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Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

八つ当たりリスク

2025年04月01日 06時30分00秒 | Weblog
 「少子化問題の原因であるかのように、名指しされる世代の私たち。
「生殖」というテーマに紐づいた「愛」の形。
 この舞台を通して、人それぞれの「価値観」を改めて考える機会になればいいなと思っています。
 初舞台、初主演です。大きな期待を背に、与えられた役に、私の生き様が投影される様、必死に挑んでみます。

 昨年10月の二期会公演で物議を醸した「影のない女」(10月のポトラッチ・カウント(9))の演劇版。
 私見では、根本テーマである「『生殖』の超克」を外さないことが必須であるが、それに至る筋道については、どう演出しても批判を免れそうにない、演出家にとっては鬼門のような台本である(ちなみに、演出に「冒瀆」と批判も 「影のない女」が問う日本のオペラの現在地)。
 今回の演出(倉本朋幸氏)は、ホフマンスタールの原作どおりのハッピー・エンドだが、単にこれをなぞると「ハートウォーミング」なストーリーという、最も険しい道に迷い込んでしまう。
 なので、いろいろな小細工が出て来る。
 一番分かりやすいのは、ラスト付近で大音声を伴って暗転し、石器時代(?)に時代がスリップしたというところ。
 これは斬新で面白いと思うのだが、要注意と思われる小細工もみられる。
 例えば、皇帝とカイコバートの娘とは、頻繁に”二人組前転”もどきの動作を繰り返すのだが、これをトルストイが見たら、「刺激が強すぎる!」という理由で、彼がベートーヴェンに対して行ったのと同様の”復讐”を食らってしまうのではないか?(三角関係のかたち(4))。
 つまり、八つ当たりされるリスクがありそうなのだ。