華氏451度

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都知事選、浅野史郎さんを支持します

2007-03-01 23:33:08 | 東京都/都知事

 浅野史郎さん(前・宮城県知事、慶應大学教授)が、東京都知事選への出馬を「前向きに考えている」という。

 私は実を言うと、浅野さんという人物をよく知らなかった。知っていたのは厚労省(もと厚生省)出身で、宮城県知事になって……というごく簡単な履歴。後は新聞や雑誌などに掲載された文章にたまに触れたことがある、という程度だが、その発言にも特には注目してこなかった(特別な理由はない。ほかにさまざまな意味で気になる人達が多かったから、つい……というだけの話)。だから、彼が民主党の出馬要請を断った後、知人から入った「一般都民の手で都知事を誕生させよう。浅野さんに出馬要請しよう」というメールを見て慌てて少しばかり情報を集めただけである。

 つまりは付け焼き刃の情報収集しかしておらず、彼の著書もまだ読んでいないので、浅野氏に対する自分自身の見方を明確に決めるところまでは至っていない。だが浅野氏が出馬すれば――少なくとも今のところは――私は彼に投票するつもりだ。

 石原慎太郎・黒川紀章・吉田万三の三つ巴戦なら、私は躊躇なく吉田氏に投票するつもりだった。彼が提言している「都政改革プラン」を読んだが、基本的に異議はない。「区民が主人公」の区政を展開してきた吉田氏なら、都政も「都民が主人公」の路線を名実共に堅持するだろう。だから吉田氏に知事になってもらっても、むろん結構、というか大歓迎である。

 それなのに、なぜ浅野氏が出馬すれば浅野氏に投票しようと考えているのか。理由はいくつかあるが、1つは彼が「出馬するならば、政党などの推薦は受けずに」と考えているらしいこと。政党や団体の推薦に乗り、資金や労力の援助を受けて選挙をすれば、当選後にお返しをしなければいけないから――というのが彼の持論であるという。宮崎県知事選では、彼は100円カンパで運動し、当選した。

 1か月ほど前、浅野氏の『そのまんま現象を読み解く』という文章が毎日新聞に掲載された。

【(前略)現職知事逮捕で恥をかき、怒りに燃えた宮崎県民の想いは、これまでの体制への嫌悪感として凝縮した。そういった選挙では、有権者の共感は、体制に近いと思われる候補者には向かわない。県民の改革への期待は、政党、団体、業界の強力な支援を受けないで選挙を戦う東国原さんに集まった。私自身の知事選挙の経験から、「選挙のありようが、その後の知事のありようを決定づける」と信じている。しがらみのない選挙、正々堂々たる選挙を戦った東国原知事が、知事として正々堂々たる仕事ぶりにならないはずがない(後略)】

 今自分が持っているわずかな情報だけから見ても、むろん彼のものの考え方などに100%賛同しているわけではない。だが、そんなことは当たり前である。ちなみに吉田万三氏についても同様だ(先に言ったように彼の都政改革プランには原則賛成だけれども)。ある人の言うことや考えていることに1から10まで大賛成ということなど、あり得ないとは言わないが、まあめったにあることじゃあない。問題は、基本的な部分、原則的な部分がどうかだけである。

 全野党推薦の知事は1つの理想だが、政党の推薦や選挙協力を受けない、徹底した市民派無所属の知事(他の候補も全員無所属には違いないが)を選ぶことで、私達は自分達が自分達のための「公僕」を選んだのだ、と胸を張って言うことが出来る。東京革命の第一歩になりうるのではないか。 

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 当ブログは戸倉多香子さんを応援しています。

 

コメント (15)
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