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Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

北から南へ

2025年04月25日 06時30分00秒 | Weblog
ヴェルディ:歌劇《ナブッコ》序曲
マスカーニ:歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》間奏曲
レオンカヴァッロ:歌劇《道化師》間奏曲
ジョルダーノ:歌劇《フェドーラ》間奏曲
プッチーニ:歌劇《マノン・レスコー》間奏曲
ヴェルディ:歌劇《運命の力》序曲
カタラーニ:コンテンプラツィオーネ
レスピーギ:交響詩《ローマの松》
 

 だいたい毎年ヴェルディのオペラを振ってきたムーティーだが、どういうわけか、今年はオペラ歌手が登場せず、管弦楽の曲だけでプログラムを組んできた。
 東京文化会館は来年から改修に入るので、しばらくはお別れとなり、首都圏における「劇場(ホール)の危機」が訪れる(ホールとサロン(6)) 。
 それに先立って、大ホールで管弦楽の音を響かせようというのだろうか?
 それはともかく、選曲と配列が面白い。

オペラの国、イタリアで発展した独自の管弦楽(小畑恒夫:公式プログラムp68~)
 「イタリアが歌唱中心のオペラに安住している間に、フランスやドイツでは音楽が大きく進化しつつあった。交響楽への関心が飛躍的に高まり、オーケストラの活躍がオペラにも求められるようになったのだ。それに気づいたヴェルディは後記作品で孤高の戦いを続けるが、大きな変化はマスカーニ、レオンカヴァッロ、ジョルダーノ、プッチーニなど、世紀末に活躍を始めた「青年イタリア派」とともに現われる。
 ポスト・ヴェルディのオペラ界を担うことになる彼らはほぼ同世代なので、共通の音楽環境の中で育っている。イタリア音楽は過去の栄光と優位性を失いつつあり、ワーグナーやブラームスに代表される「交響楽的傾向」がイタリアに浸透し始めていた。

 ドイツからイタリアに向けて、ワーグナーやブラームスが浸透してきたのである。
 レオンカヴァッロ、カタラーニは大変なワグネリアンだったらしいし、プッチーニがワーグナーの作曲手法を採り入れたことは周知のとおり。
 だが、この一派とは違う方向性のイタリア人作曲家が現れた。

 「ボローニャ出身のオットリーノ・レスピーギ(1879-1936)は、行き詰まったヴェリズモを打破し、イタリア音楽に新しい道を拓いた。彼はマルトゥチに学んだ後、ロシアのサンクトペテルブルクの管弦楽団でヴィオラ奏者を務め、当地でリムスキー・コルサコフに師事してその華麗な管弦楽法を学んだ。三部作「ローマの噴水」「ローマの松」「ローマの祭り」で有名な色彩豊かなオーケストレーションはロシア滞在で身につけたものである。

 今度はロシアの管弦楽法がイタリアにやってきたのである。
 そういえば、古関裕而と服部良一もロシア民族楽派の影響を受けていたのだった(ロシア&ウクライナから日本へ)。 
 どうやら、音楽は北から南へと向かう傾向があるらしい。
 ・・・それはともかく、今年のムーティーは常に上機嫌で、団員さんとにこやかにコンタクトを交わしていた。
 とりわけチェロの奥泉貴圭さんがお気に入りのようで、アイコンタクトどころか抱き合ったり頭をなでたりする場面も見られた。
 井上道義先生から「警官」と評されたムーティーだが(おしゃべりクラシック(2))、こういう時もあるのである。



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