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FC東京好き(サッカー&バレー)の元雑誌編集者で現在はテレビ番組記者。仕事よりも東京優先なライフスタイル謳歌中。

撓田村事件-iの遠近法的倒錯-

2007-02-23 23:37:08 | 超私的ブックレビュー
久しぶりに読み応えのある長編。著者の小川勝己は過去に『葬列』『彼岸の奴隷』『まどろむベイビーキッス』を読んでましたが、特に葬列、彼岸の奴隷に関してはかなり高水準のクライムノベル。よってその印象が強く残っていたせいか、この『撓田村事件』は横溝のオマージュともいう作品だったので、過去に読んだ作品とはまた違った側面を見せてもらった。
前半、殺人事件が発生する前までは、主人公の田舎の中学生の悶々とした日常なのだが、いざ1人目の被害者が出てからは加速度的に物語が進行する。殺される被害者の複雑な家族構成や風変わりな探偵の登場と横溝のオマージュを含みながらも、被害者の見立てに黒魔術が使われ、魔術に関する話がながながと語られるところは、その辺の知識が乏しい自分にはちょっと辟易。
でも作品自体はつまらなくはなかったが、やはりリアリティのあるクライム系の作品の方が自分は好きです。

評価:★★★☆☆



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