桃太郎⑫-2(火の海・氷の山)
経典の中に地獄を表された話にこのようなのがある。
地獄へ堕ちた罪人は先ず、火の海へと堕ちる。
身体をジュウジュウ焼かれ苦しむ罪人は
どこかに涼しいところはないかと探し回る。
すると遠くに氷の山が見えるではないか。
「あそこにいけば楽になれる」と思った罪人は
氷の山へと一生懸命に泳いでゆき、氷の山へ辿りついた。
その途端、丸裸の罪人に凍てつく寒さ。
「ああ、寒い」と思うが、火の暑さも知っている。
この氷の山のどこかに幸せがあると氷の山を歩き出す。
しかし、氷の山の寒さに今度は暖かい所はないかと
探し回るが氷の山に迷って見つからない。
その内に目の前に暖かそうな火の海が見えてきた。
罪人は火の海で苦しんできたことはすっかり忘れ、
自ら、火の海へ飛び込んだ。
「わわ、熱い。熱い」
しかし、まだ氷の寒さを知っているので、
火の海のどこかに幸せはないかと泳ぎ始めた。
さんざん火の海で苦しんだ挙句、また氷の山に遭遇し、
その山へ駆け上がってゆく。
このように地獄の寿命がつきるまで、
火の海、氷の山を入ったり、来たりするのだ。
と経典に説かれてあった。
しかし、これはこの世のジゴクも表している。
男にとって火の海は家庭だ。
妻からはののしられ、母親から嫁の悪口を聞かされ、
子供からも馬鹿にされる。
まさに腹が立ちケンカが絶えない怒りの火の海だ。
だから、朝飯もソコソコに会社へ出勤。
ところが行った会社は出世を争う冷たい関係ばかり。
仕事で会う人は金での付き合いだけ。
「ああ、なんと世間は冷たいのか」
と氷の山に落胆する。
やはり家庭は温かいと終了時間が気になりだす。
そして帰宅。そこはまたしても火の海だ。
男はこんな火の海、氷の山を行ったり来たり。
女というと家が火の海に変わりはない。
甲斐性なしの主人と夫婦喧嘩。
憎い姑とは舌頭での争い。
言うこと聞かない子供に頭がくる。
逃げ場のない火の海にうんざり。
だからたまに里帰りをする。
しかし、実家には長男の嫁がいる。
帰るなり、「いつまでおられるの」と
先制パンチを食らう。
ここも居辛い氷の山になっていた。
やはり家がいいわと戻ってみると
いつもの火の海が待っていた。
こんなことが続く毎日。
しかし、年寄りになると大転換。
家が氷の山になるのだ。
話しかけても息子夫婦は返事もしない。
孫も年寄りをあざ笑う。
病気をしても心配もしれくれず、
死ぬのを待っているようだ。
なんと冷たい氷の山のよう。
だから、思い余って老人ホームへ
逃げてゆく。
しかし、ここは修羅場であった。
一人のおじいさんをめぐり、
お婆さん同士が取りあいのケンカが始まる。
こんなことなら子供と同居のほうが良かったと
子供に相談するが、どの子も嫌がって
受け入れ拒否。
やっと一人の子が引き取ることになるが、
そこは冷たい冷たい氷の山。
部屋を与えられても座敷牢である。
人間世界、みな生きてる間から
火の海、氷の山を行ったり来たり。
その延長が死んでからの地獄なのだ。
苦から苦の綱渡り、闇から闇への綱渡り、
この世のジゴクが死後のジゴクを
生み出している。
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経典の中に地獄を表された話にこのようなのがある。
地獄へ堕ちた罪人は先ず、火の海へと堕ちる。
身体をジュウジュウ焼かれ苦しむ罪人は
どこかに涼しいところはないかと探し回る。
すると遠くに氷の山が見えるではないか。
「あそこにいけば楽になれる」と思った罪人は
氷の山へと一生懸命に泳いでゆき、氷の山へ辿りついた。
その途端、丸裸の罪人に凍てつく寒さ。
「ああ、寒い」と思うが、火の暑さも知っている。
この氷の山のどこかに幸せがあると氷の山を歩き出す。
しかし、氷の山の寒さに今度は暖かい所はないかと
探し回るが氷の山に迷って見つからない。
その内に目の前に暖かそうな火の海が見えてきた。
罪人は火の海で苦しんできたことはすっかり忘れ、
自ら、火の海へ飛び込んだ。
「わわ、熱い。熱い」
しかし、まだ氷の寒さを知っているので、
火の海のどこかに幸せはないかと泳ぎ始めた。
さんざん火の海で苦しんだ挙句、また氷の山に遭遇し、
その山へ駆け上がってゆく。
このように地獄の寿命がつきるまで、
火の海、氷の山を入ったり、来たりするのだ。
と経典に説かれてあった。
しかし、これはこの世のジゴクも表している。
男にとって火の海は家庭だ。
妻からはののしられ、母親から嫁の悪口を聞かされ、
子供からも馬鹿にされる。
まさに腹が立ちケンカが絶えない怒りの火の海だ。
だから、朝飯もソコソコに会社へ出勤。
ところが行った会社は出世を争う冷たい関係ばかり。
仕事で会う人は金での付き合いだけ。
「ああ、なんと世間は冷たいのか」
と氷の山に落胆する。
やはり家庭は温かいと終了時間が気になりだす。
そして帰宅。そこはまたしても火の海だ。
男はこんな火の海、氷の山を行ったり来たり。
女というと家が火の海に変わりはない。
甲斐性なしの主人と夫婦喧嘩。
憎い姑とは舌頭での争い。
言うこと聞かない子供に頭がくる。
逃げ場のない火の海にうんざり。
だからたまに里帰りをする。
しかし、実家には長男の嫁がいる。
帰るなり、「いつまでおられるの」と
先制パンチを食らう。
ここも居辛い氷の山になっていた。
やはり家がいいわと戻ってみると
いつもの火の海が待っていた。
こんなことが続く毎日。
しかし、年寄りになると大転換。
家が氷の山になるのだ。
話しかけても息子夫婦は返事もしない。
孫も年寄りをあざ笑う。
病気をしても心配もしれくれず、
死ぬのを待っているようだ。
なんと冷たい氷の山のよう。
だから、思い余って老人ホームへ
逃げてゆく。
しかし、ここは修羅場であった。
一人のおじいさんをめぐり、
お婆さん同士が取りあいのケンカが始まる。
こんなことなら子供と同居のほうが良かったと
子供に相談するが、どの子も嫌がって
受け入れ拒否。
やっと一人の子が引き取ることになるが、
そこは冷たい冷たい氷の山。
部屋を与えられても座敷牢である。
人間世界、みな生きてる間から
火の海、氷の山を行ったり来たり。
その延長が死んでからの地獄なのだ。
苦から苦の綱渡り、闇から闇への綱渡り、
この世のジゴクが死後のジゴクを
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