突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年・・・・・・警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。 解説・佐野史郎という訳で『シリーズ第一作』
元の本は1998年5月
第一章 燃える不良グループが深夜に自販機の側で騒いでたら突然燃えました
「二十歳前の男が五人だ」そして間宮はぶっきらぼうに続けた。「一人死んだ」
メモを取っていた草薙は顔を上げた。
「焼死、ということですか」
側にはガソリンの入ったポリタンクがあったんだってさ
まぁポリタンクだって寝てるとこ騒がれたら爆発くらいするやろ(てきとう)
事件(事故?)発生から3日目――
草薙刑事は『帝都大学理工学部物理学科第十三研究室』にいました
じつのところこれが事件と呼べるものなのか、それとも単なる事故なのか、警察としてもまだよくわかっていなかった。火災の原因がはっきりせず、マスコミからは『プラズマ説』が浮上
警察としては『霊の仕業』よりは納得できる可能性なので、
検証するために草薙は物理学者である友人・湯川を頼ったのでした
以下(ニュースで聞いた情報しか知らない)湯川の名推理
「幽霊の正体は、いつも案外つまらないということさ。ガソリンの入ったポリタンクがあって、その近くにはまだ大人の分別が備わっていない少年数名がいた。で、そのタンクに火がついたということになれば、考えられることは一つじゃないか」はい終了
突然燃えたって話がそもそもバカガキ共の証言だしなー
ちなみに草薙によると捜査一課長の結論と同じだそうです
ところがぎっちょん捜査情報
「頭が燃えた?」ポリタンク爆発ぐわぁぁぁ、ではなく、
「そういうことらしいぜ」
最初に1人のガキの『頭が燃えた』というのが死なずにすんだ4人の証言
興味を持った湯川は現場へ
まず状況を確認したことで『プラズマ説』は完全否定
草薙が見逃していた点を指摘しつつ、何やら仮説を組み立てつつある様子
「何なんだ、何か思いついたことでもあるのか」解決フラグ・コーヒー
「いや、今君に聞かせても仕方のない話だ。それより喫茶店にでも行かないか。コーヒーを飲みながら、ゆっくり考えをまとめたい」
湯川は子供嫌いだそうです
『論理的じゃないから』『精神的に疲れる』云々
「そんなこといってると、女と付き合えないぜ」土屋先生に言わせると、
「論理的な女性も多い。少なくとも、非論理的な男と同じぐらいは存在する」
女の場合は論理的に考えた上で(効率良いから)非論理的な態度を取るのじゃよ
「あのね、赤い糸が見えるの」現場近所の子供の証言
火事があった日、騒ぎの直前に『赤い糸』を見たらしい
なお一緒にいた母親は見ていない模様
まー子供の目撃証言じゃなー
本当だとして関係あるとも限らないしなーなー
果たして火事の原因は何なのでしょうか
これは湯川も予想外だったろうと草薙は思った。1話目からもう一捻り入れて来るタイプ
第二章 転写るだがちょっと待ってほしい
「近頃の女の子はあんなものよ」体育館を出てから百合がいった。
「義兄さんの苦悩が目に浮かぶようだな」
これは(いつの時代にもある)ほんの僅かなレアケースを、
よくあることかのように見せかけるマスゴミの手口ではないだろうか
姉の百合に頼まれてイベントの撮影係として姪の中学を訪れた草薙は、
校内に展示されていた生徒製作のあるモノが気になりました
このデスマスクには――。捜査一課刑事の勘は、事件を嗅ぎ当てました
『デスマスク』を作った生徒は、『型』を池で拾ったと証言
その池から『型』の顔を持つ死体が出てきたのであります
・・・・・・何の為の『型』?意味がわからないよ
「僕は霊媒師じゃないぜ。もちろん、過去に戻れるタイムトラベラーでもない」でも最強のクラスである主人公だし(メタァ)
ふーむ考えてみよう
「女房が旦那を殺して死体を池に捨てたが、思い出のためにデスマスクを作り、それに使ったアルミ製の型も捨てたというのなら、一応筋が通るんだがね」それでよくない?
