元サラリーマンの植物ウォッチング第7弾。写真はクリックすると大きくなります
多摩ニュータウン植物記Part7
コアゼテンツキ・2~東京都立大学

さて“あぜ”の漢字は“畦”と“畔”があるがその違いは何だろう。“あぜみち”は今では“畔道”と“畦道”のどちらでも良いようだ。しかし本来はそれぞれ意味が異なり“畦”のほうは“うね”とも読み田畑の境として盛り上げ水を堰き止めた部分であり、一方“畔”は“ほとり”とも読み池や沼の水ぎわという意味になる。“湖畔(こはん)”は“湖畦”とは表記しない。本種のコアゼテンツキの場合は生育場所を鑑みると“畦”でも“畔”でも良さそうだがここでは“畦”としておこう。
ところで写真は東京都立大学キャンパスの歩道に生えているものだが、これはこの大学出身の当地の専門家が20年前の学生時代にここに生育しているのを発見したと聞いた。私はちょうどその頃から当地でウォーキング、ランニングのついでに植物観察を始め、2004年8月にこのブログ『多摩ニュータウン植物記』をスタートさせた。今月で20周年になる。
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ノキシノブ

さて先日、東京都立大学牧野標本館の知人から『シダ植物倍数体種の種分化と分類について』の講演会の案内があり参加してきた。当日は昭和大学富士山麓自然・生物研究所講師の藤原泰央氏による主にノキシノブの倍数体種についての説明とフィールドでの実際のノキシノブ観察が行われた。ノキシノブは2倍体や4倍体がありそれぞれが交雑して3倍体や6倍体などの多種になりまた地域性も大きくそれらの見分け方を興味深く拝聴した。ノキシノブ類の分類ポイントは①葉身の形・厚さ②葉柄③葉の付き方④胞子嚢群の位置⑤根茎鱗片⑥葉身下部の鱗片などがあり、例えばノキシノブの葉身は狭披針形でやや厚く葉身下部の鱗片は卵形になるなど実物を見ながらの解説はとてもわかり易かった。
ちなみに令和6年度から東京都と東京都立大学とで協定締結し、東京都の植物目録策定を牧野標本館が担うことになったそうだ。今後、既存文献・標本調査、現地調査などを行い令和10年度に植物目録を公表する予定になっている。楽しみではある。
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