今日の108円

1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

エンジェル エンジェル エンジェル 梨木香歩 2004年3月1日 新潮社

2015-12-15 06:08:32 | その他小説
コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ登板を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは――なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす・・・・・・
裏表紙より。
元の本は1996年4月(出版工房原生林)。




1

 ばあちゃんは自分の息子を忘れていた。
 自分の孫を忘れていた。
ボケ絡みの話か・・・・・・。
「身体は動かせる脳死」だと思ってる。



3

 この世からコーヒーがなくなってしまったら一体私はどうなるんだろう。
 コーヒーを飲まない朝なんて考えられもしない。実をいうと、三十杯はゆうに飲む。一度、豆も粉も、紅茶の葉さえ切らしていたことがあって、それはみじめな思いをしたことがある。
どう見ても『中毒』です・・・・・・絶対腹壊すって。


 やっぱり、熱帯魚だ。私には神経を落ち着かせる何かが必要だ。薬物ではなくて。神様でもなくて。どちらも依存が過ぎると危ない。その点、熱帯魚になら依存してもあまり実害がなさそうだ。
 そうだ、そうして健全な精神の緩やかな回帰を目指すのだ。
何かに『依存』している時点で『健全な精神』とは言い難い件について(´・ω・)

いつもより早く起きた朝(というかまだ深夜)、
彼女は母親が毎日「この時間帯に」ばあちゃんのトイレに付き添っていることを知る。
「ありがとう、コウコ。じゃあ、明日からお願いするわね」
 私の予期しないことだったが(少なくとも意識的には)、次の日、熱帯魚飼育の許可が降りた。
朝起き夜寝る通常のサイクルで暮らしている(た)人間は、相当しねる
魚の10匹や20匹好きにしろやれとなるのも頷ける。




5

 サーモスタットとフィルターを通電させる。モーター音がブーンと響く。水が吸い上げられ、濾過されてまたかえってくる。生命の循環の始まりだ。
 モーターのスイッチを入れた瞬間、世界の創生に立ち会ったような気分になった。
ねんがんの 水槽をてにいれたぞ!

ところが、この『モーター音』が、呼び覚ます。
 今朝、コーヒーの量を意識して減らした。そのせいだろうか。これは禁断症状の一つなのだろうか。
そうにちがいない。



7

「ありがとう。あなたはコウちゃんね?」
「そう」
 この、男の子っぽい呼び名は昔から気に入っていた。名前を名乗りあうと、不思議にもう恐怖感はなかった。 
 ・・・・・・わかってるんだ、私のこと。頭のどっかでは。
 そう思いたい。
自分のことは『さわちゃん』と呼べと言うばあちゃん。
ちょっとこの件の真実は・・・・・・うーん。




9

「さわちゃん、もし、このモーター音がうるさかったら、水槽、私の部屋にもっていくけれど・・・・・・」
 私は、ゆっくりと、言葉を切りながら言った。ばあちゃんはちらりと私を見遣ると、やはりゆっくりと、
「でも、そうしたら、私、コウちゃんとこうしてお話し出来なくなるかもしれない。私、消えてしまうかもしれない」
と、視線をそらしながら言った。
 ・・・・・・ばあちゃん、気づいてるんだ・・・・・・
むーん・・・・・・
『覚醒』ったって、治った状態ではないからね、これ。


 ばあちゃんをベットへ戻すと、私はもう一度熱帯魚の前に座った。
 ・・・・・・安定している。
 私はしみじみ胸に手を当てた。ここしばらく動悸もしていないし、手のひらに汗のにじむこともない。水草や魚の緩やかな動きを見ているだけで、本当にくつろぐ。
(´・∀・`)ヘー
ま、コーヒーがぶ飲みよりはいいんじゃあないでしょうか・・・・・・


 ・・・・・・あれ。さっきより、ネオンテトラの数が少なくなっているような気がするけど・・・・・・
 気のせいだろう、今日はもうこれぐらいにしよう、と立ち上がり、二階へ昇った。
『キラキラ』で物足りず『キラキラキラキラ』になるまで魚足したんだもの、
パッと見て正確な数なんてわかりゃしませんよねー?

ところが後日、『気がする』の理由が明らかに・・・・・・!


11

「コウちゃん、あたし、止められなかった」
うぐぁぁぁ・・・・・・
拷問とも言える所業。
コウコ、これは猛省すべき。


「でも、さわちゃん。それなら私には悪魔が必要だったのかもしれない。私が、飼いたくて飼いたくて飼ったんだ。そして私が見守るうちにこうなってしまったんだから」
 ・・・・・・コウちゃんは水槽の世界の神様なんだね・・・・・・というさわちゃんの言葉を突然思い出した。
 神は、悪魔をどういうふうに思っておられたのだろう、本当は。
あくま→AKUMA→UMAKA→うまか→おいしい
・・・・・・3時のオヤツかな!




12

「だいぢやうぶでしたか」
 それを聞いた瞬間、私は、自分がもう大司教様の側の人間ではなくなつたことを知つた。自分が惡魔に依頼事をした人間なのだと悟つた。
 これが、取り返しがつかない、といふことなのだ。
「後の祭り」と「悪魔の釣り」って似てね?




13

「うーん、そうだね」
噛み合ってないけど噛み合ってる故の・・・・・・(´;ω;`)ブワッ





なんつーか・・・・・・えーと・・・・・・本だよ(うまい言葉が思いつかない)。
ボケ絡みだったんで、本筋と関係無い部分が気になった感はする。
ボケの実態を「知らない人」の方が、集中して読めるかもしれない。