ところがどっこい、警察で『型』を再現しようとしても失敗続き
間違いなく存在するのに、どうやって作られたのか不明であります
警察には無理だったんだよなー物理学の助教授ならどうかなーチラッ
「そんな挑発に乗るほど、僕は単純じゃないぜ」湯川は立ち上がり、ドアの横にある流し台のところへ行った。「さてと、コーヒーでも飲むかい?」圧倒的コーヒー党
なお3ページ後
「一度、見に行くか」湯川が、ぽつりと言った。「その、ひょうたん池をさ」朝令暮改は柔軟性の表れだから(震え声)
現場到着であります
・・・・・・汚い池ですなぁ
「インドには、原子力発電所から出る放射性廃棄物を不法投棄している川というのがある。旧ソ連は同じものを日本海に捨てていた。科学文明がいくら発達しても、それを使う人間の心が進化していないと、こういうことになる」つまりAIで『人間の心』を再現するのは無用の長物ということ(飛躍)
『デスマスク』誕生のカラクリとは一体・・・・・・
「なぜ最初からそういわないんだ。それなら、もっと簡単に調べられたのに」確認不足なのはお互いに減点
しかしキッチリ調べた草薙にはよくがんばりましたをあげよう
第三章 壊死る本日のテーマは物理学ではなく『医学』、らしい
「いや、今回はおまえにも無理だと思うよ。畑違いだからな」
風呂場にて心臓麻痺で死亡
まぁよくある話なんじゃないの――
「壊死?」警察や解剖した医師も見た事がないという、胸部が『壊死』した死体
「もちろん人間が死んだ後は、間もなく皮膚の細胞だって死んでいく。だけどこの痣の部分の死は、そういう類のものじゃないんだ。瞬間的に破壊されたっていう感じらしい」
生前がそこそこクズな奴だったし、自然死でいいよね
・・・・・・という訳にもまぁいかないよね
事件確定とも言えないので、2人で飲むついでに死んだ奴の聞き込み
これは、相手を油断させるために協力してくれというサインだった。それを察したらしく湯川は、不承不承といった感じで名刺を女に差し出した。そこそこベテランなだけに草薙も強かな面があるよね有能
ただしトリック
「使い方を間違えれば、凶器にもなるということか」狂気が凶器に変えるのじゃよドヤァ
第四章 爆ぜるテレビで異常気象って言わない年が無い件について
「全く暑い」湯川は唇を歪めた。「知的労働者にとって、暑さは大敵なんだがね。記憶は熱によって破壊される」
帝都大学のOBが殺されました
被害者は事件の少し前、帝都大学に来ていたらしく草薙が聞き込み
就職を世話してもらった教授に用があった?
2年で辞めちゃったならまぁお詫びくらいは言っとかないかなー
だが洗面台の上に置こうとし、彼は手を止めた。そのレシートに印刷してある喫茶店の住所が引っかかったのだ。被害者は先日湘南の海で起きた謎の爆発事件(死者1名)に関係が・・・・・・?
「なんだか、根が深そうな話だな」『深そう』に見えてそうでもない気がするけどなこれ
第五章 離脱る今日の事件のテーマは、『幽体離脱』ですッ!(混乱)
「どこまで離したかな」
「幽体離脱までだ。捜査本部に送られてきた手紙に、子供の幽体離脱のことが書いてあった、というところまで聞いた」
容疑者のアリバイの裏付けになりえる子供の目撃証言
ただし『幽体離脱』している時に見たと、そういう訳です
子供は警察が動く前から『幽体離脱』で見た光景を絵にしていたらしいので、
聞き込みの噂を聞いての作り話という可能性は低い模様
「いいじゃないか、ありのままを書けば。なかなか斬新な報告書になると思うけどな」だって100%『他人事』だものm9(^Д^)
「他人事だと思って」草薙は頭を掻きむしった。
事情を聞いた湯川はとりあえず2つの仮説を提示
1つ目ー『偶然の一致』
「それはうちの課長の説だ」課長マジ論理的
2つ目ー『時間と状況を錯覚』
件の子供はその日熱があったって話だからこれでいいんじゃないって感じ
つまり目撃したのは本当で、正確な時間を特定するのは警察の仕事
以上おしまい帰るがよい草薙刑事殿
「そんなことで君に威張られるとは、夢にも思わなかったな」そしてマグカップを手に、椅子から腰を上げた。開き直りぃ!
「では種明かしといこう。だけど観客が必要だな」はたして『幽体離脱』の真相は?
トリックのほえー感が他のミステリーとは一線を画すシリーズ
オチも変化球多めでミステリー好きなら1冊は読んでみるべき