華氏451度

我々は自らの感性と思想の砦である言葉を権力に奪われ続けている。言葉を奪い返そう!! コメント・TB大歓迎。

都民税、返せ~

2007-11-02 23:37:28 | 東京都/都知事

 首都圏在住・在勤で都営地下鉄に乗る機会のある方は、当然御存知のはず――都営地下鉄の中吊り広告のなかに、最近、「オリンピック招致」のポスターが目立つ。私は都営バスにはあまり乗る機会がないのだが、どうやらそちらにも掲示されているようだ。「オリンピックを東京に!」と、うるさいことこの上なし。

 オリンピックというイベント自体には、別に恨みも何もない。個人的には好きではない(注※)。ただし好きな人がいることは認めるし、そういう人は大いに楽しんでいただいて結構です、文句はないです、というのが私の基本的なスタンスだ。

(注※前にも書いた気がする。各国の国旗がはためき、国歌が流れる図というのが感覚的にどうしても受け入れられないのである。私は日の丸・君が代だけでなく、すべての国旗・国歌なるものが大の苦手なのだ)

 ただ、何と言うのかね……スポーツの祭典、世界的なお祭りというのであれば、何処で開催されたっていいじゃんと私はどうしても思ってしまう。招致の競争なんぞ、聞いただけでウンザリである。われらが都知事はオリンピック招致が夢であるそうだが、都民全員がその夢を共有していると思われては困る。そもそもスポーツを含めた文化というものは、国家だの何だのとは別の次元で息づいているはずのものだろうに。

【9月14日、国際オリンピック委員会(IOC)が2016年オリンピックの申請都市を発表しました。東京のほか、バクー(アゼルバイジャン)、シカゴ(アメリカ)、ドーハ(カタール)、マドリード(スペイン)、プラハ(チェコ)、リオデジャネイロ(ブラジル)の計7都市。東京は有力な候補とみられていますが、勝利のためには都民のみなさんの支持が不可欠です。熱いご声援をよろしくお願いします。】(東京都広報紙より)

 オリンピックの開催地が何処になるのか、なんていう話が、なんで「勝ち負け」の問題になるのかね。私にはわからない。一生、わからないだろう。そして、これが「わからない」ことを私は恥だとはどうしても思えない。

 東京都には、「オリンピック招致本部」などというものが作られている。当然、予算もつく(細かいことは今わからないけれども、ポスターの費用などもその本部から出たのだろう)。ちょっと待てよ、というのが都民のひとりである私の素朴な気分だ。

 あのポスターの紙代も印刷費もデザイナーに支払った費用も、みんな都民税でまかなわれているんだよね? オリンピック招致のためということで都内各地でやたらにフォーラムとやらがおこなわれているけれども、その費用も都民税から出てるんだよね? 私はしがない自由業者だからスズメの涙程度の税金しか払っていないが、それでも払っていることは確かだ。その使い途に、ひとこと言う権利はあるはずだ。

 だから、言う。「そんなものに使ってくれとは言ってなーい!! 税金、返せ!!」

 都営地下鉄に乗るたびに、ため息が出る……。

コメント (4)
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