以上は使われているショーケースや時代を感じる壁のポスターなど 
昔の写真に残るレトロな店内でパンを購入したかった。

 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「銀座天満つ」 

所在地 末広町7-15
建築年 平成
指定等 市都市景観賞
開館時 閉業
 
 
旧宝来パン本店ビルと旧カフェー三の糸ビルに挟まれており
その特異なファサードから当然、歴史的建物と思ったが竣工は平成だ。

しかし銀座通りであり両隣に合わせたようなデザインにしたのは、やはり調和を考えてかと思う
そんな意味で「都市景観賞」を授与されたのではないかと推察する。
 
正面上部のエビ天の装飾がとても面白いが、残念ながら「銀座天満つ」は閉業した。
 


2022年6月撮影

 
 
 
 

「旧マルダイストア」 

所在地 末広町7-16
建築年 昭和9(1934)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
昔の建物はビルの名前を表示することはなかったのだろう?
札幌では中心部のほとんどのビルにビル名の看板などが縦付けされている。
 
なんとも印象的な色のこの建物はスーパーだったらしい
昔は大店舗のスーパーなどなかったのでこのような規模の店が多かった。
ウチの実家の近くにもこんな感じのお店があったなあ
 
もっともモダンかレトロかなど思いもよらなかったけど。
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「旧喫茶プロスパー」 

所在地 末広町7-16
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
宝来パン本店のように上部に装飾がある
銀座通りのレトロ建物が連なるのは、この建物までで後は単体だ。
 
計画的に残っているのか、地権者の絡みがあるのかはわからないが
よくこれだけの古い建物を補修しながらでも残しているなあと思う。
 
ここもカフェに使われたようだが、この通りがいかに繁華街だったかわかるようだ。
 

 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 
 

「松屋 金子商店」 

所在地 末広町8-12
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 現在は「Woodrow`s British Pub」が営業中
    18:00~24:00 定休日 月曜日
 
 
銀座通りのレトロビル群の一つ、ラッキーピエロの隣の各地にある
大正10年の大火後に造られた建物であろう
正面側の窓は金属?でふさがれているが以前は縦長の上げ下げ窓かなと思う。
 
上部には痛みが目立つがこの1列ではそんなに目立たない
以前は結納品やお祝い品を扱う金子商店も営業し、店舗として使っていた。

現在はブリティッシュパブが営業している。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「大二物産」 旧金森三星堂 

所在地 末広町10-3
建築年 明治27~(1894~)年
指定等 なし
開館時 なし
 
 
この密着している2つの建物は、元は金森のものとのこと。
函館にはいくつの金森系の建物があったのだろうかと思うくらい目につく。
 
大二物産のほうは独特のファサードが目立つが明治時代のレンガ造りだそうだ
やはり大火を見越しての防火造りにしたのだろうか。
 
隣の本郷計測器㈱も元金森の建物で、大正時代の建物だ
どちらも正面をきれいにしてあるが裏手や内部には歴史を感じるかもしれない。
 

 

2022年6月撮影

 
 
 
 
 
「本郷計測器㈱」 旧一二堂

 
所在地 末広町10-3
建築年 大正11(1922)年
指定等 なし
開館時 なし
 

本郷計測器㈱は創業100年を超える老舗だ
秤、温度計、測量機器などを扱い以前は金庫を製造していたそうだ。

建物は隣の大二物産と密着している これは竣工時はどちらも「金森」のグループだからだそうだ。

 

2022年6月撮影
 
 
 
 
 

「函灯」 旧丸豆岡田製麺末廣工房

所在地 末広町11-11
建築年 昭和9~(1934~)年
指定等 なし
開館時 休業中?
 
 
函館の典型的な1階は和風、2階は洋風の住宅かと思ったら
1階は製麺工房のようだった。

宿泊施設の「函灯(はこあかり)」となるまで数度の改修工事があったようで、サイトには乃村工藝社の施工と出ている。
また2019年秋にも工事をしており、外壁の塗装と2階は窓廻り、1階は入り口など造作も変わっている
 
しかし現在は宿泊施設として予約は受けておらず、次の使い方を模索中なのかもしれない。
 
 
 

2022年6月撮影
 
 
 
 


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