その頃、戸越小学校に赴任して来られた音楽の先生は京嶋先生といいます(コーラスをする方は知っていらっしゃるかもしれません)シャイで格好いいその先生は、放課後は音楽室でピアノの練習をしたり、クラシック・レコードをかけて過ごしていらっしゃいました。授業はユニークで面白かったので、生徒の人気者になりました。
私達4~5人のグループも今でいう「追っかけ」になり、放課後は毎日のように音楽室で過ごしました。先生の弾くピアノを聴いたり、クラシック・レコードを聴いたり、時にいたずらをしたりと。部活も塾もない時代だから出来たのでしょうね。その時に聴いた名曲の旋律は、私を感動させ心にいつまでも残り、またその後の生活に音楽は欠かせないものになりました。
先生も作曲家になり、コンクールで優勝したり、NHKの「みんなの歌」でとり上げられたり、ご活躍でした。グループの一人、高野さんは音大に進み、イタリアへ留学して立派なオペラ歌手になりました。
私は家の事情で音大に行くことはできませんでしたが夢は捨てきれず、ピアノからエレクトーンにかわりそのころ始まったヤマハの検定試験に受かり、エレクトーンスクールの講師になりました。その頃教えた可愛い子供たち、そのお母様方は私を支えてくれて、いい方ばかりでした。それも時代の流れとともに生徒が減ってきて、20年前にやめて家庭に専念しました。
今回CSEに入れていただき、偉大な笹森先生のもとで楽しく(時には苦しく)アンサンブルが出来て、本当に幸運だと思っています。音楽の素晴らしさを最初に教えて下さった京嶋先生、シルバーになってご縁ができた笹森先生、才能あふれるCSEの皆さんと出会えて、人生は楽しいものだとつくづく思います。