歴史は人生の教師

高3、人生に悩み休学。あったじゃないか。歴史に輝く人生を送っている人が。歴史は人生の教師。人生の活殺はここにある。

人間の実相を語る歴史人(オナシスが求めた愛と引き起こる悲劇)

2010年12月25日 | 人間の実相を語る歴史人
人間の実相を語る歴史人(オナシスが求めた愛と引き起こる悲劇)

最後の巨大な財を築いたオナシスが
買おうとしたのは、「愛」だった。

1946年にアシーナと結婚し、
2人の子供である
アレクサンダーと
クリスティナが生まれた。

1957年にヴェネツィアで
開かれたのパーティーで
世界一のプリマドンナ、
マリア・カラスに心を奪われ、
豪華な花束を贈り続けた。

じきに二人は意気投合。
文化や芸術に縁のなかった
オナシスにとって、
彼女は新たな勲章と
なったのである。

その裏で妻ティナは
酒と睡眠薬に溺れ、
子供たちはどんどん
心を閉ざしていった。

1960年にアシーナと離婚した。

なおも世界にオナシス帝国を
広げようと野望を燃やす彼に、
アメリカは黙っていなかった。

CIAやFBIが
過去の罪状を暴露、
オナシスの商売敵を次々と
味方につけ、初めて彼は
挫折を味わうこととなった。

そんな時に起こった
歴史的大事件、
ケネディ大統領が
1963年11月22日に
テキサス州ダラスで
暗殺された。

以後悲劇のヒロインとなった
未亡人ジャクリーンに、
オナシスは執拗に
アタックをした。

1968年には莫大な金をちらつかせ、
とうとうジャクリーンを
手に入れた。
これにより社会的な体面を整え、
アメリカにも一矢
報いたのであった。

1968年10月20日に
オナシスはジャクリーンと
ギリシャのスコルピオス島で
結婚式をあげた。

ジャクリーンは義理の弟であった
ロバート・ケネディが3ヶ月前に
暗殺されたとき、

「ターゲットにされるなら、
 次に狙われるのは
自分の子供たちだ」

と語り、オナシスとの結婚は
意味があるように思われた。

オナシスには彼女が求めた
財力と保護する力があった。

オナシスはジャクリーンと
結婚するためオペラ歌手
マリア・カラスとの
関係を清算した。

しかし、ジャクリーンとの
結婚生活は、甘いものでは
なかった。

あるだけの金を浪費する
ジャクリーンに腹をたてるオナシス、
結局金と体面でしか繋がっていない
結婚だったのであった。

この結婚にショックを受けた
マリア・カラスは
睡眠薬中毒となり、
前妻ティナはオナシスの
宿敵と再婚、
娘のクリスティーナは
アメリカ人と駆け落ちした。

結婚を機に狂い始めた歯車。
酒の量が増え、
感情の起伏が激しくなったオナシス。
そんな1973年、事件は起きた。

父と決別し小さな航空会社を
運営していた息子、アレクサンダーの
乗った小型機が整備不良が
原因で墜落、25歳の若い命を
散らしたのである。