毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「ミミズよ、ミミズ」No.1804

2016-11-24 21:48:04 | 自然

小学校に上がる前から私は、ミミズが不思議でした。

雨の後、水溜りの中で必ずと言っていいほどミミズが溺れているのです。

小学校低学年の時、私は北海道網走管内の厚生開拓村の奥地に住み、

毎日4kmの道のりを歩いて学校に通っていました。

帰り道は同級生のマサハル君という子と途中まで一緒に帰るのですが、

一週間のうち半分くらいは喧嘩になってしまい、

マサハル君の家の前まで来たらホッとして、

(ああ、ようやく一人になれる)とサバサバしたものでした。

そのマサハル君が、あるとき帰りながら、

ミミズは雨の日、空から降ってくると言い出したのです。

私は非常に驚きました。

そんなことなら、雨と一緒にミミズも頭に落ちてきて、

顔に当たったりするかも知れません。

しかし、マサハル君の言うのもあながち否定できない気もしました。

雨上がりの水溜りにはミミズが何匹も沈んでいるのを、私も知っていたからです。

それを見るたびに、(ミミズはどこから来たんだろう)と私も考えていました。

しばらく考えてから、私はマサハル説に異論を唱えました。

もし、雨の日に空からミミズが降ってくるとしたら、一度ぐらいは見たことがあるはずだが、

私は未だかつて、そんなもん見たことない、と。

マサハル君は怒り出して、走って行ってしまいました。

私は(マサハル君の言うことは間違っている。ミミズは土の中から湧いて出てきたのだ)と、

心で呟きました。

キャンパスの雨の日、歩道はミミズだらけです。

どれも似たり寄ったりですが、全部違うミミズなのです。

なぜ、雨になったらミミズは危険を顧みず歩道に出てくるのでしょう。

人間たちがときどき踏んで行くにもかかわらず。

私は、小学生のあの時に考えた説に付け足しました。

土の中の水分が過剰になって、居心地が悪くなり、逃げ出してきたのではないかと。

しかし、逃げると言ってもこんな大理石の歩道は安全ではないのに、

気の毒にもミミズにはそれが分からないのです。

コメント
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