華氏451度

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「国」の正体――自衛隊が市民団体などを監視

2007-06-06 21:42:03 | 非国民宣言(反愛国心・反靖国など)

 皆さん、すでに情報をキャッチしておられるだろう。そして背筋が寒くなり、うっかり腐りかけた牛乳飲んでしまったようなゲッという気分になっておられると思う。そう……「自衛隊が市民活動を監視」というニュースである。時事通信によれば監視対象は「市民団体やジャーナリストの活動」、中国新聞によれば「市民団体、ジャーナリスト、宗教団体などの活動」(報道記事は下に紹介)

 実のところ――あんまり驚かないというと変だが、そして充分怒ってもいるのだが、「そのぐらいやっているだろう」というのが、正直な感想でもある。軍隊(日本では自衛隊などと姑息な言い換えめいた名称を使っているが)は国を守るなどと言われるが、ここでいう「国」は枠組み、国家体制である。間違っても「国民」じゃない。

「国土」だって守らない。それはつい先頃の、辺野古の問題(米軍基地移設に先立つ現況調査に自衛隊が協力したという問題)を考えただけでもはっきりしている。美しい日本とか何とかのたまう人がおられるが、「うつくしい碧い海」を守る気はないのだ。

 そこにつどう人間よりも、枠組みの方が大切だなんてのはホントはおかしなことだ。たとえば「家庭」というものを考えてみればいい。家庭を守ると言うとき、守るべきは何か。家族(別に親子夫婦でなくてもいい、要するに共に暮らしている人間)、に決まっているでしょう。「家庭を守るために、全員が死のう!」なんて話は聞いたことがない。ところが話が「国」という大きなものになれば、そういう類のトンデモナイことが成り立つ。いやむろん、国の場合は実際にはひとり残らず死ぬわけではなく、ちゃっかり生き残る人達がいるわけだけれど。

 国体は永遠、国民は消耗品。産めよ増やせよと尻叩いて、家畜より簡単に増やせる消耗品だ。先の戦争でも、国民は「自分達がひとり残らず死んでも国は守る」という「気概」を持たされたそうだ。為政者の頭の構造は、その時代と少しも変わらない。為政者などいう輩は、人間の間にその種の存在が誕生してこの方そんなもので、未来永劫そうなのかもしれない。

 ともあれ国体が第一である以上、為政者はそれに反逆――とまではいかなくても、疑問を持ったり、国のやることにイチャモンつける人間は「正直なところ、いないほうがいいんだよなぁ」の存在である。本当はまとめてひっくくって島流しにでもするか、どこかに閉じこめてまとめて洗脳教育したいぐらいだろう。21世紀の今日、民主主義国家を自称している以上、まさかそんなことをおおっぴらに言えないから、口を閉じているけれども(だからこそ、国民の飼い馴らし方は、どんどん巧妙になっているのだなあ……)。

 話が混乱してきたが、為政者にとって守るべき(唯一のとまでは言わないが、少なくとも第一の)ものは国体であり、だから当然、国軍は国体を守るために存在し活動する。チョコマカうるさい動きがあれば監視し、そういう動きに参加する人間をリストアップするのはいわばあたり前のことだ。それを明らかにする証拠がまたひとつ出て来たことを、私は嬉しく思う。

 ――国民を監視する「国」など、私はいらない。

◇◇◇◇◇資料/ニュース紹介

【共産党の志位和夫委員長は6日、自衛隊関係者から入手したとする「内部文書」を公表し、「陸上自衛隊の情報保全隊が市民団体やジャーナリストの活動を監視している」と指摘した。文書は、自衛隊のイラク派遣に反対する団体、個人の調査結果が中心だが、年金制度や消費税に関する集会の報告もあった。同党は「表現の自由やプライバシーを侵害する行為で、憲法違反だ」としており、政府に同日、監視活動の停止を申し入れた。
 防衛省はこれに対し、「内部文書かどうか確認できないが、この種の資料は作成した。イラク派遣の反対運動が高まっていた時期で、対応を考えるのが目的。違法性はない」としている。】(時事通信・6月6日21時1分配信)

【文書は(1)陸自東北方面情報保全隊が収集した情報を週単位で一覧表として取りまとめた二○○四年一月から二月までの一部の「一般情勢」など(2)情報保全隊本部が作成した○三年十一月から○四年二月までの一部の「イラク派遣に対する国内勢力の反対動向」―の二種類。計十一部、百六十六ページで、個人名を黒く塗りつぶした上、報道陣に公表した。イラク関係だけでも、市街地などでの活動で監視対象となっているのは全国四十一都道府県の二百九十三団体・個人で、高校生も含まれ、参加者の写真なども添付されていたとしている。】(中国新聞記事より抜粋)

◇◇◇◇◇ 

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コメント (8)
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