ベートーヴェン:
序曲『コリオラン』 Op. 62
交響曲第2番 ニ長調 Op. 36
ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op. 73 「皇帝」
序曲『コリオラン』 Op. 62
交響曲第2番 ニ長調 Op. 36
ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op. 73 「皇帝」
<アンコール曲>
ピアノ協奏曲第4番より第2楽章
反田さんのコンサートは、人気が高いこともあってか「抽選(席が選べない)」というのがデフォルト。
今回も、S席を買ったのに2階後方という、ちょっと理解困難な配置である。
だが、ピアノの音は上下に発散するため、1階最後方あたりよりも音がよく聴こえる。
さて、最近注意して観察するようになったお客さんの年齢層・性別だが、中高年が8~9割で、6~7割が女性といったところ(つまり、女性の年齢層も高め)。
ステージに登場した反田さんは、「肉体改造」を行ったというだけあって(ピアニストとルッキズム、あるいはスタンディング・オベーションの問題)、かなり遠くから見ても、はちきれんばかりの大胸筋で上着のボタンが取れそうな勢いである。
指揮をするときも、中腰で左右に小刻みに動くという、脚や背中の筋肉を使う動きが多く出て来る。
そういえば、反田さんはもとサッカー少年なのだった。
1曲目の「コリオラン」は、緊迫感のある良い曲だが、暗い。
そのせいか、この曲が捧げられたH.コリン(戯曲「コリオラン」原作者)は、演劇を上演する際にこの曲を用いたことはなかったそうである。
次の「交響曲第2番」は、演奏機会は余り多くないと思うが、(特に3楽章は)モーツァルト的な明るさのある、澄明・清冽な曲で、現代音楽を聴いて疲れた後の箸休め(耳休め?)に良さそう。
メインの「皇帝」は、演奏もそうだが、指揮も圧巻で見応えがある。
冒頭のカデンツァを弾き終わると、反田さんは間髪を入れず立ち上がり、活発にタクトを振る。
ピアノを弾くとき以外は常に立っており、見たところ、指揮が60%、ピアノ演奏が40%といった感じである。
坐る→立つ→坐る→立つ、の動きが目まぐるしいが、楽譜を完璧に暗記しているのが分かる。
前述したとおり、指揮はダンスのようで見ていて楽しいが、おそらく反田さん自身がいちばん楽しいのだろう。
アンコールのピアノ協奏曲4番2楽章は、「皇帝」のラストとは対照的な、なにやらお通夜のような曲で、「これでアンコールでいいの?」という印象。
だが、それでも、最前列中央の7人ほど(全員女性)を中心に、殆ど女性によるスタンディング・オベーションが起こった。
これに対し、「皇帝」の演奏後、「ブラボー」が聞えたが、これは中年男性の声だった。
「よく言われるのは、
・まだ曲が終わっていないのに、演奏にかぶせて「ブラボー」と叫ぶ
・本当に感動して声に出したというよりは、ただ言いたいだけで、やたらと「ブラボー」と言う
というもので、特に中高年の男性に多いと言われています。」
・まだ曲が終わっていないのに、演奏にかぶせて「ブラボー」と叫ぶ
・本当に感動して声に出したというよりは、ただ言いたいだけで、やたらと「ブラボー」と言う
というもので、特に中高年の男性に多いと言われています。」
なるほど、「ブラボー」は男性、「スタンディング・オベーション」は女性という傾向があるようだ。